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眠り姫の穏やかなゲーム内睡眠  作者: 糸岡 めむ
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9 「お姉ちゃんのレベルダウンとお買い物」

そんなこんなで街に到着。

ちょっと視線を感じる。

やっぱ頭にスライム乗っけてたら変だよね。


「母ちゃーん、なんかじろじろ見られてるぞー」

「そりゃあんたが珍しいんでしょ」

「へへ、俺人気者かー。困ったなー」


気楽なもんだなー。帽子でも買って隠そうかな。こないだの服屋さんとフレンド登録もしてあるしね。……お、ログイン中だ。後で行こう。


「さあそろそろネコカフェだよお姉ちゃん」

「あら、楽しみね」

「飲むぜー食うぜー」

「あんたもケーキ一つとコーヒー一杯だけだよ」

「母ちゃんのけちー」

「ご飯の材料買えなくなってもいいなら、好きなだけ食べてもいいけど」

「嘘嘘!スライムジョーク!HAHAHA」

「そう……」


下らないことを話しているうちに到着です。

先にギルドで素材換金と適当な討伐クエストを受けておきます。受付嬢さん曰く、クマとかイノシシは防具屋とかに持って行った方が高く売れるらしいので後で売りに行きましょう。前のビジネスライク嬢とは違ったけどこの人もいい人だね。


カランコロン


「いらっしゃい」

「こんちわー」

「お邪魔しますね」

「ういーっす」

「じゃあお姉ちゃん、私たちは座敷にいるから、マスターとお話しといで。あ。コーヒー二つとチョコレートケーキ二つください」

「え、ええ」


よくわからないといった感じのお姉ちゃんを送り出し、座敷席でネコに埋もれる。現実でネコカフェとか行ったことないんだけど座敷とかあるのかな。


運ばれてきたコーヒーを飲みながらぼんやりする。やっぱコーヒーはブラックだよね。タカシは味わったのか怪しいくらい一瞬で吸収してたけど。あ、タカシは今大きくなって、ネコたちのベッドみたいになってます。私も後で乗せてもらおう。いつも頭に乗っけてるんだしいいよね。


お姉ちゃんもコーヒーを飲みながらマスターと話している。なんかこう、お忍びで来たお嬢様感がある。優雅だし。


あ、話が終わったみたい。


「ねぇハルカちゃん」

「ん?何?」

「私のレベルをハルカちゃんと同じぐらいまで下げてみたいのだけれど……」

「お!それは一緒に成長できるってやつだね!いいねー。ていうか、わざわざ許可なんて取らなくてもいいよー」

「うぅ……。ありがとうハルカちゃん……!」


むぎゅっ。押し倒された。

あー、前(お姉ちゃん)も後ろ(タカシ)も柔らかい。タカシのひんやり具合がいいね。


そんなこんなでお姉ちゃんのレベルをいじってもらって、店を出た。


お次は服屋さんです。


「こんちわー」

「いらっしゃいま……ハルカちゃん!」


熱い抱擁とともにセクハラ通報画面が現れる。いやまあ、店員さん女性だけどね。クールそうな見た目と言動が一致しない人だ。

ずっと抱きつかれたまま、話が始まらないので、こちらから切り出す。


「帽子ください。マジシャンみたいに長いのありますか?」

「えっと……。なんでそんなものを?」

「うんとね、この子が隠れられる様な帽子が欲しいんだけどね、私が思いついたのがマジシャンの帽子だったの。だけど、やっぱり半分この子の家みたいなもんだし、本人に決めてもらうのが一番かな」


そう言って、頭上のタカシを差し出す。


「おっす!」

「っ!喋れるのねこの子?」

「母ちゃんのおかげです!」

「母ちゃん…?」

「いやその辺は置いといて!今は帽子探しましょう!ほら、タカシも自分の好きなの選びな」

「あ!じゃあこれなんかどうかしら?ハルカちゃんにも似合うし、サイズもいい感じよ」


そう言って差し出されたのは、黒の帽子の周りに何本かの白いひらひらや、リボンがいくつか付いたやつだった。今着てる服に似ている。また、ごしっくか。


「おー!これ母ちゃんにも似合うし、ふわふわで居心地も良さそうっすね。これにします」


中身までふわふわではないと思うけど……。まぁ、気に入ってるしね。


「じゃあこれくださいな。あと、お姉ちゃんに似合う帽子もお願いします」

「遂に先ほどからにこにこ笑いながらハルカちゃんを見つめていたご令嬢の正体が明らかに……。あ、あのワンピ前回買って行ってもらったやつかー。宣伝に写真撮らせてくれないかなー。……ではこちらのラフィアハットなんてどうでしょうか」


前半どころか終盤までボソボソ言ってて聞こえなかったけれど、しっかりおすすめは教えてくれた。

らひあはっと?って麦わら帽子と違うんだろうか。多分違うんだろうね。


「あら、素敵ね。どうかしらハルカちゃん」

「かわいい!素敵!妹にして!」

「ふふ、もう妹でしょう?あ、こちら頂きます」

「ありがとうございます。ところで、お値段半額でいいので宣伝用にお写真撮らせていた

「ツーショットで」


食い気味お姉ちゃん。相手は要件を飲む。


「ええ!願ったり叶ったりです!では準備をしますので少々お待ちを!」



結局一時間ほど写真を撮った(お姉ちゃんと共に着せ替え人形パーティー)後、解放された。お姉ちゃんなんか写真も貰ってすごい笑顔だ。あれ私には10枚?お姉ちゃん3桁単位でありそうな束持ってるけど。気のせい?あぁ気のせい。そうですか。

退店際、お姉ちゃんと店員さんが親指立ててぐってやってたのが気になる。撮影会中は部屋の隅に逃げてた薄情者の息子も触手で手作って、親指立ててた。

「触手でサムズアップ……なかなか俺も上手くなってきたな……」

とか言ってた。ていうか、親指でぐっはサムズアップって言うんだね。20年生きてて知らなかったよ。

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