第53話 6日目 夜1
すまない。遅くなって本当にすまない。
両親が居た事でいつもより30分より前に夕飯を済ませて姉にも出来るだけ早くログインする事を告げる。そうして諸々の事を終わらせ8時半にログインする。
「うーん……あ、メイド服のままだったね。っとそれよりも」
自身の装備を見てエプロンを作り終わった後そのままログアウトしていたのを思い出す。着替える事を忘れないようにして姉に連絡をする。
「い、ま、ログインしたよ……これでいいかな」
姉への返事を待っている間に自室から顔だけ出し誰も居ない事を確認してコソコソと裏口へ向かう。裏口へたどり着きドアノブに手をかける前にドアが開かれる。そこには満面の笑みのレーゲが居た。一瞬何が起きたのかと頭が理解していなかったアリアであった。レーゲはアリアの顔を見て笑みを崩さないまま言葉を紡ぐ。
「あらあら、こんばんはアリアさん。今日はまた可愛らしい恰好をしていますね」
「……こんばんはレーゲさん。今帰りですか?」
話しかけられた後少し間を空けたが落ち着いてに言葉を返す。レーゲはええと答えて次に
「アリアさんはおでかけですか?」と聞く。
「少し着替えるだけですから教会にはずっと居ますよ」
「そうですか……この後用事はありますか?」
「少しありますけど。どうかしましたか?」
「お話とお礼をしたいなと思いまして。用事が終わったら部屋に来てくれませんか?」
ニコニコしているレーゲを見てそういう事ですかと察したアリアはわかりましたと了承する。それではまたと立ち話も終わりレーゲは部屋に戻りアリアも裏口で着替える。
「ミカ姉から返事は……10分後か。了解っと」
メールには先に礼拝堂に行ってプレイヤーに加護をしていて貰えるとありがたいとあったため、アリアは早足で礼拝堂に向かう。
「いつも通り人が多いね」
「アリアさん来ましたね」
礼拝堂には相変わらず人が多い。着いていの一番に声をかけたのはシラヌイであった。こんばんはと挨拶を済ませて他の二人は?と聞くと後で合流すると言った。一言二言言葉を交わしてシラヌイが離れた後、他のプレイヤーも話しかけてアリアの加護が始まる。
「シスターさんって今何レベルなの?」
「19ですよ。それで加護はどれにしますか?」
「おおもうすぐじゃん。あ、攻撃でお願い」
「攻撃ですね?わかりました『力の加護』」
「ありがと。これお礼ね」
「こちらこそありがとうございます。良き旅を」
「おーアリア、繁盛してるな」
「あ、ミカ姉。皆さんも」
姉のパーティがやって来て先に加護をかけるか尋ねるが後で良いと言われた。そのため先に居たプレイヤーにかけていく事10分。38人に加護をかけた後、残りは姉とシラヌイ達のパーティのみとなった。どちらが先にするか前もって話し合っていたのか決めていたようだ。
「アリアさんお願いします」
「お願いね~」
「お願いしますっ!」
「シラヌイさんにテルさんにハクさん。いつもの加護で良い?」
「はい。それで」
確認を取り代表してシラヌイが返事をする。他の2人も頷いていたため加護をかける。そうして最後のハクに加護をかけた所でレベルアップを告げるメッセージが来る。それを見てレベルアップかと落ち着いているアリアとは対称的に姉他教会に居たプレイヤーは思わずガッツポーズをする。
「えーと……どういうこと?」
「アリア、今覚えた加護を見てみろ」
姉がそう言って確認を促す。何の事やらと首をかしげながらステータス欄を見てその加護に目を疑う。
「えーと、ミカ姉これって」
「凄いだろ?こんな序盤に手に入れて良い魔法じゃない」
「確かにこれは……」
魔法
・促育の加護 分類:補助
効果:自分以外のプレイヤーの獲得経験値を100%上げる
消費MP:プレイヤー1人につき200
効果時間:魔防4につき1分(最大90分)
効果インターバル:360分
・友愛の加護 分類:補助
効果:自分以外のプレイヤーの親愛度上昇率を100%上げる
消費MP:プレイヤー1人につき150
効果時間:魔防3につき1分(最大120分)
