真実その3
僕は車に乗り込み、ヨッシのアパートへと向かった。
しかし‥‥‥
何回も通る道なのに、何回も見る景色なのに、カンナに対しての自分への罪悪感が沸々と湧いて来た‥‥‥
カンナにあんな願い事をしなければ‥‥‥
カンナに出会えなければ‥‥‥
カンナ‥‥‥
あいつと出会ってまだ二日しか経ってないのに、『彼女が欲しい』の願い事の為にあいつの命が……いや、まだそうと決まったわけじゃない!
けど……見つけられるのか、『真の幸せ』を‥‥‥
僕は自信がない、そう感じていた。
そうこう考えている内、ヨッシのアパートの前に着いていた。
新築の洋風仕立ての二階建てアパートの前の道にヨッシは待っていた。
あいも変わらずヨッシの身なりは下は紺のジーパン、上はトレーナーにダウンジャケットを着ていた。
髪はストレートに肩まで伸ばし、体格は少し痩せている感じ。顔は目鼻がしっかりとしていて、服装、髪型をしっかりとまとめれば女性にモテるのではと、いった美青年?て、感じだ。
ヨッシは僕の運転した車が自分の前に止まると助手席のドアを開け
「ヒロ、今日は連絡してから来るのが遅かったな。いつもなら俺が家から出て来る前に来るのに、て、どうしたんだ?」
ヨッシは僕の顔を見るなり言ってきた。
「‥‥‥ヨッシ‥‥‥」
心ここに在らずみたいな感じで僕は返事をした。
心配そうな顔でヨッシは
「ヒロ、大丈夫なのか?よくそんな状態で運転できたな。もしかして連絡あった例の件が原因か?」
「う、うん‥‥‥詳しい事は俺ん家に行ってから話すよ。本人から聞いたほうが分かるかもだし‥‥‥」
ヨッシの顔を見ず、僕は気落ちした様な感じでヨッシに話していた。
『情けない!何でいつもこうなんだ!グダグダと………』と心の中で僕は叫んだ。
再びヨッシを乗せて、来た道を運転して戻ります。
カンナが待つアパートに帰って来た僕はドアを開ける前に自分の頬を二、三回パンパンと叩いた。
「なにしてんだ?」
僕がいきなり自分の顔を叩くので、ヨッシはビックリしてます。
「‥‥‥いや、ちょっと‥‥‥な」
こんな状態ではだめだ!と、僕は一回、深呼吸をします。
そしてドアを開け、「ただいま!」と。
「お邪魔します‥‥‥て、ヒロ一人暮らしだろ?
誰にいってるのさ?」
また、ヨッシがビックリしますよ。誰かいるのか?誰だよ!と、ヨッシがしつこく聞いてきますよ。
リビングのドアを開けてヒロは
「ただいま」と出来るだけ自然な表情で言った。
「ヒロ、お帰りなさい」
カンナは笑顔で言ってきました。
「うん?」とヨッシは聞き覚えのない女性の声がしたので
「ヒロ、誰かいるのか?」
「ああ‥‥‥まあ、中に入れよ」
「お邪魔しま……すぅ……えっ?」
ヨッシは目を丸くして驚いた。
女性がいので、
「ヒロ!こ‥‥‥この人は誰なんだよ!」
「ああ、こいつは俺の彼女……」
照れと悩みとの複雑な表情で答えた。
「か、彼女おおお!」
なにかヨッシはビックリを通り越して、硬直寸前の状態になってますよ。
で、
「おい! ヒロお前、最近振られたばかりだろう?何で彼女なんか……、はぁ!分かったぞヒロお前二股かけてたな!」
ヨッシは羨ましそうな顔で僕に詰め寄ってきました。
「はあ?、なんで僕が二股なんか……まぁ、振られて直ぐに彼女が出来たから、疑われてもしかたないけど、とにかく座ってくれ! 彼女が出来た理由とこのニ日間に起きたことを話すから」
僕は今の僕の気持ちをカンナに気づかれない様にヨッシを見て言いました。