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Free job online ~祝育士としての日常~  作者: 八神 憂
初めの街とシスターさん
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第04話 1日目 昼1-2

相変わらず姉のほうがしゃべってます。

「次の方どうぞ」

「はい」


 姉に続きギルドの受付カウンターに呼ばれた。そこではギルド共通の制服を着たオレンジ髪の女性が座っていた。


「冒険者ギルドへようこそ。案内を務めますキャロでございます。本日はギルドにどのようなご用でしょうか」

「冒険者としてギルドへの登録をお願いします」

「ギルドの登録ですね、かしこまりました。それではこちらのクリスタルに手をかざして下さい」

「はい」


 クリスタルに手をかざしてみるとクリスタルが光り出しカードが浮かび上がってきた。カードの完成に合わせてクリスタルの光が止みギルド員がチェックを行いカードを受け取る。


「これでギルドへの登録が完了しました。ギルド利用の説明は聞きますか?」

「いいえ、遠慮しておきます。ありがとうございました」

「わかりました。またのご利用お待ちしております」


 後ろにまだまだ居る人のために早く空けるべきだと思い受付カウンターを早々に離れた。受付カウンターから少し離れたボードの横に居る姉に合流する。


「あっと言う間だっただろ?」

「うん、ここまで早いとは思わなかったよ」

「ギルド利用の説明は聞いたか?」

「後ろに人も控えてたし、ミカ姉に聞けばいいかなと思って」

「だと思ったよ。じゃあギルドの利用について簡単に説明するぞ」

「うん、よろしく」

「まずギルドの主な仕事はクエストの管理だ。受付の窓口によってクエストの受理の種類が違う。私たちが並んだ真ん中の場所が総合受付でギルドカードの発行や更新、クエスト報酬の受け渡しを主に行っている。あれを中心に右端から戦闘クエスト、生産クエスト、採取クエスト、町の依頼のそれぞれの受付だ」


 受付の上の看板には右から順に剣と盾のイラスト、ハンマーとビーカーのイラスト、対になる翼のイラスト、葉っぱと肉のイラスト、この町のシンボルらしい若葉のイラストが描かれていた。


「クエスト探しはそこのボードから見つけるか各受付に聞いて探して貰うかのどっちかだ。そしてギルドカードの提示とクエストの確認を行い受理が完了。クエスト達成の報告や破棄も受理した受付で行う。達成の報告の後は総合受付でクエストの報酬を受け取りカードの更新を行う。これがギルドの一連の流れだな。何か質問はあるか?」

「クエストの内容を忘れた時はどうするの?」

「メニューにあるギルドカードから確認できる。ちょっと開いてみろ」

「了解、メニュー」


 メニューを開きいつの間にか増えていたギルドカードの所をタップしてみるとギルドカードの情報が開かれる。


 ギルドカード

名前:アリア 

冒険者ギルド:ランクE 

プレイヤーギルド:未所属

クエスト:受理しておりません


「冒険者ギルドのランクは最低のEから最高のSSまである。このランクによって受理できるクエストの種類が増減する。プレイヤーギルドは自分たちプレイヤーが作ったギルドのことだ。クエスト欄に受理したクエスト名が表示され、そのクエスト名をタップすると詳細が現れる」

「説明ありがとう」


 ちなみにギルドではアイテムの買取も行っているのだが、基本的に割安で叩き買いされるためオススメできないとはβテスター全員の共通意識らしい。

 


「ギルドの説明はこのくらいだな。クエストは受付が混んでるし後回しでいいか。さて時間食ったが次は何をしようかね」

「そういえばもうゲームを始めて1時間くらい経つんだね」

「まあ、現実では30分しか経ってないけどな」


 ギルドを出ながら時間の確認を行う。このゲームは現実時間での1時間がゲーム内では2時間に引き伸ばされている。ゲーム内時間と現実の時間のそれぞれの時間が表示されるメニュー画面を見ながら受け答えをする。


「町の案内じゃないの?」

「それなんだが、本実装に伴いマップの拡張があって店の配置が変わっているんだ。プレイヤーメイドのお店もまだ出ていないし、適当な所で休憩がてら魔法の確認でもするか。本実装からのジョブの魔法にも興味がある」

「ああ、加護魔法だったね。じゃあ適当なベンチに座りながら確認しようか」

「だったら待ち合わせに使った教会の裏側にあるベンチでいいか。あそこなら静かだろう。早速行くとするか」


 そう言って賑わっている中央広場を後にして北側の広場の教会へ向かう。


「人は居ないみたいだしちょうどいいな」

「じゃあ確認してみようか」

「ああ、頼む」


 ベンチに座りステータス画面の魔法欄を拡大表示する。


 魔法

・癒しの加護 分類:補助

 効果:自分以外のプレイヤーの全てのHP回復量を20%上げる

 消費MP:プレイヤー1人につき50

 効果時間:魔防1につき1分(最大120分)

 効果インターバル:240分


・力の加護 分類:補助

 効果:自分以外のプレイヤーの攻撃を40%上げる

 消費MP:プレイヤー1人につき100

 効果時間:魔防2につき1分(最大120分)

 効果インターバル:240分


「これはまたピーキーなのが来たな……とりあえず実験だ。アリア、私に対して癒しの加護を使って見てくれ」 

「『癒しの加護』」


 姉は自身のステータスを確認してみると名前の横にハートマークがあるのを発見する。さらにステータス欄の下に効果時間が書かれていた。


「どうやら効果時間はゲーム内時間を適用しているみたいだ。今のアリアのステータスだと30分か。インターバルも同じだと考えると現実時間でのインターバルは2時間か・・・付加魔法に比べ効果は高いがインターバルの長さがネックか。1人に対する消費MPも現状だと高い」


 考えている姉を見るに今の段階だとあまり有効な魔法ではないようだ。


「次は力の加護を使って見てくれ」

「了解『力の加護』」


 再びステータスを確認するがそれらしきマークは付いていない。どうやら現状だと1人につき1つの加護のようだ。MPが減っている所を見ると不発でも魔法が使用されたことになるらしい。HP・MPの自然回復は共に10秒に1であるため全回復するのに25分かかる。


「1人のプレイヤーでは2つの加護は付けれないのか。前の加護が消えているインターバルの間に別の加護が付けれるかで変わってくるな。今だと試せないが後で確認するか……まあ初級職だしこんなもんなのかな?」


 考えがまとまった姉は現状の結論を告げる。


「結論から言えば、このジョブは今の所はギルド向きと言える。理由はパーティみたいに時間を気にせず多くのプレイヤーに加護を付与できるからだ。パーティでは無い私相手に加護を付与できたのを見るにギルドメンバーへの加護も出来るだろう。ソロで活動するならきちんと許可を取った上で加護を付与したほうがいいだろう。何にせよ今後に期待と言ったところか」


 そう締めくくり、そろそろ移動するかという提案に賛成し教会を後にした。

ギルドの説明と主人公の魔法についてのあれこれでした。いつになったらシスターさんの要素を書けるのか・・・とりあえず姉が居る間はムリそうです。そろそろ姉と主人公以外のまともな登場人物を出したいです。

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