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門番少年妖精少女  作者: 路傍の瑠璃
【序章】すること、したいこと。『大切』を守れるだろうか、なぜ?日常は過ぎ去っていく
2/23

町の門番の怠いお仕事

初めてでドキドキです。*最初の方ほんとつまらないっすね…あと一人称と三人称が混ざることがよくあるような。

独自の単位があります。

誤字(というか切り取りのがおかしかったというか)が、ひどかったので修正しました。

*単位を登場する度書きます。一応一章終了(豊穣祭)後改めて設定集を載せます。

そして海までを10→1コロンに変更しました

単位距離1リーリ15km1コロン750m 1ミッシェ1年1ライン一時間。以下分、秒


俺はしがない町の門番。門番というのは町に出入りする人を調べて通行していいですよという仕事だ。

 もちろん担当する門に出入りする人だけだ。そろそろ夕方だろうか。


 この町はそこそこ大きい。門も多い。38個。こんなに作って意味はあるのだろうか。

 そこそこ大きいが別にここから2リーリ離れたとこに城下町がある。まあ馬車で半日のところにこの国で最も栄えた場所があるということだ。

 

じゃあこの町に特に主だった役割はないかと言われると違うだろう。

ここはまあそれなりに森、鉱山、海がある。そしてダンジョンもある。中規模の。それぞれ1リーリ3リーリ1コロン1リーリ。1リーリは20コロン。


まあそれなりに立地が良い。飯は美味いし。まあ俺の担当23番門の前は草原広がる街道で森が若干見えるくら……おっと仕事だ。



 門にやって来たのは子連れの三人家族。おそらく観光だろう。

 子連れの三人家族は荷物を取り出し慌てていて、女性はカバンをひっくり返し何かを探している。

 その横で子供はオロオロとしていて不安そうな顔をしていた。

 

俺はまあ仕事だし、と思い声をかけることにした。

 

「何かお困りですか? 私はこの町の門番です。見たところ町に入るための市民証が無いのでは?でしたらこの門で手続きを行い発行出来ますよ」

 

「ほ、本当ですか!? よかった……初めての観光で市民証を無くしてしまい……教えてくれてありがとうございます。家族に伝えて来ます」

 男性は安堵の表情を浮かべ、お礼を言い、家族に伝えて戻って来た。そして子連れの三人家族と門番は門の中の小部屋に入っていった。

 

 まあ、こんな市民証を無くしましたみたいな人はけっこういる。そのための施設がここだ。

名前はあかし発行所。わざわざ発行するなら正式な物を発行しようという町なので、全ての門にはこの施設がある。

 全くもって無駄だと思う。38個の門全てにこれがあるのだ。もういくつか門壊せよ。

 まあここは壊されないだろう。街道前だし。

 

 発行紙に必要事項を書きながらそんなことを思う。書き終わった紙を男性に手渡し、説明を始める。


「基本的には市民証を発行するときと同じように名前、生年月日、住所、家族構成、職業、魔力の登録をしてもらいます。魔力の登録は私の横にある魔導具で行います」

 

男性はわかりましたと返事をし、家族全員分のものを書いている。女性と女の子は魔力の登録をしている。女の子は初めて見るのか興味津々のようだ。

 

 そういえばこの家族、美形だ。男は薄い茶色の髪の整った顔立ちで細い方だが筋肉がある。

女性は綺麗な翠色の髪をしていて愛嬌のある顔。健康そうな体だ細くしなやかだが凹凸ははっきりとしている。

女の子は髪は父親と同じ薄い茶色の髪でくりっとした目で、母親似の顔だ。

 

「書き終わり、魔力の登録も行いました」

 紙を差し出してくる。名前…男性の名前はダミエル、女性の名前はフェイミー、女の子の名前はミーエというらしい。

生年月日住所その他もよし。魔力登録もよし。

紙を魔導具の中に突っ込むとすぐさま市民証が出てくる。

 

「発行が完了しました。次は無くさないように気をつけてくださいね」

 そう言って門番は市民証を手渡すと、

 

「この近くでの宿だとどこがいいでしょうか」

 と、受け取った男性は聞いてくる。

  

「そうですね……この先の『ファラー』という飲食店の所を左に曲がった先の『ミッシェの安らぎ』という所が料金、サービス共に良いですよ」 

 

「なるほど。そこにしたいと思います。いろいろありがとうございました」

 お礼を残し、子連れの三人家族は門を通って行った。

 

 さて……仕事が終わるころまで少し。6ライン。深夜までだ。

同僚に飯食ってくると言い門にある小部屋で夕飯を食べる。

 

