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Free job online ~祝育士としての日常~  作者: 八神 憂
海の街と新規さん
67/69

新規プレイヤー 1日前 夜1-2

 遅くなりました。一応生存しております。あと相変わらず短いです。書きた足しました。

 姉からの返事を待っていたアリアはと言えば。


「遅いなー。何かクエストでもやってたかな」


 孤児院のクエストで手に入れた縁無しメガネ(解読系スキルの経験値上昇効果有り)を装備しながらメディカから借りている調薬書を読んでいた。王都までで採れる薬草の調合方法が載っているそれを眺めながらのんびりしながら過ごすも少しばかり退屈していた。


「特に返事も無いし今日はもうログアウト……って返事来た」


 内容自体は効果知りたいから王都の教会行くよという事であった。わかったと返事をして姉達が来るまで再度自室で待つ事にする。

 手持ち無沙汰になりテータスを眺めて作って貰った装備とそこまで変わらない魔防の上昇値を見て苦笑い。


「普通のプレイヤーって割と頻繁に装備変えてるけど1週間以上装備が変わってないってのもどうなんだろうね」


 そんな事を言いながら魔法の欄に移る。灰色になっている「二重の加護」を見てジョブを変えると使えない事を確認する。そして追加された移動魔法を選択していける場所を見るも最初の町と王都の教会のみで我ながら冒険してないなと再度苦笑い。


「北の町にも教会あるって聞いたなぁ。明日のアップデートで開拓される南の町にもあるかな」


 そのうち連れて行ってもらおうかなと他力本願な事を考えている内に姉からのメッセージが届き自室を後にする。


「お待たせって結構な大人数で来たね。30人くらい?」

「ギルドに居た奴らから時間ありそうなのを引っ張って来たからな」

「おーこれが姉御の妹さんですか。知ってはいますが見るのは初めてですね」


 自分も自分もとわちゃわちゃと囲まれて「えーと」と少し困惑するアリアであったが姉が「あんまり困らすなよ」と一言。囲うのが終わり横数列に並んでいる姉のギルドメンバーを眺めてアリアも挨拶をする。


「今更かもしれませんが祝育士のアリアです以後お見知りおきを。あと姉がお世話になってます」


 短く切り上げて一礼。皆こちらこそよろしくと言った感じのリアクションで終わり姉が本題に入る。


「さてアリアが見つけたドロップ関連の加護だけど当然と言えば当然だが効果の数値が書いてないな」

「そうだね」

「この効果を確かめるのが目的の1つだ」

「そのために集まったんだもんね……ん?1つ?」


 他にする事あっただろうかと頭に疑問符を付けていると姉から1つの確認がなされる。


「そのジョブで二重の加護は使えないよな?」

「さっき確認したけど使えないみたいだよ」

「アリアはそのジョブがある事を周りに言うか?」

「んー?言うまでもなく勝手に広まると思うけど」


 それがどうしたのかと思っていると姉から更に質問が追加される。


「求められる加護が違うジョブ2つだが他のプレイヤーからいちいち質問されるのも面倒だろう?」

「……確かに」


 ジョブチェンジの為には神殿を行き来する必要があり、その場で変えられない以上今はどちらかと質問されるのは明らかであった。


「そこで2つの案を思いついたんだが」

「うん」

「見た目で判断つくのが手っ取り早いから装備の羽織を別の色のをもう1つ作るか」

「うん」

「胸を大きくす……」

「前者で」


 即決であった。じゃあそういう事だからと装備の新調が決まり、本題である加護の準備をする。


「5人6チームで各自討伐後のドロップ数を報告してくれ。じゃあアリア頼む」

「了解。『集福の加護』」


 前の列から順々に加護をかけていき最後の姉のパーティにも掛け終わり頑張ってねと見送る。


「行ったね。じゃあ自室に戻るか」


 メッセージを開きアキとカナの2名に事情の説明と装備予算等の旨を送り返事を待つ事、数分。落ち合い場所の設定をされたのでそこに向かう事にしたのであった。


「アキさんカナさんお待たせしました」

「アリアさん。さっきはごめんなさいね」

「スカート気にしてる割には服装はそのまんまなんやな」

「もう着替えるのも面倒ですのでこのままです」


 城を正面から見て西側の大通りを出た先の広場で開かれているプレイヤーバザー。そこで分かりやすい紅葉のオブジェクトを置いて店を構えているアキ達であった。


「急ですいません。依頼は先程話した通りなのですが」

「別にいいのよ今は依頼無いし。それでもう一着の羽織だったわね」

「そうです。今の桜色とは別の色の羽織を」

「予算と色の指定はあるかしら?」

「予算は……前回と同じ2万で。色の指定は………決めていませんね」

「未定ねー最悪こちらで決めても構わないかしら?」

「というよりもそちらで決めて頂けると嬉しいです。あ、丈は」

「言わなくてもわかっているわよ」


 今までの服装から大体の事を察してくれているアキに感謝しながら「じゃあお願いします」とアイテムのトレード機能から2万Gをアキに渡そうとするが受け取る前に尋ねられる。


「アイテムからの割引は良かったかしら?」

「あ、出来ればお願いします」


 そう言ってアイテムボックを見せてあれこれと見繕ってもらい結果1万5千Gにまで下がり今度こそトレードを申し込みアイテムと共に渡す。


「なんやあっという間に終わったんか」

「作る物決まってましたからね。それに周りの視線も少し気になりますし」

「ま、今でもアリアをギルド誘いたくてうずうずしてるプレイヤーは仰山おるからな」


 あははと苦笑いしているアリアであった。その後は受け渡しの日時を明日の昼メンテナンスが終わった後にして教会の自室に戻りログアウトするのであった。

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