第50話 6日目 昼2-1
すまない……短くなってしまう。次の話とさらに次の話で1章と思っている話が終わると思います。それまでどうかご付き合い下さい。
水分補給等の少しの休憩を取った後に再度ログインする。そこでメッセージが入っている事に気付く。
「ミカ姉とシラヌイさんからか。えーと『何時教会来れば加護して貰えるか』か」
今から大丈夫だとメッセージを返すと2分後に2人から返事が来る。今から向かうという簡潔なメッセージを見て裏口で装備変更を行い調薬室へ向かう。
「少し用事で礼拝堂へ行ってきます」
「わかったわ。いってらっしゃい」
「すぐ戻ります」
メディカに言伝を済ませてアリアは礼拝堂へ向かう。装備を変更している事に残念そうにする目を見ないようにしながら。
礼拝堂に出ると人がまばらで何時もより静かであった。先程の女性プレイヤーが少し睨むのを気にせず椅子に座って待つ。それから5分後、シラヌイ・ハク・テルの3人組がやって来る。
「アリアさんこんにちはです」
「シラヌイさんこんにちは。ハクさんにテルさんも」
「こんにちは」
「こんにちは~」
変わらない様子の3人にほっとしながら挨拶を交わす。何人かのプレイヤーが注目しているがその視線を気にせず3人がアリアに加護をお願いする。
「力の加護でお願いします」
「魔防をして欲しいです」
「魔力をお願い~」
「昨日と同じだね」
3人へ注文通りの加護をかける。ステータスを確認した後にお礼として魔力薬2本2000Gを渡してありがとうございますと言って教会を出て行く。それを手を振りながら見送っていると先程呼び出した女性プレイヤーが話しかけてくる。
「アリアさん人気ねぇ?」
「えーと……何かご用でしょうか」
「用って訳じゃないけど……あの方達は?」
「えーと友達ですよ」
「そう」
アリアの知人だと分かった以上無理に文句も言えないが「それで」と女性プレイヤーが聞く。
「あの子達はキチンと価格を守っているのかしら?まあ身内割引でもしているのでしょうけど?」
「……?今回は2000G1人辺り850Gですけど、これは安いのでしょうか?」
「うっ……」
アリアは知らないが現状の加護は1回につき大体600~700程度であるためむしろ高く払っている。この事実を突きつけられて少し動揺するがすぐに立て直す。
「け、けどアリアさんに高く払っているから私達に安くしろと……」
「そのような人でしたら最初からあなた方を頼るのでは?そんな事をしたら本末転倒ですよ」
「うっ……そ、それはあなたに名前を覚えて貰ってお近づきになりたいとか」
「報酬の良し悪しが分からないのに高いとか言われても。それに本来なら何も求めて無いですよ?」
「それはそれで問題でしょう!あなた掲示板とか見ないの?」
「一度加護について見ようと思ったのですが……その……心が折れました」
「何でよ?」
「いえ……あのーシスターさんをどうのこうのとかと言った感じの……正直……気持ち悪かったといいますか」
「話題に出されるだけいいじゃない」
「踏まれたいとか罵倒されたいとか、襲っても受け入れてくれそうとか何で貧乳なんだよクソが!とか一人称聞いたこと無いとか……そんな話題は少し勘弁して欲しいです」
「うわぁ」
軽い気持ちで見た直後脳裏に焼きついた言葉を羅列するアリアに少し同情する。他のプレイヤーからしたらまたシスターさんか程度で流して気にも留めない話題であるが本人からして見たら堪える内容であった。アリアが頭を抱えているのを宥めながらもさらに言い聞かせる。
「それでも安くされるのは困るのよ」
「何が安くされるんだ?」
「誰よ……ってあなたは」
「あっミカ姉だ」
「おうミカ姉だ。それでどう言う状況なんだこれ?すぐ終わるのか?」
姉も加わり話はよりややこしくなっていく。
主人公掲示板見てるんかい!→見てますがシスターと巫女の文字で悶絶した後に各要望を見てそっと掲示板を閉じます。主人公にはまだ早かった。




