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Free job online ~祝育士としての日常~  作者: 八神 憂
初めの街とシスターさん
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第45話 5日目 夜1-3

 エタらないよ!短いよ!

「まずはクッチさんとキャジさんに渡しましょうか」


 カレーが完成してお互いの味見も完了しアリアとメディカの分のカレーをアイテムボックスに収め教会に居る人達に配ることにする。最初に白羽の矢が立ったのは鍛冶をしているという男性2人であった。


「じゃあ行きますよ」

「はい、アリアさん」


 アリアとメディカは2人分のカレーを持ち厨房を出る。


「クッチさん今いいでしょうか?」

「レーゲさん?いいですよ」


 鍛冶場の前に着きドアをノックし声をかけるとOKの返事が返ってきたためドアを開ける。そこには鍛冶が一通り終わったのか水を飲んで休憩をしていた。


「鍛冶お疲れ様です。これレーゲさんと」

「アリアさんで作ったカレーです。良かったら召し上がってください」

「おお……レーゲさんが普通の見た目の料理を作っていますね。アリアさん一体どんな魔法を……」

「普通に手本を見せて手順通りにやらせただけですよ。レーゲさん手先は器用ですのであとはレシピ通りに作れることが出来れば問題ないですよ」

「アリアさん……どうですか私でも料理は作れるんですよ」

「えーと……レーゲさんが作れることがこんなに意外なんですか?」


 いきなりカレーを渡されてレーゲが自慢げな顔をしている状況が飲み込めないキャジが尋ねる。その疑問はアリアの「過去に鍋が爆発した」という一言でああ……と全てを理解した。


「さあさあ冷めない内に召し上がって下さい」

「あ、キャジさんのはアリアさんが作った分ですので安心してください」

「ありがとうございます。では、いただきます!」

「……いただきます」


 アリアの監修力を信じて心して食べるクッチとシスターさんの手作り料理で胸躍るキャジの顔は対照的であった。一口目を頬張り咀嚼し飲み込むと思い思いの感想を口にする。


「普通のカレーですね……!」

「普通のカレーだね」


 片や涙を流しながら食べれる事に喜び、片や普通すぎて物足りなさを感じていた。アリアは双方のリアクションに苦笑いしながらも返答する。


「とりあえず基本通りと言うことで変に工夫しないカレーですから普通なのは仕方ありません。今度、アレンジ加えたカレーをご馳走しますね」

「あー……なんかすいません、でもおいしいですよ」

「ええ……普通においしいです」

「ふふっそれは良かったです。ね?レーゲさん」

「ええ、これもアリアさんのおかげです」


 おいしいと言って貰えて上機嫌なレーゲとそれを見守るアリアであった。


「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした」


 あっという間にカレーを平らげて満足そうにしている男性2人の食器を片し鍛冶場を後にする。最後にアリアが包丁の使いやすさについてお礼を言っていたのは余談である。


「さてと、残ったカレーはヴォルケさんと冒険者達に配るということでいいですか?」

「ええ、元々はアリアさんが持ち込んだ食材ですので異論は無いです」


 レーゲからの了解を得てから神父にも協力を頼み食器とカレーを運び込む。おいしそうな香りに何事かと目を向ける冒険者達は礼拝堂にやって来たシスター2人を見て何かイベントか?とざわめき出す。


「えーと……ここに居るレーゲさんと一緒にカレーを作ったので良かったら食べて行って下さいね」

「鍋2つ分しか用意できませんでしたのは申し訳ないです」


 笑顔で告げるシスターの宣言を数瞬したのちに理解した冒険者は我先にとカレーへと群がる。その勢いに驚いたアリアは並んで下さい!と叫ぶとまるで軍隊の様な訓練された動きで1列に並ぶのを見て聞いてくれて良かったと思いながらレーゲが盛ったご飯にカレーをかけていく。


