第31話 4日目 昼2-4
思ったんですが子供と言っても主人公の年齢を考えるとそこまで子供って感じでもないんじゃ……
あ、ワサビさんの小説買いましたー。
「髪をいじりたいんですか?」
雑談の途中でアリアがどんな髪型なのか気になったようで、頭巾の部分をはずし長い茶髪を見せると女の子としておしゃれに飾りたいと言って来た。
「うん。そんなに長い髪なかなかお目にかかれないからね。私とイオの髪短いからいじっててもバリエーション少ないんだよね」
「でも長い髪ならレテさんやエリスさんが居るじゃないですか」
「レテは恥ずかしがっていじらせてくれない。エリスはいじっても直ぐに戻すからつまらない」
「そ、そうなんですか」
「ねーいいでしょー!アリアお姉ちゃん!」
こう頼まれると断れない……そもそも断る気が無いので素直に「いいですよ」と許可を出す。それを聞いた2人はちょっと待っててねーと部屋にある小物入れからヘアピンやヘアゴムを取り出し戻ってくる。その際にこちらを観察していたカロンもやって来る。
「アリアさんの髪型いじるの?私も参加する!」
「あ、カロンも興味出た?良し!とことんいじろー!」
「ろー!」
「お手柔らかにお願いしますね……」
三人寄ればなんとやらと言った感じで先程まで控えめだったイオですらテンションを上げている。もちろんアリアの言葉など聞く耳持たずでアレでもないコレでもないと髪型を変えていく。
「まずはシンプルに三つ編!」
「これを結って……」
「ハーフアップの完成!」
後ろ髪の二箇所を三つ編にしそれを結った髪型ハーフアップ。なのだがもちろんアリアは女性の髪型など知らないのでどんなものか分からない。するとメッセージが現れる。
「えーと『髪型にハーフアップを登録しました。装備欄から変更出来ます』……登録は強制ですかそうですか」
そんなアリアの様子など知ったこっちゃないとばかりに髪を櫛で梳かしながら次々に変えていく。ポニーテールにツインテール、サイドポニーにリボンを使ったオカピ巻き、チャイナ風のお団子にペガサス盛り等々全部で20種類ほど変えられたが全部登録された。ちなみに使ったアクセサリーはくれると言った。
次はどれにしようかと3人で話していると入り口からノックの音が響きマリーが対応すると一時するとアリアが呼ばれた。髪はまた今度ねと言い荷物を受け取りに行く。
「おう!待たせたな嬢ちゃん!これで果物10人分だ!味は保障するぜ!」
「ありがとうございます。またお願いするかもしれませんがいいですか?」
「お得意さんになってくれるのは大歓迎だ!これからもご贔屓に!」
そう言い残し帰っていく青果店の店長であった。受け取った荷物をマリーに手伝ってもらいながらキッチンに運ぶ。
「さてエプロンを着けて手も洗いましたね」
「もちろん!」
「うん」
「じゃあ作っていきます」
保母さんと同じ黄色のエプロンを着けて元気良く返事する。髪が邪魔だから再び頭巾を着けようとしたが2人からの無言の圧力に負けて、せめてもと動きやすいポニーテールに変更した。姉が戦闘職でポニーテルを選ぶ理由を理解したアリアであった。
「まずはタルトの生地を作っていきましょう」
たくさんのフルーツを使うということでフルーツタルトを作っていく。レシピは教えたがやはり実際に見せながらやった方が良い。そんなこんなで開始したタルト作りであるがいつも料理をしているだけあって順調に進んでいく。タルト生地を焼いている途中で買い物に行っていたという子供が帰ってくる。
「ただいまー何か焼いてる香りがするんだけどなに?」
「あらおかえり、シスターさんが料理を作っているのよ」
「シスターさんってレーゲさんか?ってレーゲさんだったら皆で止めるか」
「失礼ですね、それではまるで私の料理が料理じゃないと言ってる様なものです……何故そこで皆さん目を逸らすのですか」
「いやだって事実だし」
「ふーんいつか料理出来る様になって見返してやりますよーだ」
「あ、レーゲがいじけた」
「いつものことだろう。それでエレ買い物はどうしたんだ?」
「ああ、はいこれ……材料とかはウチの使ってるのか?」
