第32話 4日目 昼2-5
召喚士の登場です。あと召喚の説明もあるよ。
感想で裁縫への期待の高さに冷や汗かいてるのは内緒です。
孤児院を後にしそのまま教会へ戻ろうとしたらシラヌイと出くわす。シラヌイの後ろにはパーティメンバーと思われる女の子が1人居た。アリアに気付いたシラヌイはひょこひょこ近づいていく。
「こんにちはですねアリア。相変わらずシスター服なんですね、頭の奴は取ってますが」
「こんにちはシラヌイさん。そう言うシラヌイさんは装備が変わってるね。新調したの?」
「はい。森での狩りでは防御が少し不安でしたので思い切って新調しました」
「武器も変わってるね。かっこいい」
「そうでしょう」
自慢げな顔のシラヌイを眺めていると後を追ってきたパーティメンバーが声をかける。
「あの~ヌイちゃんそちらのシスターさんは一体?」
「あ、テル。すいません急に走ってしまって」
「気にしてないよ~ところでそちらは?」
「こちらは前に話した祝育士のアリアですよ」
「あ~あの噂のシスターさんか~。どうも~テルです~」
「始めましてテルさん。アリアです」
おっとりとした少女テルはその見た目通りのんびり自己紹介を行う。ジョブは召喚士をやっているようである。シラヌイとは男性プレイヤーに絡まれている所を助けられてそのまま一緒に行動しているとのこと。
「それでアリアさんは何を?」
「孤児院に行って来てその帰りだよ」
「孤児院とは……シスターから保母にでもなるつもりですか?」
「保母さんにはなるつもりはないよ……そもそもシスター服もクエストとステータスの都合上着ているだけだからね?」
「え?そうだったんですか!?てっきりそういうロールだとばかり……ジョブも演じてる口調もシスターって感じですし」
「演じてるって……ただ少し丁寧にしゃべってるだけだよアレ」
「アレで少しですか?」
「え、えーと……アリアさんはこっちが素ってことでいいのかな?なんか見た目に反して男っぽい口調だね~」
「そりゃあ男だからね」
「……」
「……」
その言葉を放った瞬間シラヌイとテルは顔を見合わせ深い溜息を吐いた後、温かい目でアリアを見つめた。
「……何でそこでかわいそうな人を見る目で見るの?」
「いえ、その容姿ですからさぞかし男性プレイヤーから色々声を掛けられたのでしょう。それにうんざりしてそんな幼稚な嘘を……大丈夫です今度から私が守りますから」
「私も守るよ~」
シラヌイがホロリと涙を流しながら両手を握ってそう諭す。それに便乗してテルも手を重ねて一緒に決意する……疑われてすらいないと落ち込んでいるアリアを差し置いて。
なお、この話は後々アユにも伝わったのは余談である。それを姉が聞いて大爆笑したのはさらに余談である。
「それでシラヌイさんとテルさんは何をしていたんですか?」
「私たちは今からギルドへ行ってクエストを探します。テルのレベル上げがてら何か受けようかと……アリアも一緒に狩りでもどうですか?」
「うーん……嬉しいお誘いだけど狩りは遠慮しておくよ」
「そうですか」
「……ギルドには一緒に行くから。クエスト決めた後、教会で加護かけるよ」
「ありがとうございます。それじゃあ行きましょう」
「行こ~」
少し悲しそうな顔をしたシラヌイに妥協案で納得してもらいギルドへ向かう。道中でテルの召喚士についての説明を聞いてみる。
「え?召喚士?う~ん召喚魔法でお友達呼び出して~一緒に戦って貰うって感じだよ~」
「……詳しく説明しますと」
「あ、うん」
説明にならない説明に唖然としているアリアにシラヌイは解説を始める。
「召喚はMPを消費してモンスターを呼び出す魔法です。召喚したMPはその召喚が終了するまで戻ることは無い代わりにその分強いモンスターを呼び出せます。ここまではいいですか?」
「うん、大丈夫」
「召喚したモンスターは親密度はありますがレベルによる強化は無いのです。レベルが無い代わりに親密度が上がっていく度に『進化』の開放が行われます。これは召喚したMPに上乗せして消費することでモンスターが強化されていくシステムです」
「進化かぁ……そういうの憧れるね」
