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眠り姫の穏やかなゲーム内睡眠  作者: 糸岡 めむ
12/24

12 「利害が一致しましたな」

メインキャラ揃いました。

感想とかブクマとか評価とかもう全部ありがとうございます。嬉しいです。

やばいやばい。どうしよう。誰だこいつ。


「あらあら、あなたは誰かしら」

「おやこれは失礼。ワタクシは名もないガイコツでございます」

「それでそのあなたがなんの用かしら」

「いえ、そこのお嬢様が素敵でしたので、お近づきの印に骨でもと思い」


絶句している私に代わり、お姉ちゃんが対応してくれている。

でも、私に話しかけてきたんだから、私が応えないね。お姉ちゃんの優しさに頼りきりじゃダメだよ。


「そ、それであなたは何がしたいの?あ、骨はいらないよ」

「ふむ。単刀直入に申し上げると、ワタクシをテイムしていただきたい。お嬢様はテイマーだとお見受けしますが?」

「お断りします。では、お元気で。さ、みんな行こ」

「ちょっ、ちょっとお待ちください、お嬢様!」

「えーなにー?私最後のテイム枠は犬がいいんだけど」

「おっ、それは利害が一致しましたな。いやwinwinと言うべきですかな?」

「え?」

「いえ、お嬢様は犬を飼いたい。ワタクシは犬のように扱われたい。以上です。ね?簡単でしょ?」

「ふんっ!」


杖で頭をぶっとばす。

ほーむらーん。

頭蓋骨が壁に当たって音をたてる。


「あああああ!いいですぞぉ。これを求めていたのですよ!」


やっべー。教授と同じ匂いがする。逃げたい。なんなら倒してもいい。むしろお姉ちゃんなんか鎌向けてるし、完全に殺る気だ。

でも、やっぱり曲がりなりにも好意?を向けてくれてる相手を倒すのは忍びない。


「お姉ちゃん、ちょっと待って?」

「なんで?早く倒して先に進みましょう?」

「ええっと、チャンスぐらいならあげてもいいかなーって」

「ああ、そういうこと。ハルカちゃんは優しいのね。ふふ。

そこのスケルトン、自分を私たちに売り込みなさい」

「はっ、ありがとうございます。

それと、ワタクシはスケルトンではなくリッチです。

そして、光魔法と闇魔法がレベル30程まで使えます。さらに、ステータスを体力面にも振っておりますので、壁役としても使えます。どうかご検討ください」

「ところで、私が鑑定メガネで見た感じあなたはスケルトンメイジなんだけど、【隠蔽】の効果?」

「【隠蔽】スキルと【欺瞞】スキルですね。両【看破】スキルを、持たない者には有効です。」

「へぇ、そんなスキルも取れるのねぇ」

「はい、スケルトンは広い応用力が長所の魔物ですので、スキルの選択肢も広いのですよ」

「それにしても、我が知る限りリッチはこのダンジョンのボスだった気がするんだが」

「ああそれはワタクシではないです。ワタクシは最近スケルトンから進化したので。そこで、リッチになった途端周りのモンスターが避けていったので【欺瞞】スキルを取ったわけなのですよ。」


もう話についていけなくなったので、お姉ちゃんに任せて、タカシを抱っこして、セルバスの上で寝ころがる。個人的には仲間になってもならなくてもいいかなー。


「それなりの実力はあるのね。盾になる覚悟もあると。うーん……。た・だ・し 自分からのハルカちゃんへの接触は絶対禁止ね。わかった?」

「心得ております。ワタクシは紳士でありますので。」

「そう。それではよろしく頼むわね。ハルカちゃーん」


ごろごろ。うーん寝づらい。蓋がアーチ状だしなぁ。


「可愛い可愛いハルカちゃーん」

「お嬢様ー」


箱の中に入れてもらうか?でも狭そうだしなー。


「世界で一番可愛い私のハルカちゃーん」

「お嬢様踏んでくださーい」


ん?二人ともこっち見てる。


「何か用?」

「このリッチに仲間になってもらうことにしたから」

「よろしくお願い致しますお嬢様」

「リッチ?お金持ちなの?」

「いえ、そういう種族でございます」

「へー、じゃあよろしくね。名前は?」

「ありませんので名前を頂ければ」

「じゃあ……M男……いやエムオニスね。改めてよろしく」

「おお!エムオニス!ありがとうございます。このエムオニス卿、お嬢様に命をお預けしますぞ!」


この人自分で卿とか付けたよ。いや、いいけどね。


「エムオニスさんよろしくね。ハルカちゃんをしっかり守ってね?」

「エムオニスよろしくー。母ちゃんを一緒に守ろうなー」

「卿、我らと共にお嬢のお役に立とう」

「エムオニス卿、よろしくお願いしますね」

「じゃあ帰ろうかー。……結局わんこは仲間になれなかったかー。あっ、いやみんなに不満がある訳じゃないよ」

「でしたらワタクシが!」

「ふんっ!」

「ありがとうございますっ!」


「それでどうする?このままボス倒してから帰る?」

「ボス倒したら転移装置が使えるから、倒せるなら倒した方が早いわよ」

「うーん。みんなどう?」

「母ちゃんについてくぜ」

「お嬢について行くぞ」

「姫様の仰せのままに」

「お嬢様のある所にワタクシありですぞ」


これは……行くか?


2時間ほどしてボスの間の前に到着。罠はお姉ちゃんが気づいてくれたので、問題なく進めたよ。


「作戦としては私が部屋の隅で睡眠。お姉ちゃんが遊撃、リビルト爺が忍法皆殺しでがんばって。タカシはリビルト爺にくっついていって、敵に取り付いて。セルバスは私の護衛と適時魔法での援護。エムオは全体の回復と壁役もお願い」


私の【眠り姫】については説明済みです。みんなの士気が急上昇したからレアスキルはすごいね。うん。

戦闘スタイルを見た感じ、リビルト爺は正面から力で荒らし回るスタイルのようだった。何が忍者かわからないけど、本人が楽しそうなのが一番だよね。

セルバスは高い防御力と風魔法、【念力】による移動と、割と隙がない。嚙みつけば敵の腕くらい千切れるしね。

エムオニスもとい、略称エムオは敵の目前まで迫ってから、そのまま体当たりして全身の骨を周囲に撒き散らし、仲間には光魔法で回復を、自分とリビルト爺には闇魔法で回復をしていた。骨ばら撒いた理由はわかんないけど。なんでも、アンデッドは光の回復魔法だとダメージ受けるらしいからね。エムオは光魔法も自分に当ててたけど。宣言通り耐久力にステータスを振っているらしく、いかなる攻撃を受けても骨はヒビすらはいらず、奇声を上げながら床を転がっていた。まあ、私が寝てる時静かにしてくれればいいよ。


さて、ボスの間の豪華な扉につるはしを打ち付け、装飾が持ち帰れないことを確認してから入室です。

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