「安心してシスターさんの持ち込みよ」
「ならいいや。それでそのシスターさんは料理大丈夫なのか?」
「セレネとイオにレシピ聞かれて答えられるレベルって言ったら分かるかしら」
「セレネが納得できるレベルのレシピ通り作れるなら安全だ」
「味は保障しますよ。一度食べましたけどおいしいかったです」
「相変わらず立ち直るの早いな」
レーゲがメシマズというどうでもいい情報が聞こえてきた。料理教えたほうがいいのかなぁと思いながらも、とりあえず帰って来たエレと呼ばれる少年に挨拶をしに行く。
「どうも初めまして教会でお世話になっているアリアです。以後お見知りおきを」
「ど、どうもエレです。こちらこそよろしく」
挨拶を一言ですませて料理の途中ですのでまた後でと再びキッチンへ引っ込み、エレはその様子をボーっと眺める。動かないエレを見て声をっかけると声を荒げてレーゲに質問をする。
「な、何だよ!?あんな人教会に居たのかよ!?」
「教会に来たのはつい最近ですよ。来たときから孤児院に誘って今日やっと来てくれました」
「レーゲさんさすが!」
「あー……この様子は……」
「だな」
「?」
パンを除きエレの状態を察した子供たち。そんな事は知らないアリアはタルト作りの最終段階であるフルーツの盛り付けに入っていた。
「さて後は盛り付けだけです。これに関しては各々盛って行きましょうか。果物は好きに使っちゃってください」
「腕がなるねぇ!」
「楽しみです」
4つ作ったタルトにカスタードやジャムなどを塗り2つはアリアがもう2つはイオとセレネが担当する。アリアはいつも作っている通りに偏らないように考慮しながら様々なフルーツを盛っていき、イオは苺を中心にセレネはリンゴを中心に盛り付けを行う。そうして10分ほどで盛り付けが完了し、リビングへ持っていく。
「出来ましたよー。フルーツタルトです」
「おー!おいしそう!」
テーブルに子供たちが群がってくる。それを微笑ましそうに見つめる保母さん2人とレーゲ。アリアは待って待ってとタルトを切り分けてセレネとイオが持ってきた皿に取り分ける。取り分けが終わりアリアは大人たちへは紅茶を子供たちへは牛乳を用意して、席に着いたらいつものアレをする。
「それじゃあ手を合わせて……いただきます」
「いただきます」
いただきますと子供たちも言いタルトへ手を付ける。フォークでサクッと小気味良い音を立てながら切り分けて口に運ぶ。納得の出来と安心して周りを見渡すと皆笑顔でおいしいおいしいと食べていた。
その笑顔を見て作って良かったと思っているとその視線に気付いたマリーとベートがお礼を言ってくる。
「ありがとうございますね。こんなおいしい料理を」
「いえいえ好きでしたことですから。それに子供たちがおいしそうに食べてくれて嬉しいです」
「アリアさんココで働きませんか?子供たちにも好かれてますし、私たちとしても子供を大切にしてくれる人は歓迎ですし」
「あ、えーと……その……」
「……いえ今のは忘れて下さい」
そんなことを話し合いながらも食事は進み各々食べ終わる。その片付けを済ませ帰ることにした。残った果物は孤児院に寄付という形にして、別れの挨拶をする。
「それじゃあ帰りますね。皆さんお元気でレーゲさんは多分後で会いますね」
「はい、また教会で」
「今日はありがとうございます。いつでも来てください歓迎しますよ」
寂しそうな顔の子供たちに「また来ますから」と笑顔で告げる。その際にセレネがアリアの顔を見て何か言いたそうにしていたので、尋ねるとアリアにお願いを言う。
「その……アリアお姉ちゃんには次来るときは「お邪魔します」じゃなくて「ただいま」って言って欲しいなって……」
「……わかりました。次来るときはそう言います」
一瞬面食らった顔をしたが、次の瞬間には微笑みながらそう告げる。ではと皆に見送られながら孤児院を後にする。
タルト作りは省略します!レシピはあるんですが一から書くのはめんどくさい!適当にク○クパ○ドでも使って調べて下さい……書いたほうが良いのだったら書きますけど……
孤児院は一旦終了です!次からはまた教会でグダグダします。




