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太田君の彼女は妖精さん⁈  作者: 本田 そう
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同類その2

家電売り場の展示物のテレビの前で座っている僕とカンナ。


「とりあえずお前をそこからどう出すかだが?その前に一つ聞きたい事があるんだが…」


僕が画面の中の妖精に問います。


「なんだ?」


「妖精が妖精の願いを叶える事は出来るか?」


僕はカンナを見ながら言うと、テレビの中の妖精は、


「う〜ん?無理だな。わらわ、妖精は同じ妖精の願いを叶える事は出来ない」


「そうか。もしかしてと思ったが…(出来たならカンナを空に…)」


その時僕は正直少しホッとしたような、悲しようなそんな顔をしてましたよ。


「ただ……精霊様ならあるいわ」


「妖精の願いを叶えてくれる」


「ああ」


「その精霊様はどこにいる………」


聞きかけた時まわりからひそひそ声が



「ちょっとあの人テレビに向かって、なにか話してますよ」

「ねぇ、あのお兄ちゃんなんでテレビにはなしてるの?」

などなど。


『うっ、こ、これは気まずい』


僕は近くの店員に


「あーっ、この位のテレビ欲しかったんだよなあ。うん、スミマセ〜ンこのテレビ下さあい」


店員「ありがとうございました」


「うううっ(涙)余計な出費だ。とにかく家に帰ってこいつから詳しいことを聞かないないと」


で、僕はカンナとカミナリの妖精が入った20インチのテレビを持ち車の止めてある駐車場まで行き帰路についた。


アパートに着くと、大家の叔父と叔母、青葉がちょうどアパートの向かい側の家から出て来るところだった。


「ヒロ君」と言いながら子猫を抱いて手を振りながらこっちに来る青葉。


「あっ! 青葉、叔父さん、叔母さん、こんにちわ」


挨拶をする僕に叔父さんと叔母さんも挨拶


「こんにちわ。ヒロ」

「こんにちわ。ヒロ君」


「ええと、ですね。会って早々なんですが……」


話し出すと


「子猫のことね。青葉ちゃんから聞いたわ。いいわよ」と叔母さん。


「いいんですか?」もう一度聞きます。


「ええ。うちは子供がいないし、青葉ちゃんもここで一人だと寂しいから、うちで子猫の面倒を見るわよ」


「本当ですか!ヨシ!ヤッタァ!」


控えめなガァツポーズをする僕は、ホッとして軽めのため息をしました。


「叔父さん、後一つ相談があるんですけどいいですか?」


「うん?あ、ああ、いいぞヒロ」


叔父は頷くと


「あの〜ですねぇ、えっと、そのう〜ですねぇ……」


戸惑う僕に


「なんだヒロ、はっきり言わないと」


そこえカンナが


「ヒロ!この荷物どこに………」


定番といえば定番の出会いが‥‥‥


「「「あっ!」」」


叔父さん達がカンナの方に目を向けると


「ヒロ、この子は?」


叔父さんは最初は驚いていたが


「あっ、あのう叔父さん、相談したい事とは……」


僕が詰まらせながら話し出すと、何が言いたいのかカンナを見て分かったらしく、叔父と叔母はお互い顔を合わせ、ニコリとし、


「‥‥そうか、ヒロに春が」


「で、叔父さんこの子と一緒に…」


「いつ結婚するんだ?」


「へぇ?」


「だから結婚」


「結婚て? へぇ? 俺とカンナ? なに話を飛躍させてるんですか!」


「だって、なあ、一緒に住むんだろ?」


「えっ!あ、うん、で、その事を叔父さんに許可をもらおうと……」


「うちは一向に構わんよ。なあ。」


叔母さんの方を向く叔父さん。


「ええ。私も構いませんよ」


何か良いことがあったかの様な顔をして頷く叔母さん。


「ホッ、よかった。ありがと叔父さん、叔母……」


叔父さんにお礼を言おうとした時


「早くヒロ君のお母さんに連絡しなきゃ」

と叔母さんスマホを取り出す。


「へぇ?ちょちょ、ちょっと待ったあ!今すぐ母さんに連絡するの?」


慌てる僕を見て叔母さんは、


「当たり前じゃないの! こんないい話」


「ええっ!ちょっと待って!」


僕が叔母さんと話し合っている後ろで青葉が複雑な、いや不機嫌な顔をしていたことに気づかない僕でした。


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