新規プレイヤー 1日前 昼2-4 ジョブチェンジ
お待たせいたしました。相変わらず短いですが……
「アリアちゃん登録終わった?」
「うん終わったよ」
王都キンディアムへの転移クリスタルの登録を済ませて改めて街の風景を見渡す。南の大きな門と半月状に周りを囲む壁、その壁より大きな城が北側で聳え立ち城から放射状に伸びる大きな通りが7つあるのが特徴の街である。建物の構造自体はスタタの町とそこまで変わらないながらも建物1つ1つの大きさは都というだけあり2倍近い大きさになっている。
「スタタの町も大きかったし人も居たけどここは更に大きいね……人も多いし都って感じの場所だね」
「ふふふ……街も大きいだけあって色々あるよ!でもまずはアリアちゃんの上位職だね」
「案内しますよ。とは言っても城の向かい側ですけど」
「その城が遠くて少し大変なんだけどね~」
「行きましょう。あ、大福出しますか?」
「ありがとう。けど今はいいかな」
ハクからの提案を「今は」と言って断りシラヌイの先導の下門から城へと伸びる真ん中の通りを歩く。武器屋や防具屋やスキル屋、教会にギルドとスタタの町にもあった主要な建物の場所を言葉だけで簡潔に伝えながら街を歩く。転職神殿に行くという事で話題はボス戦やジョブの話へ移る。
「そう言えばボス戦……ボス戦?あんなに早く倒せるなんて思わなかったよ。シラヌイさん普段は異常状態付与しないから驚いた」
「アリアのレベル上げの時はアユ達の魔法耐えた敵の駆除ですからね。でも上位ジョブになってからボス戦なんかの時は基本あんな感じですよ?」
「そうなんだ……シラヌイさんのジョブって確か」
「毒殺士ですよ。前に教えましたけど雑魚戦だと実感湧きませんからね」
毒殺士。暗殺士の上位ジョブの1つであり異常状態の付与に特化したパッシブスキルが特徴的なジョブ。他の上位ジョブである暗殺者や潜伏者、忍者と違い敵に見つかりづらいスキルが無かったり急所へのクリティカルの威力があまり上がらないのだが、それを補って余りある強力な異常状態で相手を嵌めるジョブである。
「可愛い顔して結構えげつないジョブ選ぶね……」
「そうですか?」
「でも頼りになるんだよね~」
「ですです。何回も助けられましたから」
「実際の戦闘見てみるとパーティに欲しくなるね。うーんギルドに居たかな?」
誰もえげつない事を否定しないのまま話は移る。
「2回目だけどボス戦ってあんなサクサク進むモノだっけ」
「アリアちゃんは実感無いだろうけど本来は下級職6人で挑むボスだからね。あのゴーレムの一撃は下級職だった頃のシルトが盾で受け止めても3割削れる位強力な攻撃だよ」
「私達も倒すのに苦労しましたよ。装備整えても攻撃1発で8割持っていかれるし、なかなか毒にも麻痺にもならないしで……おまけに体力多いとまで来ました」
「今のポワの1つ前の進化態で攻撃しても余り効果なかったからね~炎魔法も有効じゃなかったりもしたね~」
「その場その場で合ったモンスターを出していたのですが……倒れていくのを見て正直辛かったです」
「皆苦労したんだね……なんかごめんね?一人だけ楽になっちゃって」
「アリア……というよりも補助職や生産職の場合は致し方無いですから。気にしないでください」
「それに倒した時の達成感は凄いんだよ!」
アユの一言にうんうんと頷く3人に「そっか」と微笑み返す。その後もボスの苦労話を聞きながら神殿の前に辿り着く。パルテンノンな神殿を思わせる全体像や入り口の柱、開けっ放しにされている扉の向こうには剣士や魔法使い等幾つかのジョブの大きなステンドグラスとその前に居るのは神官を思わせる白いローブ姿のお爺さんとお婆さんであった。
「あの2人って何か違いがあるの?」
「話を聞いた限り何も違いはないよ。好きな方に話しかけて!」
「あ、そうなんだ。わかったよ」
赤い絨毯が敷かれた石造りの神殿を数歩進み神官のお爺さんの前に着き話しかける。
「あのーすいません」
「ようこそ転職神殿へ。用件を聞こうかの」
「上位ジョブへの転職をお願いします」
「上位職への昇華じゃな。ではどの職がいいか選ぶがよい」
そう言って目の前に突如現れるジョブ一覧のポップ。アリアはその一覧から自分の変更できるジョブを探す。
祝育士↓
・祝育官 条件 祝育士Lv.30
・祝薬士 条件 祝育士Lv.30+スキル調薬Lv.20
・祝癒士 条件 祝育士Lv.30+スキル治癒魔法Lv.30
・魔祝士 条件 祝育士Lv.30+スキル○属性魔法Lv.30
・魔育士 条件 祝育士Lv.30+スキル召喚魔法Lv.20orスキル調教Lv.20
……
……
・??? 条件 祝育士Lv.30+???
15種の判明した職と3種の未判明職。計18種が祝育士の上位職となるのだが、アリアは自身のスキルと見比べなる事が出来る職が実質2種類しかない事に苦笑する。
「祝育官と祝薬士か……実質的な上位職は祝育官と」
シラヌイの毒殺士の様に暗殺士から別の能力に派生する代わりに元の能力が抑えられている職と単純に元の能力を上げる職。プレイヤー内では《派生職》と《強化職》と呼ばれている2つの内アリアは自身が求められている方を考え、決める。
「調薬はおまけだし祝育官でいいかな。後からでもジョブの変更自体は自由みたいだし」
そう言いながらアリアは《祝育官》の欄を選びこの職でいいですか?という確認に《YES》を選ぶ。
「決まったか!ではゆくぞ!」
選ぶ間黙ってみていた神官は選択が終わると手を合わせて祈りのポーズをとる。すると床から薄い光の柱が浮かび上がりアリアの体を囲う。驚いた顔で待つ事数秒。光の柱が収まると祈りをやめる。
「終わったぞ。説明や他にする事はあるか?」
「いえありません。ありがとうございました」
そう言ってそそくさとアユ達の下に戻っていくアリアであった。




