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Free job online ~祝育士としての日常~  作者: 八神 憂
初めの街とシスターさん
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第41話 5日目 昼1-4

 アリアの男子力がガンガン減っていく……え?元々無い?それは言っちゃダメですよ。

「それで何があったの?」


 シルトがログアウトした後にアリアに質問を再開する。アリアは多少の省略をして答えた方が詮索されないと思い言葉を選びながら話す。


「メッセージで魔力草取ってくるって言ったでしょ?」

「言ったね」

「その時に大量のモンスターに襲われてね」

「大量のモンスター?でもアリアちゃんからそんな所に飛び込んだわけじゃないよね?」

「うん。何かプレイヤーが引き連れてたのに襲われた」

「うわぁ……アリアちゃん、それモンスタートレインって言ってこの手のゲームではやってはいけない行為の1つなんだよ」

「あーうん。体験してみてかなり怖かったよ……それでHPが残りわずかの時にシルトに助けて貰ったって事かな」

「ほほう、シルトもミカンに負けず劣らずやりますなぁ。それでお礼を言ったアリアちゃんにそっぽを向いて微妙な空気にと?」

「……そうだよ」

「今の間と何か微妙に顔が赤くなったのはあえて触れないでいておくよ」

「そうしてくれると嬉しいな」


 肝心の部分を聞かないでおいてくれるアユの優しさに甘えながら3人組のクエスト終了を待つ。ギルド内で待つこと5分、始めに来たのは意外にもテルであった。アユとアリアを見つけたテルは手を振りながらのんびり歩いて来る。


「あ、アリアちゃ~んアユちゃ~ん終わったよ~」

「お疲れ様。待ってないよ」

「お疲れー!さすが同盟の期待の新人だね!」

「同盟って?」

「何か未来に期待しよう同盟とかいうちょっと失礼な同盟です」

「シラヌイさんいつの間に?」

「ついさっきです。ちなみにテルさんは着痩せするタイプですので脱ぐと地味にスゴイデスヨ?」

「なんで最後の部分でカタコト?それに目のハイライトが……アユさんまで!?」

「よくも騙したなぁ……」


 アユが嫉みの視線をテルに送るが、そのテルは顔にどうしたのと首をかしげている。最後にシラヌイ達が来た10分後にハクがやって来る……でかくなった大福うさぎを連れて。


「お待たせしました……何ですかこの空気?」


 目をキラキラさせているアリアとテルに現れた第2の敵に嫉みパワーを上げるアユとシラヌイ。困惑するハクに最初に話しかけるのはアリアであった。


「ハクさん」

「な、なんですか?」

「そのウサギを……」

「はい」

「是非とも……」

「……はい」

「モフらせてー!」

「私も~!」


 ハクの了承を得る前に大福をしゃがんでモフモフするアリアとテル。大体膝の辺りまで大きくなった大福の毛は見た目通りの柔らかさであった。大人しい大福を始めは撫でているだけであったが、やがて毛に顔を埋めて「ああ~」と満面の笑みで悦に浸るアリア。その表情を見て嫉みなどどこかに吹き飛んだアユ達はその様子を激写していた。

 3分ほど経ちハッと我に返ったアリアは恥ずかしそうに咳払いしながら立ち上がる。周りからの温かい目にうろたえているとアユから質問が飛ぶ。


「アリアちゃん癒された?」

「それはもう……ただ町中でやることではないと思いました」

「アリアかなり良い笑顔でしたよ。それはもうここが天国かって顔でした」

「気持ちよかったからね~しかたないね」


 周りの見ていたプレイヤーもうんうんと頷いていた。その反応に顔に朱が差すアリアはもう!と少し怒ったが怖さなど全くないのであった。


「さてアリアちゃんが戻って来た所でクエスト報告するよー!」

「おー!」

「お~」

「おー」

「……おー」


 アユが仕切りなおし、クエストの報告を行い全員が終わって集まったら一斉に変更をしようという事になった。クリアした順ということで初めはアリアが報告する。


「さっきから騒がしくてすいません……」

「気にしてません。クエストの報告ですね?ギルドカードの提示はもうしてありますね。……はい、確認しました。種族の変更はステータス画面より行って下さい。他にご用件は?」