幼馴染の花屋のミリナの作ったご飯だ。ミリナはどちらかというと妹のような感じだ。

 小さい頃から面倒を見、面倒を見られてきた関係。

 器量が良く、若く見え美少女なので狙っている男も多い。

だが告白したやつ全員玉砕している。身持ち堅いと将来が心配だなあ…

 まあ人のこと言えないが。彼女無し、顔面は普通かその下、体はいたって平均。

剣の腕が多少いいぐらいだ。魅力が無いというのが自己認識だ。

 



 ……仕事、長い。5ミッシェ(5年)続けているが、やはり仕事が長い。


門番の毎日は怠い。仕事しているときもそこそこ辛いが、休憩のときにはズン…とくる。


 あ…夕飯を食べ終わってしまった。戻らねば…

 

「エイフィスーお前も飯食って来いよー」

 

「はい先輩!」

 

エイフィスは今年からの新人で弓の腕が良い。中堅上ぐらいの弓を扱う冒険者と同じくらい巧い。

 17でまだ若いのに弓の腕がこれほどとは。将来は弓の名手と言われるのではないだろうか。

 夜の門番は一応立っているが、あまり人はこない。だが、魔物はくる。

 


 ほぉら来た…

 

 

 …あれは人型で竜の鱗をもつが変身した竜人族とは違う。11の級の中から上から7番目のフィート級。その中でも上のドレッドヴァイドだ。

 特徴は武器を使い、身体能力が高いこと。俺と同じくらいだが俺はフィート級の真ん中。

 

 そして奴にはう一つの特徴がある。竜のブレスを吐き竜気による魔法を使うという点。

 

 ドレットヴァイドは門番へ風を切る音と共に槍を突き出す。門番はそれを見切って避け、剣を抜き放つ。

 腕の鱗を切り裂き血しぶきを舞い上がらせるも、相手の左の爪で鎧が大きく削られる。


「フゥッ…!」


門番は荒く息を吐き間合いを取り、ドレッドヴァイドはすぐさま腕の処置施すと同時に竜気弾を放つ。

門番は剣で緑の弾を弾き、虚空に魔法陣を書く。円を書き、中心から文字が刻まれ魔法陣が高速で歯車のように回り出す。

 

氷の矢アイス・アロー

 

魔法陣が消えると同時に門番は駆け、3本の矢のような荒い削りの氷がドレッドヴァイドの足元に2本、1本は鱗に当たると同時に光り弾かれる。

 ドレッドヴァイドは足を止め、門番に向かって槍を横薙ぎに振るう。槍と鎧が擦れ、金属音を響かせて門番が下がらされる。

 

 …正直、辛い。相手に腕のダメージはあり、技術は上とはいえ、力と体力は相手の方が高い。

 なぜこんなところにフィート級が、とも思うがエイフィスは何をしているのだろうか。

 のんきに飯食っているとでも? 弓持って現れろよ。

 

 

 門番、ドレッドヴァイドは得物を構えなおす。互いに睨みつけ、互いに動き始める。

両者とも先ほどより速く激しく剣戟を繰り広げる。互いは決めてに欠ける。手数は竜気弾をだせるドレッドヴァイドの方が多い。

 

 門番は剣を振り、魔法陣を書き隙を作り出そうとするも未だ互角。剣は槍に、魔法は竜気に。拮抗した状態が続く。互いに傷を作り合い鮮血が舞い、倒れない。



 門番の剣がドレッドヴァイドの腕を斬らんと迫る。槍で弾こうとするが槍でかろうじて防ぐにとどまり、体勢を崩す。それを好機とし門番の剣が狼牙の如く腹を捉えた。断末魔の声を上げ、息絶える。

 

俺は息絶えたのを確認すると剣を杖にして剣に寄りかかる。ドレッドヴァイドってのはダンジョンの中でも中ボスの立ち位置だよなあ…フィート級の階でもボス手前の。報酬が欲しい。苦労して報酬0。なんかよこしてくれ…

 

 門からけっこう離れているようだ。俺はとりあえず門の前に立つ仕事に戻り、エイフィスに交代だと言い残し、報告書を書く。

 ドレッドヴァイドが出たこと、その時間、槍を持っていたこと。

 所感。正直なんか寄越せと言いたいが、真面目に戦い慣れしていると書いておく。


 その後は特に何も無く、エイフィスに、食ってる場合かっ音しただろうっと言うくらいで突っ立っているだけだった。

 いつもよりはるかに心身憔悴の中、愛しき自宅へ足を進めた。

感想、批評、誤字脱字に誤用あればお願いします。厳しい言葉も受付けます。

以下あとがき。いらないぜいという方は飛ばしてください。

ドッキドッキの初 投 稿~

門番。大変そうですね。この門番、出世はいってもは町の門番長なのでは。成り上がりとかしなさそうな現在名前不明、年齢不明の門番さんの日常をご覧ください。あ、もう見てる?あとがきから読む派の方へです。無駄?そうだね。だがあえてやる。

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