第23話 3日目 夜1
なんか無理矢理な感じになってしまった。
ログアウトしてから冷蔵庫の中身を確認して買い物に出かける。その帰り道で姉に出会う。
「あ、フユ姉大学終わったんだ」
「おおアキか。見た通りだ」
荷物持つぞと秋太の両手に持っている荷物の重い方を拝借する。
「ありがとうフユ姉」
「気にするな。それにしてもこの時間に買い物とは珍しいな。いつもはもっと早い時間に行くはずだが」
「アユさんたちと一緒に狩りに行ってたら遅くなったよ」
「アユ達とか・・・どこで狩りをしてたんだ?」
「森の中で蜂を倒しててついでにクマを倒したよ」
「ボスをついで扱いするアキにビックリだが・・・まあアユとシルトいれば倒せるか。それで町に着いて解散と言った所か?」
「正確に言えば最初に町に戻って報酬を分けて解散だけどね……あ」
「どうした?」
「報酬分けるときに加護かけるとき何か貰った方がいいよって言われた。でも人に要求するっていってもなぁと思って…」
「そのことかアキは人に要求するタイプじゃないからな。それにゲームでの見た目がシスターだから相手も要求してくることは無いと思ってるかもな」
「だよね。シスターさんがいきなり何かよこせとか言ったら何だコイツってなるよ」
「なるな、だがキッチリ貰っておかないと相手はつけ上がるからな。ちなみにアキはゲーム内で欲しいものは?」
「ないよ」
「だよなぁ・・・ちなみにお礼として送られるのは受け取るか?」
「うーん、相手の善意は無碍に出来ないから受け取るかな」
「なるほどな」
それを聞いて何かを閃いたのか考え込む姉。その様子を見ながらどうしたのかと思いながらも秋太も自分でもどうしようかと考えていると家に辿り着いた。
買ったものを冷蔵庫に詰め込みいつも通り家事を始める。
「じゃあフユ姉はのんびりしてて」
「いや風呂くらいなら洗っておくぞ」
「そう?じゃあお願い」
「あいよ」
お風呂を洗った後は今朝渡した弁当の容器を台所に置き水分を取った後は部屋に戻ると言って居間を出て行く。
「お、ちゃんと完食してるね」
そのような些細なことに喜びを感じながらも家事のペースを上げていく。
そしていつも通り家事を済ませて再びログインする。
「この部屋もすっかり見慣れたな」
ログインして最初に目にする教会の個室にそう思いながらも先にログインしている姉と連絡を取る。フレンド欄から姉にコールをかけるとすぐに出た。
「ミカ姉ログインしたよ」
「こっちはもう教会の中で待機してる」
「分かったよ。すぐ行くね」
礼拝堂に向かうと姉達の他にいくつかのパーティと思われる人たちが居た。
「ミカ姉お待たせ。スイさんに古衛門さん、ブリレさんもこんばんは」
「大丈夫だ、今来たところだ」
「こんばんはアリアちゃん」
「こんばんはですなアリア殿」
「こんばんはっすねアリアさん」
「アユさんとシルトさんもさっきぶり」
「さっきぶりー!」
「おっす」
そう挨拶すると周りのプレイヤーがどよどよと騒ぎ立てるが姉達は気にした様子も無く本題に入る。
「さてと早速加護をかけて貰いたいんだが、その前に渡しておきたい物がある」
「渡しておきたい物?」
姉がアイテムボックスをいじりその渡す物とやらを具現化した。
「これだ」
「これってお金と……回復薬?色的にMPの奴だけど」
「いつもありがとうってお礼と後に控えてる連中のための魔力薬だ。アリアの加護を受けに来たんなら、アリアのことと後に受ける奴のことを考えないと、なあ?」
姉が張りのある声で教会に響き渡るように言い放ち、来ていたプレイヤーを見渡す。目が合いそうになったプレイヤーが微妙な顔をしていてダメ押しとばかりに「それに」ともう一言付け加える。
「こんな可愛いシスターさんが加護かけてくれるんだ。少しばかりお布施してもバチはあたらんだろう」
笑顔でお礼を言う姿は格別だしな。最後に付け加えたセリフで周りに居た男性プレイヤーと一部の女性プレイヤーがざわめく。その光景に満足した姉はアリアに向き直る。
「いつもありがとうな」
お礼を真正面から言われて顔を真っ赤にして照れながらも満面の笑みで言葉を返す。
「どういたしまして」
その笑顔を見た他のプレイヤーはそれぞれの感想を思い思いに口に出す。これで大丈夫だろうと思った姉達はアリアの笑顔を激写し加護を受けて帰っていった。
姉達が帰った後はアリアが他のプレイヤーに加護の種類の説明を行いそれぞれの要求した加護を行い魔力薬とお布施を受け取った。お布施の内容は気にせず「ありがとうございます」と笑顔でお礼を返すアリアを見たプレイヤー達はこの笑顔を守ろうと決意したとかしなかったとか。
ちなみにフレンド申請は全て断った。理由は「ログインの管理をされたくないから」とのこと。
ステータス
ジョブ:祝育士 Lv.6→9
HP:180→210
MP:260→290
魔防:65→74
器用:30→36
振り分けポイント:5
困った時の姉頼み・・・これどっちが主人公かわかんねぇな。
主人公から要求することは無い→じゃあ相手がすんなり渡すように仕向ければええやん!という逆転の発想。ちなみに発案者は姉である。
今まではレベルが上がる度に3回→5回→7回と必要な加護の数が増えて居たのですがもう何回やったか数えんのメンドくせぇ!ということで、この形になりました。ここから一気にアリアの祝育士のレベルが跳ね上がっていきます・・・これ読者離れても文句言えないですね。
まあ主人公のレベルがどんだけ上がろうと万能にはなれないのでその点だけは保障します。




