20 「ディスカバ○ーチャンネルかよ」
我記録誤削除。
執筆意欲消滅。
休日です。
諸々を済ませ、ログイン。お昼から南穂とお出かけなので、それまでゲーム。
《インフォメーションがあります》
「おはよ」
「あら、おはよう」
今日は【夢幻魔法】のレベル上げをやってくよ。MPポーション漬け前提でいきます。
サンドイッチの幻影を5個創っておく。
はい、MPもう半分。生成で半分減って、その維持でさらにMP持っていかれる。
あ、操作できるんだこれ。まぁ、それぐらいできないとぼったくりだよね。……にしても、これ死ぬほど操作難しいんだけど。
ほっ、よいしょっ、ほれっ。
…………。
…………。
…………あ、できた。
5個のうちの1個だけ動いた。
ふん、今は1個で勘弁しといてあげるよ。
さて、ごはんごはん。
とりあえず庭に出よう。うん、大理石の床がステキ。そして、なぜもう焼肉が始まっている。私とお姉ちゃん以外全員いるぞ。
ライスバーガーでも作るか。お米でバンズってどう作るんだろ。平べったい焼きおにぎりって感じかな?とりあえずそれでいこう。リアルでやると形崩れしそう。
うん、ちょっと違うけどこんなもんかな。
にしても、こうも毎日同じもの食べてると飽きるな。いや、リアルではちゃんと色々食べてるんだけど。まぁ、明日には街に入れるし、そこで買い込もう。
あ、お知らせ来てたね。
どれどれ。
1つは闘技大会応募締め切りと予選の方法。
もう1つはプレイヤーの進行度の諸々のデータ。
んー、どれどれ。
確認しようとしたら、横から声がかかった。
「母ちゃん肉もっと出して」
「…………え?あれ全部食べたの?」
「おう。母ちゃんが寝てる間も俺たち結構メシ食ってるから」
「あー、うん、ちょっと待ってね」
アイテムボックスから肉を取り出して渡す。
肉の消費が、私の認識してる食事量と違うと思ったら、みんな私がログアウトしてる時も行動してるんだった。
さて、今日はどこへ行こうか。といっても午前中の数時間なので、あまり遠出はできないけれど。
私は【夢幻魔法】のレベル上げさえできればいいから、みんなに任せよう。みんなもどっか行きたいところがあるとは思えないんだけどね。
「今日どっか行きたい所あるひとー」
「ハルカちゃんの好きに」
「以下同文」
以下同文でまとめられたけど、反論が出ない辺りほんとにそう思っているんだろう。それはそれでちょっと……って感じだけど。
うーん、やっぱりレベル上げかなぁ。サンドイッチの幻影5個出しただけで、このMP量は残念過ぎるし。MP盛っていきたいよね。
幻影生成で生み出せる料理は作ったことがあるものだけらしいので、宙に浮かせてインパクトのあるものを作りたい。ピザとか。
……まぁ、それは置いておくとして。
結局、今日も森をふらつくだけになりそうだね。
いや、いっそ行けるとこまで行ってみる?
そろそろこの森じゃ経験値の稼ぎが悪くなりそうなんだよね。……みんながどれぐらい敵を倒してるか知らないから想像なんだけど。
「じゃあ、東に行けるだけお願い」
『了解』
おおぅ、声が揃って返ってきた。みんなも行きたかったのかな。それならそうと言ってくれればよかったのに。もう、私はそんなに察しはよくないんだよ。
そうと決まれば急いで準備だ。食べ物だけ用意してさっさと出発。
「いやーこの辺も人が増えて来たねー」
耳をすませば戦闘音が聴こえる。
「消す?」
「物騒」
お姉ちゃんがちょっと危ない人になってる。
「まあ、なにかあったらハルカちゃん親衛隊過激派の私たちに任せなさい」
「ちょっと待って色々聞きたいことがあるんだけど」
「さぁ冒険の始まりよー」
『うーい』
「あの?みなさん?」
露骨にごまかされた。他のみんなも答えてくれない気がするし、今は諦めよう。ごはん中とかにさらっと聞き出してみるかな。私が忘れてなかったらだけど。
ん?いきなりセルバスが浮上し始めた。
「どうしたの?」
「森の上空を飛んで、東へ向かいます。ただ移動するだけならこれが一番ですので」
「あ、そうなんだ。じゃあよろしく」
どうやら本当に行けるとこまで行くつもりらしい。それはそれでいいけどね。面白そうだし。
地上30メートルくらいかな?視界を遮っていた樹木を見下ろす。そして、落下して木に突き刺さる私を幻視。
ち、ちょっと怖いかも。
まぁお姉ちゃんに抱っこされてるし?
最悪、落ちてもみんなが助けてくれるし?
怖くないね、うん。
あまりの怖さ……じゃなかった、えーと、驚き?そう!驚いちゃって、サンドイッチの幻影が全部消えてしまった。
移動中は暇そうだし、再召喚しとくよ。
……にしても、レベルの上がり遅いなぁ。まだ、レベル5にもなってないよ。
あ、5個中3個は操作できるようになりました。中々脳の運動になりそうだよね。
はい、習得しました5個操作。
私の周囲を縦回転するサンドイッチ達。
周りからの見た目がすごいことなってそうだけども、幸いにもここは空中。森のプレイヤーからは見えまい。
その代償と言ってはなんだけど、さっきからすごい量の鳥に襲われてる。でも、全部迎撃されてるけど。それにしても、エムオから放たれる骨の弾幕の量がすごい。それに当たってバランス崩したところに他の攻撃が向かっていくし。あ、【支援魔法】だけ使っとこ。
もうちょっとサンドイッチ増やしてみよう。2個くらい。
うん、いけた。
サンドイッチ7個展開でいこう。
はー、こんだけやってようやくレベル4ですか。こりゃ諦める人多いはずだよ。
はい、そろそろ森の切れ目が見えてまいりました。
その先に見えますは、水は透き通っていながら、底が見えず、対岸も見えないほど大きな湖。
そして、その湖の深淵から伸びる、空まで届くような触手。
その触手に捕まって湖に引きずり込まれるワイバーンらしき竜。
ディスカバ○ーチャンネルかよ。
「…………あれは?」
「クラーケンよ。総員降下して森に隠れて」
よく知らないけど海にいるはずの魔物じゃないの……。いや、これが湖じゃなくて海だった可能性もあるのか。
見えてる部分の触手だけで50メートルはありそうだし、もう帰りたい。
……とりあえずどうするかを決めないと。




