第51話 6日目 昼2-2
遅くなってすまない……ついでに少し短い……こんな解決法でいいのかなぁと思いながらも投稿。
「……なるほどな」
話を聞いた姉が納得いかないような顔で事情を聞いた。10秒ほど考えると女性プレイヤーに尋ねる。
「とりあえず、そっちの……えーと」
「カンナよ」
「カンナか。そっちとしてはお客を取られるのがイヤだと?」
「そうじゃ……なくはないけど、ただこのシスターが安くでやってるから値切ってくるのが嫌なのよ」
「それで安くするなら身内だけにしろと?」
「そうよ」
勝気に言うアンナにため息を吐きながら諭すように言う。
「カンナ……さすがにそれは身勝手すぎるぞ」
「何でよ?こっちとしては全うな要求よ」
「まず教会での加護に注目が集まったのはアリアの功績なのはお前も知っているな?」
「それは勿論知っているわよ」
「そのアリアが始めた教会での加護を後から入って来た奴らが勝手に価格を設定して、それにアリアが従えと言われて本人はともかく他のプレイヤーが納得するか?」
「それは……納得して貰わないと商売にならないじゃない」
「そこだ。そもそもアリアのは商売ですらない」
「何言ってるのよ!きっちり代金貰って加護をしているじゃない!」
「結果的に皆報酬を払っているだけで、アリア自身は何も求めていない」
「それ聞いたけど本当なのかしら?」
「アリアの加護する時の情景を思い出してみろ」
言われたままに今までの加護での会話を思い出すが欲しい加護を聞いているだけである。それに気付いてハッとするカンナだがそれでも要求を貫き通したいと言葉をこぼす。
「それでも価格についてどうこう言われるのは嫌なのよ」
「まあ……ぶっちゃけ値切るのは最終的になくなる気がするがな」
「どういうこと?」
「アリアの基準で値切られてわかると思うが、相場を分かった上でそんな事をする奴にもう一度頼まれて加護をしたいと思うか?」
「……思わないわね」
「だろう?アリアの基準で値切る時点でもう次から相手にされない。そのアリアもフレンドになれないから何時現れるのかも分からない。結果、加護の恩恵を授かれなくなると気付くから仕方なく相場を受け入れる……ふっかけるなら知らんがな」
「なるほどね」
話を聞いていた周りのプレイヤーも相槌を打っていた。それよりもと姉が言葉を続ける。
「アリアの最低価格で最大限の恩恵を受けられるのはお前達だぞ?」
「まさか……アレを?」
「おそらく今夜には手に入れる。それを予定の相場価格でかけて貰ってみろ。元々不安定な売上が全部吹っ飛ぶぞ?」
「うぐぐ」
「それとも自分達だけ安値でかけて貰うか?他のプレイヤーに相場でかけさせといてそれは虫が良すぎるんじゃないか?かけないのならそれはそれで構わないがアレでの稼ぎが遠のくぞ?」
「……むぅ」
カンナは唸りながらも悔しそうに姉を睨むが、睨まれた本人は気にせず結論を出す。
「ま、そういう事だ。アリアを規制するのは教会内の加護使いにとっても損でしかない」
「はぁ……シスターの安さを利用しろということね」
「その通り。今となっては私たちが呼びかけないとアリアは表に出ないから……んーそうだなアリアちょっといいか?」
「なにミカ姉?」
諦めた表情のカンナを見てこれでも少し不満が残るかと思い静かに聞いていたアリアにお願いをする。
「今度からログアウトする前に一度ここに来てジョブ確認して加護魔法使う連中に次に覚える加護をかけてやってくれ」
「いいよ」
「簡単に承諾するのね……でも良いの?敵では無いけど塩を送る真似をして」
「アリアのログイン時間を考えると他の祝育士にもさっさと覚えて貰いたいというのが非祝育士プレイヤーの総意だ」
「分かったわよ……シスター、いえアリアさん」
「なんでしょうカンナさん」
「その……さっきは悪かったわね、少しキツい言い方してしまって」
「気にしてませんよ」
バツの悪そうな顔で謝るカンナに笑顔で許すアリア。問題も終わった事で姉がアリアに加護の要求をして報酬を渡し帰ろうとするが、最後カンナに耳元で一言。
「勘違いしてるだろうけどアリアへの報酬は身内であればあるほど高く払っている」
「えっ……?」
「じゃあな」
呟かれた言葉に反応し振り返るが姉はそれ以上何も言わず教会を後にした。姉を見送ったアリアはそのまま奥に引っ込もうとしたが一応カンナを見て尋ねる。
「何か加護いりますか?」
「……魔守の加護で」
「了解しました」
ボソッと言われた注文通りに加護をかける。それと同時にレベルアップを告げるウィンドウがポップする。それを閉じて今度こそ教会の奥に引っ込む。
「すいませんお待たせしました」
「いいのよ。それじゃあ続き頑張りましょうか」
「はい」
メイド服に着替えて調薬室に戻ってエプロン作りを再開する。チクチクすることゲーム内時間で2時間、無事エプロンを10着分完成させる。ありがとうねとメディカからのお礼も受けて自室に戻りログアウトする。
主人公の規制で一番被害を被るのが他でも無い規制をしようとしている加護士という皮肉です。それだけ次の加護の価値がヤバイのですよ。
やっぱり姉の方が書きやすいと感じてしまう作者。次の話で散々引っ張ってきた加護を覚えて、次の次のエピローグで1章の終わりです。
実は最初は主人公の加護の時間を夜だけにする予定だったのですが結局この形に落ち着きました。
実際昼1の時点で姉介入しとけば2つに分けなくても良かったんでね?→それは言わないお約束です。




