第26話 3日目 夜4
ぶっちゃけ必要無い話だよ!
「あうー」
ログアウトしてから教会の自室でしてた事を思い出して羞恥に悶えながらも眠ろうとしていたが当然眠気など来るはずも無く悶々としていると扉からノックが来る。
「どうぞーってフユ姉か」
「おうフユ姉だ。いつもだったらもう少しログインしてるはずなのに気になってな。何か悶えた声も聞こえてくるし」
「あはは……な、何でもないよ」
「ふむ……目は赤くないし泣いてたわけじゃないか。けど顔は真っ赤か。まあアキが顔を赤くするのはいつものことだが」
「そんなに顔赤くしてる?」
「割としてるな。ゲームの中では完全に女性のアバターだから相手……主にアユが躊躇い無くスキンシップしてくる時が多いな……とシルトに聞いた」
「シルト……」
アユが言ったのをシルトが補足する形だけどな、とシルトへフォローにならないフォローが入る。秋太の訴える瞳を無視し姉はそのまま分析を続ける。
「でも、アキはその事でそんなに悶えたりしないんだがなぁ」
「ボクのこと詳しすぎじゃない?」
「アキは嘘を隠すがすぐにボロが出るからな……女性関係、少なくとも相手とのことでは無いけどここまで悶えているとなると……」
少し雲行きが怪しくなり顔を赤くしながらも冷や汗をかくという器用なことをやってのける秋太。このままではと話の方向を変えようとする。
「そ、そういえばフユ姉達は何をしていたの?」
「ん?私たちは少し森のマップを埋めていたな」
「森のマップってそんなに広いの?」
「それなりに広いぞ。それに始めの方は敵がほとんど出ないんだが奥に行けば行くほど強くなっていってな、推奨レベルは20程度と言った所か。縄張りに入れば攻撃してくるのが多いからロクに探索も出来ん」
「推奨レベル20って……他に探索する場所って無いの?」
「そうだなぁ……町から北に出たところに山があるだろ?」
「うんあるね」
「あそこの推奨レベルが公式によれば15程なんだがな……正直言って10以下でも普通に行ける、と言うよりも行けないと困る」
なんで?と言った顔をしている秋太にもう少し攻略ページを読もうなと諭して結論を述べる姉。
「山のふもとにある町の種族変更でなれるのがドワーフなんだが、このドワーフが物の加工、主に鍛冶に関して有効なステータスの種族でな。金属性の武器を使うプレイヤーとしては森を攻略するために性能の良い武器が欲しい。だから鍛冶士にはいち早く種族を変更してもらいたいんだ」
「ああ、生産職はレベルが上がる速度がイマイチだから公式もそれを分かって低いレベルでも行けるようにしてるんだ。でもなんで15レベルなの?」
「ん?ああそれは初見殺しとも言える爆発する岩が各所にあるせいだ。その爆発の威力を耐えれるのが盾職で15からだからだ。だが実際それにさえ気をつければボスは滅茶苦茶弱いからな」
「そんなに弱いの?」
「ああ、その爆発する岩はボスフィールドにもあるんだがな全部にぶつければ8割削れるそうだ、ぶっちゃけ熊より弱い。とは言っても生産職一人のソロでは道中危険だし一人だと火力も無いとは攻略者の言だ」
「そうなんだ。でも道中ならともかくボスならそれなりに経験値入るんじゃないの?レベリングできそうだけど」
「初回だけならな。ドロップアイテムもイマイチだし時間もかかる、単純に効率が悪いんだ」
「なるほど」
「まあ、知り合いの鍛治士を一人送って終了ってパターンが多いな。山の上は推奨レベル30だ。今の私たちでは話にならんな」
本実装から微妙にレベルが上がりにくくなっているしな、と付け加える。
「さて、私の話はこんなもんだな。アキも話を聞いて少しは落ち着いたみたいだしな」
「あ、うん。おかげで大分落ち着いたよ」
「……で実際何があったんだ?」
「今更そこ掘り返すの!?何も無いったら」
「…………教会の奥にアキだけの個室とかあるか?」
「……ノーコメントで」
「それほとんど答えだぞ。ふむ、鍵はかけられるか?」
「………………ノーコメント」
「防音か?」
「……………………ノーコメント」
「……」
「……」
「……気持ち良かったか?」
「…………………………少し」
「そうか。一人で遠慮無く歌えると気持ちが晴れるからな、良いストレス発散になる。これから多くのプレイヤーを相手するんだからストレス発散の方法は大事だ」
「え?」
「……やはりそっちか」
「ーッ」
「いやはやアキだって……いやこれ以上はアキが爆発してしまうからこれくらいにしておくか。じゃあおやすみなー」
再び悶え始めた秋太を見捨てて一人そそくさと部屋に戻る姉であった。
姉による全力の主人公いじり回。次回からキチンと攻略?……攻略に入る……はず?




