第49話 6日目 昼1-3
エタってません!エタってませんってばー!
少し見ないうちになろうのUIの変化に驚いている作者です。
「……コホン。さてエプロンの型紙はすでに出来ているので早速作っていきましょうか」
「そうですね」
あの後何事も無いように戻って来たメディカはわざとらしい咳払いと共にエプロン作りを促す。元のインナーにこっそり戻したアリアもそれに賛同して作業を始める。
「型紙は……シンプルな作りですね」
「数が必要ですもの。シンプルな方が作りやすいというのを向こうも考慮してくれたのでしょう」
完成したエプロンと型紙を見て素直に感想を述べる。よしと気合を入れ直しマチ針とワッペンを取り出し生地へ型を描いていく。
「こんな物ですか?」
「どれどれ……はい、これで大丈夫ですよ」
「それじゃあカットに入ります」
「焦らなくていいですからね」
メディカへの確認を取り了承を得たのでアリアはそのまま裁断へ取り掛かる。そして裁断をしている時にある変化に気付く。
「何か前よりスイスイ進む……?」
子供達の服の修繕の時よりも生地へのハサミの入りが良く感じていた。頭に疑問符を浮かべながら作業をしているとメディカが話しかけて来る。
「驚いたでしょう?」
「顔に出てましたか。この服のおかげですか?」
「ふふっどうかしら」
貰った服を指差しながら聞くとニコニコしながら質問を流す。その一言を聞いたアリアは自身のステータス画面を開く。
「えーと魔防と防御にそれぞれ5と器用に100……俊敏に10。装備効果も増えてますね」
防具の追加効果には『裁縫補正UP(小)』と『調薬効果値上限UP(小)』とメディカの担当している事への補正が付いていた。装備性能の高さと有効性に驚きながらも、メイド服を着ているという恥ずかしさを押し殺して改めてお礼を述べる。
「素晴らしい服をありがとうございます。大事に着させて貰いますね」
「どういたしまして。さぁ次々作っていきましょう」
「はい」
そう言ってお互い止めていた手を動かす。アリアはワッペンで描いた線に沿って裁断する。そして裁断を完了し縫っていく。
「……」
「……」
共に無言で作業を進めていき作業開始からゲーム内時間で40分程でアリアが1着目のエプロンを完成させメディカに確認を取る。
「出来ましたけどこれでよろしいですか?」
「ええ、完璧よ。この調子でお願いね」
「分かりました」
完成品として受理された事にホッとしながらも同じ要領で量産を行う。少し速度を上げながら1時間でさらに2着のエプロンの製作を終え一息つく。
「お茶を淹れてきます。あと何かつまめる物を」
「あらお願いね」
「いえいえ」
短く告げて調薬室を出る。既に神父以外の全員に服を見られているが、それでも少し羞恥心があるため誰にも会わないことを祈りながらも厨房へ赴く。
「何か軽食は……うーん、ハムレタスサンドでいいかな?よしさっさと作ってしまおう」
昨晩のカレーのついでに買った食材でレシピを決めて作り始める。食パンの上にハムと千切ったレタスを乗せてマヨネーズをかけた後にパンを重ねてはさむというもはや工夫も何も無い料理と呼んで良いのか分からないモノであるが、それでも綺麗に盛り付けて紅茶セットと共にトレーに乗せて調薬室へ戻る。
「お待たせしました」
「ありがとうアリアさん。少し休憩にしましょうか」
「はい」
机の物を少しのかしながらトレーを置きカップに紅茶を注ぐ。その給仕の様子を見ながらメディカは感想を述べる。
「服装もあってそっちの仕事の人にしか見えないわね。裁縫も料理も出来て気遣いも上手、こんな女の子他の男は見逃さないわね」
「買いかぶりすぎですよ。出来る事をしているだけです」
自身への評価に苦笑いしながらも、準備を終えて席に着く。
「サンドイッチは簡単な物ですがどうぞ」
「ありがとういただくわね」
お互い紅茶を啜った後にアリアがサンドイッチを促す。メディカは手に取り一口。
「中身は見た通りですね。味もシンプルで良いと思います」
「料理と呼べるかイマイチですがね……誰でも作れますよ。はさんで切るだけです」
「そうかしら……あっ料理と言えば!今朝レーゲさんが孤児院で料理を振る舞うって張り切ってましたよ」
「上手くいくといいですね」
「ええそうね……ふふふ」
「どうしたんですか?」
「いえ……レーゲさんも変わったと思いまして。あそこまで明るいレーゲさんも久しぶりです。アリアさんありがとうございます」
「どういたしまして」
様々な意味が込められたお礼を言われて少し照れながらも返事をする。少しの世間話の間にサンドイッチも食べ終わり片付けも済ませてお茶会は一旦終わり、再度作業が始まる。そしてアリアは1着分を完成させてログアウトするのであった。
メイド服の隠された効果。ちなみに男性アバターだと執事服が貰えるよやったね。
ちなみに鍛冶用の服も貰えたりする。教会の奥での装備制限を気にした運営の粋な計らいだったりします。
色物装備の方が補正が高い主人公の明日はどっちだ!




