表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門番少年妖精少女  作者: 路傍の瑠璃
【序章】すること、したいこと。『大切』を守れるだろうか、なぜ?日常は過ぎ去っていく
6/23

豊穣祭一日目

あさと夜の投稿で一日二話投稿かなあと。

 まっ日跨ぐ可能性大ですがっ!

*1ベルン一円

 今日は豊穣祭。春の豊穣祭は春の作物が育ちますように、というお祭りだ。毎年一日だけだったが、今年から三日になるらしい。

……ここ最近収穫も悪く、資源が減ってきている。だから延びたのだろう。


 そんな祭りの日でも日課は欠かさない。


 剣の素振りと魔法陣身体能力トレーニング

 剣を振るう。


 ……そういえば。昨日久振りに会ったバルトとキッカは冒険者になったんだっけ。

近くのダンジョンで鍛錬と稼ぎをしている。中規模なダンジョンなので実入りは良いらしい。

あれで強い方なのだ。冒険者の中でも中くらい、古代とフィートの狭間あたりにいる。


冒険者はギルドに属す場合が多い。

ランクはギルドカードの色で判り、茶、緑、黄 赤、青、白、青銅、銅、銀、金、白銀、蒼銀の順で高くなる……らしい。

 他に真っ白なのと真っ黒な特別高いランクもあるそうだが、見たことはない。真っ白な方が一応権力は広いが格に違いは無い。


 身体能力トレーニング。


 あいつらは銅だったか。まさに真ん中。

 まあ、あいつらは戦い始めてすぐに腕をつけていったからまだまだ先があるだろう。あと五年、22才にもなれば銀か金ぐらい行くんじゃないだろうか。


 死ななければ。


 冒険者というのは命知らずばかりで死にやすいし、気をつけていても死ぬことがあるという。あいつらの夢は天を落とすだったか。


 天、九天の魔という奴らが居る。強大な…八大盛強とその一個下の準盛強の間の強さの九天魔という奴だ。

 名前の通り九体いる。滅ぼされないのは基本八大盛強というのは傍観派なため九天魔を屠るということはない。

 そして九天魔の方も八大盛強が怖いのであまり暴れない。暴れることは暴れるのだが。


 他を見ても準盛強五人十人では敵わないため、滅ぼされない。

 ちなみに、その一個上の七星なんてのもいる。1から7まで数が多いほど強く上は八大盛強の八位と同じ程度の強さらしい。

 これもまあ九天魔と同様の理由で暴れないのではないかと考えられている。

 居るだけで破滅をまき散らしたりするそうだが。そうでもしないと七星とか言われない。


 八大盛強の八位は王国騎士だとか。で、七位がメリー・ダイア―シード。その上は二つ名しか知られていない。


   

 さて。いつもの通り風呂でさっぱりしてリビングに向かう。


「おはようヤッくん。朝ご飯を豪華にしてみました!」


「おはようミリナ」


 もう朝食が並べられていた。サンドウィッチに白い果実水が今日の朝食だった。なるほど。確かに。手間かかってる。とっても美味しい。


「んふふん自信作だよ」

 えっへんとかいう感じに胸を張って言う。


「じゃあ、いこっか」

 


 外に出ると町は祭りだー!とばかりに飾り付けられ、多くの露店とイベントが開催されている。

 ふと見るとミリナの服装は大分気合いが入っている。その気合い彼氏にでもとっとけ。なんか重い。


 水色とベージュの涼しそうな首辺りにリボンの付いた服に、膝上までの青と白のスカート。茶色のショートブーツで、顔のせいで綺麗、というより可愛らしい。

 見ていることに気付いたみたいで、どうどう?と視線で感想を求めてくる。


「涼しそうで可愛いよ」


「ありがとう。けっこう考えて選んだ甲斐があったよ。あ、でも綺麗、じゃなくて可愛いなんだ…」


「綺麗、より可愛いかな。ミリナの雰囲気も顔も性格も可愛い、って感じだし」


「私としては綺麗、が欲しかったけど褒めてくれてるし満足かな。あ、ぽんぽんもうちょっとやって」

 褒めながらやってた頭ぽんぽんはもう少しご所望ですか。……綺麗か―まあ。綺麗だけどやっぱり可愛いでは。

 

