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太田君の彼女は妖精さん⁈  作者: 本田 そう
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絶望?希望?

精霊様の怒りを買って液晶テレビの中に閉じ込められたカミナリの妖精を助ける方法‥‥‥


それはですねぇ〜〜


「この箱(液晶テレビ)の中の妾を見る事の出来る人間の願いを叶える事!」


だそうですよ‥‥‥


「つまり、今は僕ってこと?」


僕は右手の人差し指を自分に差して、カミナリの妖精に聞きます。

カミナリの妖精は、うんうんと頷いてますよ。

その表情?は明るく感じられるほど。



「お主、妾を助けてくれないか?」


「えっ!」


で、横でその会話を聞いていたカンナはですね、


「ダメー!」


叫ぶと僕の腕を掴み、カンナは自分の方に僕を引き寄せます。


「カ、カンナ///(照れ)」


僕はカンナを見ますと、カンナは、


「ヒロ、またあの時と同じ願い事するかも‥‥‥」


「あの時の? ‥‥‥アッ!」


心配そうにカンナは僕をジィーと見てます。


「カンナ、俺はカンナ以外にあのね…‥が…‥い…‥ッゲッ! ガッ!」


カンナ、僕の首に両腕を絡めて僕を見引き寄せた為、僕は失神寸前ですよ。


「カ、カンナ、く、苦しい‥‥‥ギ、ギブ、ギブ」


カンナの腕を僕はポンポンと叩きます。


「えっ?アッ!ご、ごめんなさいヒロ。私とした事が、ほほほほほほっ」


笑って誤魔化しますよお! この妖精さんは! カンナさんは!


「カ、カンナ、大丈夫だよ。あんな願い事はカンナ以外に‥‥‥」


僕はこの時、しまった! と思いましたね‥‥‥

だってですねぇ、言葉を選ばないで言ったもんだから、


「……あ、ん、な、ね、が、い、ごと!‥‥‥」


何かカンナさん、怒り寸前ですよ。


「カンナ‥‥‥い、いや‥‥‥言葉が悪かった。カンナ?カンナ…さん?」


「ヒィーロォー‥‥‥ガブッ!」


「えっ! ‥‥‥痛ったあぁ!」


また、噛まれましたよおぉぉ(泣)


『いつまでどつき夫婦漫才をしておる』


テレビの中の妖精。


「「誰がどつき夫婦漫才か!」」


僕とカンナはテレビの中の妖精に言います。


『と、とにかく‥‥‥早く妾を‥‥‥』


「けど、俺にはカンナがいるし。しかも願い事は叶えて貰っているからな」


僕はまたもカンナに噛まれた所を摩りながら、なんとも哀れな感じで僕を見る妖精さん。で‥‥‥


『な、なんとお主もう願い事を‥‥‥』


今更驚いてますよ、この妖精さんは。

だいたい、カンナが妖精だってわかってるんだから、願い事も、もうしているとわかるはずなんだけどなあーー。


「‥‥‥なんだその驚きは?もしかして、妖精に願い事を叶えて貰うと、他の妖精の願い事はダメなのか?」


『ああ、出来ぬ。ダメだ』


「なんだよ、それって‥‥‥だったら本当に一回きりの願い事なんだ」


僕はこのカミナリの妖精の言葉に、愕然としましたよ。で、


「カンナ‥‥‥その、ごめん‥‥‥」


「えっ! ヒロ‥‥‥別にいいの‥‥‥」


カンナに謝る僕はカンナを見ると、少し気落ちした様な感じに見えた。


「妖精に願い事を叶えて貰うと、他の妖精の願い事は叶えてもらえなくなるなんて……」


そうなんです。つまりは、このカミナリの妖精は僕には助ける事はできないんですよ。


「じゃあ、この妖精をどうやったら‥‥‥」


暫く考える僕。

横で一緒に考えるカンナ。


「ねぇ、ヒロ。妖精が見える人ていないの?」


カンナが僕に聞いてきますが‥‥‥


「妖精が見える奴なんていないよ……うん?‥‥‥待てよ?」


僕はカミナリの妖精に再度問いかけます。


「なあ、お前ら妖精を見ることが出来る人間とはどんな人間なんだ?」


『どんな人間とな?』


「そうだ。いったいどんな人間なんだ?」


『考えたこともなかった。しかし一つ言えるのは子供のように純粋な心を持つものなら‥‥‥』


「子供のような‥‥‥そうか!」


(俺もあの時カンナの事を純粋に考えてた。欲ではなく、あくまで純粋に)


「だから見えたのか! 感じることができたのか!」


僕はカンナを見ると頷きます。そして、テーブルの上に置いてあるスマホを取ると、


「ヒロどうしたの?」


「カンナ‥‥‥この妖精助けることができるかも」


「本当に!」


「ああ、一人心当たりがある‥‥‥」


『どんな人だ』妖精は希望を持ったような声で言う。


「吉田ヨシオ! 僕と同じオタクだ!」

(て、あいつは超が付くほどのオタクだけど‥‥‥)

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