なんか吹っ切れたよ
トンネル内の『結界の壁』が徐々に膨張して広がりが始めていた。トンネル内の壁はミシミシと音まで聞こえ始めていた。壁の補修された亀裂がさらに広がりがを始めて中の鉄筋が見えるところも。
このまま膨張して『結界の壁』が消失したらみんな瓦礫の下敷きになってしまう危険が更に増してきた。それは誰が見ても明らかだった。
ただ一つ『結界の壁』は普通の人には見えない、を除いて‥‥‥。
そしてヒロは、大平からの告白?とも取れる言葉に(大平は告白したと思い込んでいるが)浮かれている時ではなかったと両手で自分の頬を二回パンパンと叩く。
そして現状をもう一度見たが何か打開策が見つかる訳でもなく一秒、また一秒と時計の針が刻々と進んでいった。
「何か、何かないのか‥‥‥」
ヒロが打開策を模索していた時うっかりとトンネルの壁に右手をついてしまった。
「バチッ!」と触れた手に電気が走り「イテッ!」とヒロは直ぐに壁から手を離した。
「膨張していてもまだ電気の様なのは流れているんだなぁ」
痺れた右手を振りながら壁を見ていた時
「うん?電気‥‥‥‥!」
何を築いたのかヒロはアクアに確認してみた。
「アクア、壁に手をついてみてくれるか?後、電気を吸収することも可能か?」
「うん?なんじゃヒロはこんな時に。妾は電気を吸収することは出来るぞ。あと壁に手をつけばいいんじゃな」
と壁に手をつけようとするとカンナが
「あぶない!アクア!」
叫ぶが壁に手をつくのが早く「バチッバチッ!」と音がした。
「ああっ、アクア‥‥‥‥‥!」
カンナはアクアを見て驚いていた。
壁についたアクアの手には確かに電気のような物が流れ「バチバチ」と鳴っているがアクアは何もなかったかのように平然としていた。
「うん?なんじゃこれは。痛くも痒くもないぞ。いや、痒いかな?」
それを見たヒロはガッツポーズを取ると確信した。アクアに『結界の壁』に流れる電気?を吸収させて雷撃波で一気に結界に向け放出。『結界の壁』を壊す。ただ問題は無闇矢鱈に『結界の壁』に雷撃波を放っても壊すことは出来ない。『結界の壁』の一番薄い場所を狙わないと‥‥‥けどそんな調べている時間などない。
ヒロは考えていた。これをすれば何とか『結界の壁』を雷撃波で壊すことが出来るかも。しかしこれをすると
「青葉に危険がともなう‥‥‥」
ヒロの考えはアクアに『結界の壁』に流れる電気を吸収。青葉が開けた結界の穴に向け雷撃波を放出。『結界の壁』を壊す。穴は数秒で閉じてしまう為、一発必中。その際青葉にその場から逃げる時間はほんの数秒しかない。一歩間違えば死すらあり得る。これを青葉が了承するのか?いやむしろ俺が青葉に頼めるのか?
そしてもう一つの問題が!
雷撃波で『結界の壁』を壊した時の衝撃をどうすればいいかだ。かなりの衝撃が俺達に襲ってくるだろう。
「衝撃波をどうすれば‥‥‥」
ヒロが呟くとカンナがどうしたの?とした顔で覗き込んできたので説明すると、
「衝撃波を防ぐ壁をつまり結界を引けばいいんですよね。出来ますよ」
「えっ?‥‥‥‥今出来ますよと聞こえたんですが」
「ええ、出来ます。この『結界の壁』みたいに360度全部は無理ですけど一部だけなら。て、言うか妖精はみんな結界はれますよ」
「えっ、でも『結界の壁』を見て驚いていたんじゃないか」
「それはそうですよこんな巨大な結界」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥と、とりあえずはお膳立ては整ったのか。後は青葉か」
そう悩んでいると大平がテレパシーを使い
【青葉、了承したわよ。太田君】
「えっ?えっ?大平さん?て、言うか何故?」
【ごめんなさい。盗み聞きするつもりはなかったの。太田君に連絡をしようとしたら‥‥】
「そうなんですか‥‥‥すみません」
ヒロは自分が情けなく思っていた。自分の決断力のなさのおかげで周りに迷惑をかけていることに。そしてこうも臆病になりがちな自分に。
「そんなことはありませんよヒロ。あなたは誰にも優しいから悩んでしまうんですよ」
そばにいたカンナが微笑みながらヒロに言うとヒロは
「ありがとうカンナ。なんか吹っ切れたよ。やろう!ここからみんな無事に出よう!」
「ハイ!」
そしてヒロ達は実行に移した。