「ありません」

「ご利用ありがとうございました。では冒険でのご活躍を祈っております」

「ありがとうございました」


 相変わらず淡々と終わるギルドへの報告に慣れたのか、アリアも気にせずに席を離れる。その後も終わった順で報告し、最後のハクも加わりステータス画面を開いて確認をする。


「準備は良い?いっせーのせで変更だよ?」

「いいよ~」


 全員の意を代表してテルが答える。じゃあと一呼吸置いてアユが言う。


「いっせーのーせ!」


 アユの宣言で一斉に種族の変更を行う。全員に動物の耳が生えて尻尾までついてきた。


「おお!ヌイちゃんは黒猫だね!似合ってるよ!」

「アユも黒猫でお揃いですね。で、ハクは白うさぎですか。垂れ耳でかわいいですよ」

「ありがとう。テルちゃんは……なにそれ?

「なんかカピバラって書いてあるよ~」

「なるほどイメージ通りです。それでアリアは?」


 全員アリアを見る。その動物を耳だけ見ても分からずに尻尾を見ても結局分からずに反応に困っていた。そのためアリアはステータス画面を見てモチーフを告げる。


「タヌキみたいですね。でもタヌキなら分かるのでは?」

「い、いやぁ……実物のタヌキは見たことないからイメージと食い違ってたよ」

「タヌキって耳が丸いんじゃないんですね……尻尾もしましまじゃないですし」

「アリアちゃんならキツネにでもなると思ってたんだけどな~?巫女服だし似合いそうだよね~」

「でもこれはこれで可愛いと思いますよ」

「ありがとうございます。他の皆も似合ってるよ」


 やいのやいのと盛り上がっているとギルド職員から少しうるさいと注意を受けてギルドを出た。


「さて!目的は済んだけどこれからどうする?私としてはもう少しこの光景を眺めていたい!あとアリアちゃんの髪をいじりたい!」

「てっきり忘れてたと思ってたのに」

「ふっふっふっ……アリアちゃんも女の子ならオシャレへの執念がわかるでしょう」

「えっと……」


 すいませんわかりませんとも言えず曖昧に笑って誤魔化す。その笑顔を肯定と見なしてアリアに迫るアユ。観念して装備画面を開き髪型を変えていく。


「おー!ミカンに聞いてたけど本当に変えられるんだね!」

「ポニーテールですか……髪の長さのせいかミカンさんとは雰囲気違いますね」

「次はツインテール……こっちはあんまり似合ってないね~」

「お団子頭はチャイナ服着せたくなりますね」


 アリアの髪型に次々コメントをしていくアユ達は結局、普段の見慣れているストレートが似合うという結論に至る。それで良いのかと思いながらも髪型を戻すアリア。


「こんなに簡単に髪型変えられるなんていいね!いやぁ美容院が出来るのが楽しみですなぁ」

「美容院できるんですか!?」

「アリアちゃんからの情報によるとできるとのこと」

「アリア……一体その情報どこから?」

「教会のシスターさんから聞いたよ。まぁ町の事なら神父さんに聞くのが手っ取り早いみたいだけど」

「さすが元シスターさんだね~」

「いやいやテルさんシスター服着てるだけでシスターさんじゃないよ?それに元ってなに?」

「いまは巫女さんだからね~」

「巫女さんですね」

「巫女さんだね」

「巫女さんですよ」

「皆して巫女巫女言わないで……もう着替える!クエスト終わったし!」

「あ、怒ってどっか行った……どうせ教会だろうけどね」

「じゃあ一旦終わりますか?」

「んー……そうだね。まぁいつでも集まれるしいいかな?」


 アリアが離脱したことでアユ達も解散することになった。

 アリア、こころがぴょんぴょんするの巻。それはさておき種族変更しました。主人公がタヌキなのはある種の皮肉です……決して最初はキツネにしようとしたとかそんなんじゃないよ!ホントダヨ?みこーんとか言わせたりしないよ?


 アリアがもふもふしている写真はどうしたの?→姉に見せました。結果は言わずもがな。

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