 露店が沢山ある。アクセサリーに串焼きだったりイカとかタコとか焼いてたり。

 魚もよくわからない魔導具も売ってる。どんな祭りでもここらへんは変わらない。

 まあ辻斬りや私闘をやってたりするのが春だ。物騒。まあ闘技場?みたいなものを用意するところがほとんどなのだが。

 あ、辻斬りはもちろん道でやってます。豊穣祭っていっても挨拶と儀式が初めにあるだけで、他にお祈りっぽいものはない。

 今年は三日目にやるらしいが。辻斬りは春の華なので腰に剣さげてます。

 武器を持っていることが暗黙の了解で辻斬りかましてきます。素手の人でもナイフは差してます。

 わいわい賑やかな中央通りを歩いていく。見ると辻斬りが行われていて、それで賭け事が……


「剣士に1300!」


「剣士に5000!」


「いやメイドに2万!」


「剣士に7500!」


「メイドに5000!」


 昨日飛んできた金髪碧眼美少女メイドと戦士風剣士が戦っていた。


「め、メイドさん? あのナイフ捌きって噂のメイドの嗜み?」


「いやまあ、戦闘技術必要かもしれないけど、違うでしょ…」


 剣士が剣を振るうもメイドのナイフにいなされて当たらない。メイドの手刀も剣士のプロテクターに阻まれ効果は薄い。

 しかし、焦った剣士の突きを難なく躱し、そのまま腕を極め、腹に掌底を入れて剣士を倒した。

 わあああ!と歓声が上がり、メイドはペコリと会釈して歩いて行った。剣士は近くの休憩所に運ばれていった。


「おおーメイドさん強いねえ。動作が緩やかで、優雅って感じだったね」


「ああ。達人の業…だな」

 


 そんな辻斬りを見た後、アクセサリーの店を見つけて、ミリナが入って行った。


「どうどう?」


 見せてきたのは銀のチェーンに銀の十字が付いているネックレスだった。


「んーイメージに合わない。なんかそれは…うーん?」


 まあなんか違和感が……あるんだよね…


「んーそう? じゃ、家に置いて飾ろうかな」


 飾るのか。ミリナはまた他のものを探しに行った。というか露店の中でもこの店でかい。なんか家みたいな大きさのテント張ってるし。


「あ、これはどう?」


 白い丸が線から伸びた、多分草花の髪飾りだ。

 あ、これなら似合う。


「それいいな。きっと似合う」


「じゃあ、これも買おうかな。店員さんいくら?」


「1460ベルンです」


「あ、俺払うよ。魔術を習うならなにかとかかるだろ?毎日作ってもらってるお礼だ。まあ…これだけじゃはらいきれないけど」


「ありがと! あれ?ヤッくんは何か買わないの?」


「ああ。俺には貰ったネックレスと指輪があるからな」


 俺には恩人から貰った白のネックレスと銀の指輪と、もう一つペンダントがある。それに特に気になった物も無かった。


「じゃ、次行こっか!」

 


 露店巡りは続く。

 イカ焼きを売ってる店から二本イカを買うことにした。


「イカ焼き二本くれ」


「300ベルンだよっ!」

 代金を支払い、一本をミリナへ渡す


「おいいひいねぇ、タレとひカのひょっ感が特にひいね」


「ああうん、美味しいならいいけど飲み込んでからにしろ…」

 


「ヤッくん置物があるよ!」


「おお、何かたくさんある」

 ボアとかピグとか犬とか猫とか動物系から模様の描かれた壺なんてものもある。


「熊とかどう?」


「いや…渋い。見た目に、似合わん…」


「そう?かわいいよ?」 

  いろいろ見てると良さそうなものを見つけた。


「これ、いくらだ?」


「600ベルンだ」 

 あ、安い。いい買い物をした。買ったのは三角錐の中に色とりどりの三角錐が入っているガラス細工だった。


「うん、これ買おうかな」

 手に持っているのは絵が彫られた木の四角い置物だ。


「4200ベルンだ」


 高っまあ、うわ、という程ではない。

 よく作りを見るとわかるが良い職人が作ったものなのだろう。そう分かるとあ、安い。と思う。

 

 並んで歩いていく。昼過ぎだ。何かしらつまむべきだろう。

 近くにふんわりパンを売っていたので買って食べた。

 その名前の通りふっくらしていてもちっとしていた。


「もひぃもちしていて美味しいよ」


 途中で飲み込んだ。

 


 町を歩く。何気ない道も今は店が並ぶ商店街だ。見ているだけでもけっこう楽しい。


「えへへー」


 にっこりご満悦のミリナさん。腕ぎゅってするのはいいですけど、胸当たってます。大きいんですからぎゅってされたらその、ムラっときます。頭も肩にぽふっと寄りかかってくる。花の香りがした。




  …むっ!

 剣を抜き放つ。本日一回目の辻斬られ体験!

 

 相手は冒険者風の少年だ。中々鋭い。ていうか俺負けるかも。


「俺は冒険者のクズモトハヤト!勝負っ!」


 変な名前だ。異界から来たという少年も変な名前だそうだがこいつはあの場に居なかった。別の異界人か?


「俺は門番のヤレットだっ!その勝負受けた!」


「ヤッくん頑張れー」


 あんまり心配してないらしい。あ、冒険者で思い出したがキッカ死んだんだろうか。まあ、多分生きてるだろうが。

 細い剣を使う。得意技は突きだろう。

 

 ハヤトのから鋭い突きが放たれる。とっさに門番は避け、氷の矢を放ちながら斬りかかる。相手も難なくいなし、剣を振るってくる。

ハヤトの体がヌルリと動く。そして勢いよく踏み込み突きを繰り出す。


「ぐっ…」


 横腹を斬られた。とっさに避けられたからいいものを、避けられなかったら死んでいた。


「凄いな、これを初見で見切られたのは初めてだ。反射神経が良いんだな」

 ハンシャシンケイ?なんだそれ。危機感知の上手さか?

