表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太田君の彼女は妖精さん⁈  作者: 本田 そう
3/74

青葉

「ところでヒロ。この子の名前はどうしますか?」


カンナが子猫を両手で抱き上げて言った。


「あっ! そうだった。叔父さんに子猫の事、相談するんだった。名前は後で決めるよ」


僕はカンナに抱かれた子猫を両手で受け取り抱きしめると、


「カンナ、ちょっと留守番していてくれないか」


僕は子猫を抱きながら叔父さんの家へと行った。


因みに叔父さんの家はアパートの真向かい側にあります。昔は農家をしていたんですが、年には勝てないらしく家の前の畑をアパートにしました。


で、今僕の住んでいるアパートはそこの叔父さんが経営しているアパート。でしかも2DKのファミリータイプのアパートなんですよね。そこを一人で格安で住んでいます。で、真向いの叔父さんの家は約100坪程の土地に、昔ながらの二階建ての家が50坪程建っています。

しかも子供がいない為、叔父さんと叔母さんの二人だけで暮らしてます。だからよく、夕飯に誘われる事も有りますよ。


最初、僕が叔父さんの家に住む話を母が勝手に進めていたので、母に対しての反抗期なのか、僕は拒否して、じゃあアパートに暮らす、て事で落ち着いたんです。

まあ、一番は昔から僕を自分の息子の様に可愛がってくれる叔父さんと叔母さんに迷惑を掛けたくなかった、てのがあるんですがね‥‥‥て、結局夕飯とかご馳走になってますよ。

だから僕は良く叔父さんと叔母さんの畑仕事を手伝いに行きます。


僕は叔父さんの家に行き、インターホンを押して待つこと1分ぐらい、


「はぁーい。少し待ってて下さい」


いつもと違う声に僕は「うん?‥‥‥誰だろ?」

と首を傾げます。


いつもは叔母さんか叔父さんが出てくるし、

受け答えの時は必ず僕の名前を呼びますよ。

けど今回は名前を呼ばれない。


「‥‥‥本当に誰だろ?」


「はぁーい」と同時にガチャとドア開くとそこには上下紺のジャージ姿で、肩より少し長い髪をポニーテールにした中学生?いや高校生?ぐらいの可愛い、少しぽっちゃりとした女の子が立っていた。身長は150あるかぐらいか。ジャージを着ているので胸やお尻が強調されてます。(カンナより少し大きいのでは)


で、僕が目のやり場に困りながら、


「あ、あのう叔父さん‥‥‥大家さんは?……」


と、女の子が突然、


「‥‥‥ヒロ君?‥‥‥ヒロ君でしょ?」


「‥‥‥えっと?‥‥‥どなたでしたっけ?‥‥‥」


僕が首を傾げ悩んでいると女の子は



「青葉よ‥‥‥あ・お・ば・若宮青葉よ。忘れちゃったの?て、前に会ったのはあたしが小3の時だからあれから6年以上立っているからわからないわよね」



僕はジィ〜と女の子を見つめ、


「青葉?‥‥‥うん? ‥‥‥えっ! ‥‥‥えええ! 青葉か!あの青葉かよ!おてんば青葉かよ!」


僕が目を丸くして驚くと、


「むう〜う(少し怒)ヒロ君! 少し言い過ぎなんじゃないですか!まぁ、確かにあの頃は女の子らしくはなかったのは認めますけど、今はこの様に女の子らしくなったんだからね」


と僕にウインクをしてきますよ。


「ドキッ! あ!ああそうだな。女の子、女の子」


「あっー! ヒロ君はまだ女の子として認めてないなぁ! なら、これならどう?」


と青葉は良くグラビア女性がするセクシーポーズをとった。


僕は恥ずかしさを隠して


「わ、わかったから!それよりなんで青葉がここに?」


「あたし、この春からこっちの高校に通う事になったの。で、叔父さんの所に、ね。」


「なるほどね‥‥‥納得したよ。ところで叔父さんか叔母さんは居る?」


「今は二人で買い物に行ってるよ。なにか用事があるならあたしが伝言するけど‥‥‥」


「うん、実は‥‥‥」と抱いていた子猫を青葉に見せると、青葉の目が急に子猫に釘付けになり、


「きゃ、きゃわいい! きゃわいい! どうしたのこの子。ちょっとあたしに抱かせてよ!」


と僕から無理や子猫を取り上げた。

そして撫でたり頬ずりしたりして、


「きゃわいいよぉ〜。もしかしてこの子を飼いたいから、叔父さん達に相談しにきたの」


「うん、まぁ、そう。で叔父さん達はいつ頃帰ってくるかな?」


「う〜ん?わからないわ。けど帰ってきたらあたしからもこの子のこと聞いておくね」


「ありがとう。じゃぁ俺は一旦帰るから‥‥‥子猫‥‥‥」


と青葉から子猫を取ろうとしたら、僕の手を青葉が弾く。


「おい! 青葉!子猫!」


「ぷい! ネコちゃん、かわいい、かわいい」


「青葉ぁ!」とまた僕が手をだしたら青葉が腕をガブッと噛んだ。


「いてぇー!ま、またかよおぅ!」


僕が痛がっていると青葉が


「うん?また?‥‥‥ヒロ君、またって?」


「あっ、い、いやこっちの話。しょうがない、青葉、こいつにミルクをあげといてくれないか。後で叔父さん達が帰ってきた時に子猫を迎えに行くから、それまで面倒をみておいて……」


「わかったわ。ヒロ君」と言って、青葉は奥の台所に一目散に行ってしまった。


「はぁー! とにかく一旦戻ろ。カンナの件もあるし」


僕は子猫を青葉に預ける? とアパートに戻った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