「普通のカレーだけどおいしいな!」

「ああ、今日ログインできて良かった……」

「まさかシスターさんからカレーが貰えるとは……これであと1週間は頑張れる」

「くっ……これは言うしかない!シスターさん結婚してください!」

「嫌です」

「ぐはっ!迷うことなく笑顔で即答とは!でも我々の業界ではご褒美です!」

「てめぇ何抜け駆けしてんだ!俺の嫁に決まってるだろうが!」

「いやいやお前の嫁とか無いわー。ここは間を取って俺の彼女ということで……」

「ちょっと男子!この子は私達の嫁に決まってるじゃない!」

「そうよ!この子はあんた達なんかには勿体無いわ!」

「キマシタワー」


 ガヤガヤと言い合っている冒険者達に笑顔が引き攣るアリアと何のことかさっぱりといったレーゲ、カレーを食べながら傍観している神父。そうこうしている内にカレーもご飯も無くなり、お皿も回収した所でアリア達は奥に引っ込み厨房で食器を洗おうと思っていると先にクッチとキャジが居た。


「あら?キャジさんにクッチさん一体どうしたんですか?」

「ああ、貰ってばかりでも悪いかなと食器洗いでも手伝おうと思ってね」

「あ、アリアは洗わなくていいよ。それよりも待ちくたびれているメディカさんの相手をしてて」

「キャジさん……クッチさん……ではお言葉に甘えてお願いします」

「お願いされた」

「あ、あの!……アリアさん」


 アリアはメディカの元に行こうとすると呼び止められる。モジモジしながら言葉を選んでいるレーゲを何も言わずに見つめて待つ。


「今日は本当にありがとうございます。その……食べた人がおいしいと言ってくださるのがここまで嬉しいとは……料理って楽しいんですね」

「……ふふっ楽しんで貰えて何よりです。今後もレシピ通りに要精進ですよレーゲさん」

「はいっ!」


 後日お礼に伺いますと言われて楽しみにしてますと返し厨房を出る。


「メディカさん入りますよ」

「どうぞ」


 ドアを開けると待ってましたと言わんばかりにメディカが笑顔で出迎える。


「お待たせしましたメディカさん。さあ食べましょうか」

「ええ楽しみにしてました。こちらに座って下さい」


 片付いた調薬室の椅子に腰掛けメディカの淹れたお茶で一息つく。ァイテムボックスから2人分のカレーを取り出して手を合わせる。


「いただきましょうか」

「ご相伴に預かります」


 それぞれスプーンを手に食べ始める。一口目を食べて頬を押さえて笑顔になるメディカを見てどうですかと感想を聞く。


「とっても美味ですね。これはアリアさんが?」

「そうですよ。ちなみにこっちがレーゲさんが作ったモノです」


 そう言ってアリアは自身の食べているカレーを指し示す。あらまと驚いているメディカにスプーンで掬い上げ口元に差し出す。


「一口食べてみてください。今日の成果ですよ」

「え、ええ」


 ニコニコしているアリアの顔を見て意を決して差し出されたカレーを食べる。一回二回と噛み締めながら涙を流してみ込む。


「アリアさんのカレーと同じ味がしますね」

「それは……まあ同じ材料で同じレシピですのでそうなりますよ?」

「ああレーゲさんが普通の料理を……クッチさんと一緒にどく……味見してきた苦労がようやく終わってくれます」

「ご苦労様です」


 メディカの心情を察して心の中で合掌する。


「そう言えばメディカさんは先程まで何をされてたんですか?」


 話題を切り替えるためにアリアが話を振るとカレーを食べていたメディカが顔を上げ質問に答える。


「私ですか?前々から作っていた洋服を仕上げていました。今日中には完成するわね」

「洋服ですか?それは……」

「明日を楽しみにしててねアリアさん」

「は、はい」


 嫌な予感が頭をよぎり冷や汗をかくアリアとそんな様子を気にせずにカレーを食べ進めるメディカ。そんな空気の中2人はカレーを食べ終えた。


「何か久々にこうしてゆっくりお話出来た気がするわ。ありがとうねアリアさん」

「どういたしまして。では後は片付けてお暇させていただきます」

「私も手伝うわ」

「お願いします」


 その後は使った食器を洗いメディカにおやすみなさいと告げてログアウトするアリアであった。

 カレーを食べるよ!ただそれだけの回だよ!


 書いていてメディカとレーゲの口調がごっちゃになっている作者です。

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