形をもたない、その2
形がない?それが妖精。
『そうだ!だったら逆に質問だ。なぜ妖精は羽の生えた女の子だと思った』
テレビの中のカミナリの妖精は聞いてきます。
「えっ?‥‥‥いや何故か?ていわれても‥‥‥」
僕は何て答えればいいか言葉を考えていた。
「そんなの昔から決まってんじゃん! 妖精は羽の生えた女の子や小さな小人みたいなのだろ!」
ヨッシが腕を組んで、どうだと言わんばかりに答えますよ。
『そう‥‥‥昔から決まっていた。人間によってな。妖精はこの様な形が妖精らしいと』
カミナリの妖精は何か引っ掛かる様な言い方で答えます。
「昔から決まっていた?いや、だったら、お前らの『形がない』に矛盾するだろう?」
僕はカンナを見て言います。
『そうだ。ではもう一つ質問だ。妾の姿が貞子とか言う物に見えたのなぜだ?』
「それは………、」
(そうだ、最初テレビから声がした時、恐怖を感じた。テレビか出てくる怖い物?日本人なら、やはり最初に思い描くのは貞子かお化け‥‥‥)
「‥‥‥そうか!思い込みが! 人間の思い込みが妖精の形を作ったのか!」
「どうゆうことだヒロ?」
ヨッシはまだ理解してませんよ。
「つまり空想だよ‥‥‥連想ゲームみたいな物。え〜っと、ヨッシ、冷たい物と言ったら何を想像する?」
「‥‥‥氷かな」とヨッシ
「俺も氷だよ。けど、人によっては答えが違う。水かもしれないし、雪かも。それかアイスかも、いや別の答えるかも‥‥‥」
「そうか!思い込みで妖精の形が決まる。世界中で妖精の形が違うのはその為か」ヨッシは納得した。
「そう、だから形がないと‥‥‥」
僕が答えます。
『もともと妾達妖精は、触ることも見ることもできぬ存在。つまり空気や光みたいな物。だが感じ取ることは出来る』
僕はカンナの方を見て思い出していた。
「だからなのか!カンナを感じ取ることが出来たが、姿があの様に見えたのは‥‥‥」
「なあヒロ」とヨッシ
「なんだよヨッシ」
「妖精が何故この様に見えたのかは、わかったが何故俺にも、いや、そもそも何故最初は見えなかったんだ?」
ヨッシはカミナリの妖精に聞きます。
「あ、それなら簡単だよヨッシ」
僕はヨッシを見て答えます。
「ヒロにわかるのか?」
「最初に何故ヨッシには妖精が見えなかったか?それは……」