エピローグ
女の化け物は倒した。
その事実を飲み飲むまで、ターニャは肩で息を吐きながら弾切れとなったショットガンを構え続けた。
「く、あぁぁ…………」
やがて激痛に耐え兼ね、膝を着いた。
マトバの方を見ると、彼は気が抜けたのか尻餅を着いてこちらを見ていた。
二人の視線が交わると、どちらからともなく笑みを溢した。
その時の笑顔は、無邪気で年相応な可愛らしいものだった。
彼は少ししてから徐に立ち上がると、ターニャのもとへトコトコと歩み寄ってきた。
そして手のひらを差し出し、「助かりました」と言った。
「助けられたのは私の方だよ?」
「いえ、僕だけじゃ怖くて、とても太刀打ち出来なかった。お姉さんが居てくれて、勇気を振り絞る事が出来たから」
「それなら、何よりね」
ターニャはマトバの手を取り、ゆっくりと立ち上がる。
やはり体が痛むが、彼が支えになってくれた。
「そう言えば、僕、お姉さんの名前知らない」
「あぁ、名乗ってなかったね」
どうやら自己紹介の必要があるらしい。
ターニャは少しの気恥ずかしさを感じつつ、自らの名を名乗った。
「私はタチアナ・ペトリャンコ。『デッドキラー』の『ガンスリンガー』よ。ターニャと呼んで」
「うん。よろしく、ターニャさん。僕の事も、薫って呼んで」
「そう。よろしく、カオル」
二人は再度笑いあった。
ご愛読ありがとうございました(^-^)
良ければ他の短編小説も読んでいって下さい。