効果インターバル:300分
「100%って2倍って事?」
「ああ、それも基礎だけじゃない。ジョブやスキルも対象に2倍だ」
「凄すぎない?」
「だろう?私達がレベルを聞く理由も分かったか?」
「うん。確かにこれは聞きたくなるね」
「私は友愛も嬉しいかな~ね?ハク」
「はい。これさえあればより上げやすくなるね」
「これでミカンさんに近づけるでしょうか?」
「すぐには近づけさせんぞ?」
「……絶対に追いついて見せます」
「楽しみにしておく。何なら今度PvsPやるか?」
「望むところです」
「ねぇアユこの子たちは?」
「うーん……私とアリアちゃんとシルトの友達かな。たまにパーティ組んでるんだ」
「あらあら私にも紹介してよ」
「いいよ」
シルトの友達という単語に反応を示したのはブリレであった。ブリレはそれは凄い形相でシルトを睨み近づく。それを見たシルトは面倒なことが起こると確信した様子である。
「シルト!お前こんな美少女たちと友達だったんすか!?どんなギャルゲ主人公っすか!」
「どんな例えだよ……アユが集めるメンツに女子が多いだけだ」
「そう言って何人かにフラグ立ててるんっすよね!?特に妹さんとか!羨ましい!」
「本当隅に置けないわねシルトは」
「ほらほら白状するでござる」
「スイカに古衛門まで……そんな事実はない!ってかお前らただ単にからかいたいだけだろ」
「そんなこと無いわよ」
「そうですぞ」
「目が笑ってるぞ」
各々の話を聞きながら必要な魔防とアリア自身の魔防をステータスで見比べる。
「うーん……あの服でも届かないか」
基礎魔防が現在112である。装備を変えても312と限界値の360まで届いていない。
「どうした?」
「ステータスが足りないかなーと思ってね」
「どれどれ……ああ成程な」
アリアの装備のステータスは前もって聞いている姉はすぐさま他の加護魔法使いに呼びかける。それは昼に一悶着あったカンナである。
「と、言う訳でアリアにDで頼む」
「はいはい分かったわよ『魔守の加護』」
自身に加護を受けるのが新鮮なアリアは「おお……」とステータスの上がり方に少し驚く。終わったわよと何でもない様に言うカンナであるが、その目は期待に満ちていた。
「ありがとうございます」
「いいのよ別に。それよりもログアウト前にお願いね?」
「わかりました」
「ありがとなカンナ。さてアリア……装備変更行って来い」
「……わかったよ」
カンナから加護をかけられた所で姉が装備変更を促しアリアが更衣室で若干恥ずかしそうにしながらも入っていく。
「お……終わったよ」
「おおー実際見てみるとやっぱり違うな」
「うんうん。似合ってるわよアリアちゃん」
「うむ。同じ和服で違う趣ですな。似合ってますぞ、髪が黒かったらなお良しでござったが」
「似合ってるっすよ!」
「あはは……ありがとうございます」
初めて巫女服を見た人達に似合ってると言われ微妙な顔をしながらも返答する。それじゃあ頼むわと姉が早速加護をかけるようにアリアに言う。
「それじゃあ……『促育の加護』」
まず女性陣に加護をかける。魔力薬を使いMPを回復した後男性陣へ加護をかける。
「よし、ちゃんとかかってるな……にしても教会居て100消費か」
「1度に纏めて出来ないのは少し不便だね。時間も短いし」
「時間に関しては仕方ないさ。さてアリアの言う通り短いから早めに出るかっとコレいつものだ」
「あ、うん。ありがとうミカ姉」
「こちらこそだ。どんだけレベルが上がるのか楽しみだ」
「じゃあね~アリアちゃん。また買い物に誘うよ~」
「では、次からお願いしますアリアさん」
「アユさん達にシラヌイさん達も良い旅を」
姉たちを見送り奥に戻る。その途中でカンナにログアウト前にお願いよ?と念を押されるのは余談である。
というわけでまさかの経験値2倍である。他のゲームだと有料アイテムになっている事もしばしばある経験値2倍である。長々と引っ張ってコレである。
後日少し書き足して4日以内にエピローグ書くと思いますので。




