第47話 6日目 昼1-1
エプロン作りのその前に
正午、両親が仲良く出掛けるのを見送りゲームにログインする。姉が既に教会に居ることはメッセージで確認しているので礼拝堂へ向かう。
「お待たせ」
「お、来たな」
「やっほーアリアちゃん」
古衛門以外の姉のパーティを見つけて声をかける。メンバーへの挨拶もそこそこに加護をかける。
「アリアちゃんって祝育士レベルどれくらい?」
加護をかけている時にアユから唐突に質問を受ける。姉が言っていた加護に関係があるのだろうと思い素直に答える。
「17だけどそれってミカ姉が言ってた新しい加護に関係があるの?」
「あ、ミカンから聞いてたんだ。17かー明日までには行けるかな?」
「どうでしょうね。夜の集まり方次第で今日中にでもいけそうだわね」
「ちなみにその加護の取得レベルって?」
「20だな。昼の上がり方次第って所だ」
「割ともうすぐだね」
話している内に姉達への加護も終わりお布施を貰う。姉は教会に来ていたプレイヤー達に話をつけて出て行く。話していたプレイヤー達はアリアに加護をかけて貰う。
「シスターさん加護お願い攻撃の奴で」
「わかりました。攻撃ですね」
などと加護をしている間に他と話していたプレイヤーもアリアに加護を貰いに行く。話していた1人の女性プレイヤーが不服そうな顔でアリアを睨みつけているのを気付かずに加護をかけ続ける。
「Cって確か魔攻でしたかね……わかりました『魔力の加護』」
「ありがとう。これ気持ちだけど受け取ってくれ」
「いえいえこちらこそありがとうございます。では良い旅を」
集まっていたプレイヤーに加護を終えたアリアは貰ったモノをアイテムボックスにしまい周りを見渡しているとその女性と目が合う。その不機嫌そうな雰囲気を隠そうともせずにアリアに近づく。
「ねぇあなた」
「なんでしょう?」
「……っ!ちょっと着いて来なさい」
「は、はぁ?」
何故怒っているのかも分からずに用件を尋ねるが、その返事でさらに怒気が増し腕を掴んで人気の少ない教会の路地裏へと連れ込まれる。強引に壁に背を向ける形でアリアが押し込まれると女性は仁王立ちで腕を組みながら質問する。
「あなた噂のシスターさんよね?確かアリアって名前だったかしら」
「確かにアリアですけど……あなたは?」
「私のことなんてどうでもいいでしょう!それよりもあなた!」
「はい」
「商売の邪魔だからしゃしゃり出てくるんじゃないわよ!あんたが格安で加護をするせいでふっかけられないじゃないの!」
「……はい?」
目を丸くするアリアの表情を見てさらに憤慨する。
「あんたが格安で加護を引き受けるせいでこっちは商売の度に比べられるのよ!ねえ分かる?こっちが少し額を上げるだけでシスターさんならシスターさんなら言われる私達の気持ちが!」
「……」
「分からないわよね!自分が納得できればそれでいいんでしょうからね!ちっとも周りの事考えずに安くポンポンポンポン!いい加減にして!」
「……」
「大体シスターって何よ!巫女って何よ!そんなにコスプレまでして邪魔したいの?そんな風に媚売って女としてのプライドなんてないの!?」
「……」
「貧相な胸のくせに出しゃばりすぎなのよ!貧乳は貧乳らしく壁にでもなってなさい!」
「……?」
「男共も大概よ!何が笑顔が可愛いよ!普段は女性の体目当てのくせに!女子力とか古いのよ!家事なんて出来なくていいじゃない!」
「家事は出来たほうがいいかと……」
「うるさいわよ!」
感情剥き出しで顧客の罵倒を始める女性に少し引きながらもアリアが聞く。
「安すぎるというのは分かりました。それでどうして欲しいのですか?」
「そうね……安くするんだったら身内以外に加護をかけないでちょうだい。それだけよ」
「……あなたがそれで納得するのならそうします」
それでどうなるかは知りませんがと言って女性の前から立ち去るアリアであった。
ステータス
ジョブ:祝育士 Lv.17→18
HP:300→310
MP:400→410
魔防:103→106
器用:52→54
振り分けポイント:20
主人公のせいでソロの祝育士は地味にキツい立場なのです。そんな話です。
書いていて思ったことをそのまま口に出して貰いました。そりゃあ文句の1つも言いたくなるよね……途中からただの愚痴ですが。
そもそも祝育士自体が全くもってソロ向けじゃないのは置いておく。教会で加護を始めたのが主人公で最初からシスター服という事も置いておく。
両親との絡みとか書けない事も無いがぶっちゃけ必要無いと思っているため書きません。
最前線の祝育士のレベルって?→28です。
主人公は女としてのプライドはないの?→ないです。