「だけど親密度は最初は兎も角、途中からかなり上がりにくくなる見たいですよ。ね?テル」
「うん。今の親密度は30位で第1進化が開放したんだけどそれ以降上がりづらくて……一緒に居る時間が重要みたいだから今も召喚してるんだけど」
「え?そうなの?でもモンスター居ないような……」
「後ろのフードの中に居るよ~」
着けていたフードを覗き込むとそこには1羽の赤い鳥がすやすやと寝ていた。かわいらしい寝顔にほっこりしていると再び温かい目を向けられる。
「この子はファイアーバードって種族の鳥さんだよ~。名前はポワちゃんって言うんだ~抱きつくとポカポカあったかいんだ~」
「いいなー……召喚魔法覚えようかな……いやでも……うーん」
「どうしたんですかアリア?」
「いや基本的に教会に居るから中で召喚できるのかなと思って……それにプレイ時間もね」
「……?プレイ時間なら結構しているイメージがありますが?」
「夏休みだから昼間も出来てるけど普通の平日は学校に家事にと忙しいからね……30分出来れば良い方だよ」
「……不躾でしたね。それでも取りたいなら取るべきでは?ゲームですからやりたいようにやるべきです」
「そうなんだけどね。うーん一旦保留でいいかな」
保留にしていること多いなと苦笑いしつつも気付けば冒険者ギルドに到着していた。アリアはクエストの精算のために町の依頼の受付へ、シラヌイ達は討伐依頼の掲示板を見ていた。
「ご無沙汰してますミントさん」
「あらアリアさん。今日はどのようなご用件でしょうか?」
「クエストの報告を。はいギルドカードです」
「分かりました。少々お待ちください……ずいぶん数をこなしましたね。クエストは継続しますか?」
「継続しますよ」
「了解です。ギルドカードをお返しします。それでは総合受付で報酬をお受け取りください、また来て下さいね」
「はい」
いつも通りのやり取りを行い席を立つ。続いて総合受付に行き報酬を受け取りに行く。
「どうもですキャロさん」
「あら、アリアさんですか。ご用件はって聞く必要ありますか?」
「無いですね。はいギルドカードです」
「少々お待ちください……えーと10個達成してますので2万Gですね。報酬はプレイゼントボックスに送られました。それとランクが1つ上がりDランクへ昇格しました。受理できる依頼の数が増えましたのでご確認下さい。ではご活躍をお祈りしています」
「ありがとうございました」
クエストの報告も終わりシラヌイ達は何をしているのか見渡すとどうやらクエストを見つけて受付で受理しているようだ。1分ほどでこちらに戻って来た。
「お待たせしました。では行きましょう」
「お~」
「ですね」
3人揃って冒険者ギルドを後にする。そこでふと思い出したのかシラヌイが質問をする。
「そういえばアリアは加護の報酬は決めたのですか?」
「あぁそれなら、その人達の善意で貰うってことになったよ。基本的には人数分の消費MPに見合った魔力薬と何かって感じに落ち着いてる」
「アリアらしいです。それを決めたのはアユやシルトですか?」
「基本方針を決めたのはミカ姉だね。それを掲示板で広めてるっぽい」
「そうですか」
「加護か~親密度上げる加護とか無いの~?」
「今のところ無いね……祝育っていう位だから後々覚えそうだね」
「今後に期待ですね」
そんな事を話していると、そうだとアリアはシラヌイ達へ1つ尋ねる。
「孤児院に行く前に1人フレンドになったんだった。加護の時間も切れてるし呼ぼうかな」
「どんな人ですか?」
「飼育士をやってる女の子だよ。ウサギをモフらせて貰う為にフレンド登録したんだ」
「飼育士ですか……是非会ってみたいです」
「私も~」
じゃあ呼んでみるねとコールを掛けて10秒ほどで繋がり教会へどうですか?と尋ねると教会のベンチで休んでいると返事が来たため3人は教会へ急いで向かうことにした。
要は召喚士→デ○モン 飼育士→ポ○モンのイメージでOKです。というかまんまです。主人公に召喚覚えさせるか悩みどころですが……まぁ覚えさせる予定は無いですね。
主人公は自分が男だと言っても信じてもらえないので諦めています。というより諦めるように姉に諭されてます。