 

 突きを連続で放ってくる。剣で力一杯叩き落とす。振った勢いで回転し、その力を乗せて放つ。


「うおっ!?」


 紙一重で避けられる。まだだ。また回転する。相手の剣とぶつかり弾かれる。そしてその勢いを乗せて斬る。

 相手は剣で受け止めた。それは正しい。俺程度の技量だと、受け止めた後続かない。が、力が足りなく、少し痺れているらしい。蹴りを腹に入れてやる。

 

「ごっ…!」


 相手の笑みが無くなる。殺気を出し、その後獰猛な笑みを浮かべ猛然と突きを出す。

 が、


「悪いが殺し合いは無理だ。楽に行きたい」


 後ろに全力で下がりながら言う。


「最後までやっていこうぜ?」


  笑う。あーどうせ奥の手あんだろ?俺まだ死にたくない。


「いや無理だ。どうしてもってのも無しだ。聞き分けろ。そもそも辻斬りってのは見せ物で、殺し合いは暗黙の了解で禁止だ。やりたいなら殺してしまってもいいっていう闘技大会にでも行け」


「剣を持ってんなら生き死には覚悟だろ?」


 獰猛に笑って言う。戦闘狂め。


 しかし。



「ああそうだね。だが命は大切に使いきりな。まだやるならあんたが死ぬことになるよ?若い命は摘みたくないんだけどねえ…」


 なぜか魔女がそこにいた。


「メリーさん?」


「ヤー坊も面倒なのに絡まれたねぇ…おやミリナもいるのかい」


「あ、師匠!引きこもりじゃ無かったんですか!」


「そっちかい?年がら年中引きこもっちゃ楽しくない。それに入り用だってあるんだ。採取とかね」


 あ~まあ、そうなるか。ここで魔術教える人っていうとこの人か、ギルドの上手い人かぐらいだ。


「これはあいつと俺の戦いだろ?邪魔をするな」


「あんたは常識が足らないねえ…ヤー坊が戦いを棄権したんだからあんたの勝ちで終了だ。それ以上は暴力を振るう危険人物さ。暴れ足りないなら私と殺り合うかい?」


「上等っ!」


「まっ、実力つけて出直しな、坊や」


 ため息をつきながら風でハヤト君を飛ばして土の壁を出して止めて魔力弾で意識を一瞬で刈り取った。

使ったのはそれほど特殊な魔術じゃない。

だが制御、詠唱、魔法陣など卓越した技能と力、戦闘経験の差であっさりとハヤト君は負けた。

 相変わらず化け物だ。

 

「さて、祭り楽しみな。ヤー坊、ミリナ」


 そう言うとふっと消えた。…多分現れた時もいきなり転移してきたのだろう。


「ヤッくんはかっこよかったよ?」


「んーどうだろ。まあ、実力では負けてたよ」


 俺の強さはあんまりない。ちょっと強いから調子に乗ったやつにも負ける程度だ。…伸び悩んでいる。どうするべきか…

 

 気を取り直して歩くと、門番長がいた。


「門番長。こんにちは」


「ヤレットか。ん? ミリナ嬢も一緒か」

 嬢って。何かこの人硬い。とも思えば柔らかくもなる。んーま、変だ。


「嬢って、私そんな感じじゃないよ?」


「性分だ。気にするな」


 こいつ元騎士だろ絶対。あ、門番長にこいつとか言っても大丈夫です。付き合い長いんで。


「もう夕刻だ。ちょっと露店で何か買ったら帰るところだ。一緒に来るか?」


「ごめん、もう終わった巡った後だから今日は遠慮しとく」


「そうか。じゃあまたの機会があれば」


 門番長と別れる。




「んーどうする?」


「夕飯食べて帰ろっか」


「露店でいいか?」


「それがいいかな」


 露店で異界から来た謎の料理!ってのがあった。興味があったのでそれを食べてみた。

 ヤキソバというらしい。ソースの濃い味が麺と野菜を美味しくさせている。野菜嫌いでも食べるだろう。

 …異界か。8つある世界群の外の世界。…ああいうのばかりじゃないといいなあ…


 

 ヤキソバなるものを食べて、


「また明日」


「ああ、また明日」


 挨拶をして、帰宅した。

 することもないし、風呂入って寝た。

気になる点感想をお待ちしております。

異界から来るのって簡単ですけど帰るのってスゴく大変ですよ?


 さて。祭りです。主に露店ですかね。事前調べ?ないない。祭りはそこそこ行ってるんでそれに設定混ぜ混んだ感じです。

 門番長って実は古代竜倒せちゃったりする。

 指輪には秘められた効果がっ…!門番が覚醒するっ!みたいになると面白そうですね。

 秘められた効果あったとしても使う機会あるか?あ、彼女に恵まれるとか?なにそれモテない男子、青年が寄りそう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