おまけ2 8日目 昼2 その1
おまけその2。作者がずっと書きたかった話でもあります。2話で済むといいなぁ……。
本人が「邪魔」と過ごした感想を一言で切り捨てたアリアの胸騒動の翌日。加護の待ち時間にアユと三人娘が他のプレイヤーに加護をかけ終えたアリアにある提案をする。
「アリアちゃん!買い物に行こう!」
「買い物?レベル上げじゃなくて?」
「はい。昨日ある場所を見つけてですね、アリアも一緒にどうかと思いまして」
「他の店にも寄りますよ」
「行こうよ~ついでにポフポフさせて~」
「行くのはいいけどポフポフは勘弁かな」
前の日に巻き込まれるついでに胸に抱きついた三人。ぎゅーっと胸に顔をうずめながら気持ちよさそうにするのを無碍にも出来ずにされるがままであった。「お姉ちゃんのような安心感」と評価されて苦笑いしていたのはご愛嬌。
「じゃ着替えるからちょっと待ってね」
「はーい!」
シスター服から変更するために更衣室に入る。わいわいと話しているのを聞きながら着替えを済ませる。
「あ、アリアちゃんがズボン穿いてる」
「昨日の夜に作ってみたんだ。いつまでもスカートじゃ嫌だし」
「相変わらずの女子力ですね。作ったのは少し男物っぽい作りですが……生地は初期服のスカートですか?」
「よくわかったね。なんだかんだで肌に慣れてたからね」
作りまでドンピシャで当てるシラヌイに驚きながらも教会を後にする。
「それにしても、未だに出かける時に初期服を使っている女性はアリアさんだけじゃないでしょうか」
「他の服は目立つからね~」
「シスター服も巫女服もコスプレっぽいもんね」
「あはは……否定できない」
「じゃあまず服でも買いますか?アリア1人の時はともかく他のプレイヤーと歩くと初期服は逆に目立ちますし」
「そうなの?」
「そうですよ」
言われてアユ達と自身の服を見比べる。魔法使い衣装に忍者装束、水色パーカーに白色を基調とした少し派手なドレスとそれぞれの個性が出ている中で地味な色の冒険服。
「アリアちゃん衣装無くていつも通り過ごしてたらNPCの村人にしか見えないからね!」
「それって単に個性が無いって言われてる気がする」
「…………ソンナコトナイヨ」
「目を逸らさないでよ」
「いっそ個性出すためにあの胸を前面に押し出して口調も丁寧にしてお姉ちゃんっぽさで勝負するというのは……」
「嫌だよ?ってなんでアユさん以外そんな期待の眼差しでいるの?」
「あれこそ理想のお姉ちゃんって感じでですね」
「あれほど『お姉ちゃん』を体現した人って貴重なんです」
「ポフポフしたいからだよ~」
「……皆リアルに何か不満でも……って目を逸らさない」
「お願いします……お姉ちゃんが居ないと親が帰ってこないんです」
「お姉ちゃんが居ないとポチが帰って来ません」
「えっとね~お姉ちゃんが居ないと……」
「無理して言わなくていいからね?」
どうやらあの胸を心底気に入ったらしく、どうしても変更させたいという事を察する。変更させたい三人は通せんぼする形で囲っている。困っているアリアを見て三人に対してアユが口を出す。
「三人ともアリアちゃんが困ってるから……いいぞもっとやれー!」
「まさかの裏切り!?」
「ふふふふ、あの胸を否定するのは私にとっては屈辱でしかないんだよ!」
「えー」
「ほらハリー!ハリー!」
アユからも変更を望まれてしまい四面楚歌になってしまったアリアは後で覚えておいてと捨て台詞を吐きながら顔からも分かる位渋々ステータス画面を開く。
「はぁ……これでいいですか?」
「口調も直してくれる辺りさすがアリアです」
「やっぱり羨ましい。私もいつか大きくなるからね!」
「アユさん……まあ頑張ってください。無理でしょうけど」
「あれアリアちゃん?最後にボソッと何か付け加えなかった?」
「いえなにも」
笑顔で白を切るアリアであるがその言葉が聞こえた三人は顔を合わせ、そして代表してシラヌイが尋ねる。
「あのもしかして少し怒ってますか?」
「怒ってませんよ?」
「でも先程のセリフは……」
「なんのことでしょう?」
「頼んでおいてなんですけど前と比べ物にならないくらいに不機嫌そうに見えるのですが」
「気のせいですよ。ええ、決して今後も一緒に行動するたびにこの胸にさせられると思うと憂鬱だという訳ではないですよ。決して!胸が邪魔という訳ではないですよ」
このとき四人はこの胸がどれだけ嫌なのかを理解する。そして嫌でも変更してくれるアリアの甘さも。
「まあ望まれたものは仕方ないです。買い物中はこの姿で居ますよ。皆さんも楽しく過ごしたいでしょうし」
「おお!さっきまで怒ってたのにこの切り替えの早さ。これがお姉ちゃん力か……!」
「あ、アユさんは後で覚えておいてくださいね?」
「まだ微妙に怒ってた!なんで私だけ!?」
「自分の胸に聞いてください」
「追い打ち?あの追い打ちがダメだったの?今度からちゃんと味方するからー!」
「行きましょうか。案内お願いしますね」
その後アユが涙目ながら謝って「次はないですよ」と忠告する事で決着がつく。なお忠告している時の笑顔はこれ以上ない位怖かったとはアユの談である。
巨乳状態だと丁寧口調のほうが合う気がすると思いましたので無理矢理気味でありますが変更。主人公の個性がまた1つ増えては消えていく。なお、どれくらいの大きさかは各人の想像にお任せします。
ズボン作ったのに今後出番あるん?→あったらいいなぁ
巨乳状態って今後も出てくる?→ぶっちゃけおまけで触れるだけで本筋には関わりません。主人公にとっては変更するメリットないんだもの。




