第17話 2日目 昼2-4
お買い物回の終わりです。
スキル屋はバザーの近くにありあっさり辿り着いた。どうやら人はあまり居ないようでレジでアユと一緒にスキルを眺めていた。
「治癒魔法……治癒魔法……あった」
「じゃあそこの購入ボタン押して」
「うん、購入っと」
毎度お馴染みの「購入しますか?」のメッセージにはいを選択する。購入が完了すると「スキルを覚えますか?」と出ていきたので同じくはいを選ぶ。「スキル《治癒魔法》を入手しました。魔法 《ヒール》を覚えました。」とメッセージが現れる。メッセージを閉じてアユと一緒に店を出る。ちなみ覚えますかの所でいいえを選ぶとスキルアイテムとしてアイテムボックスに入るらしい。
「ちょっと魔法を確認しても良い?」
「どうぞどうぞ」
魔法欄を開きアユと画面を共有する。
魔法
・ヒール 分類:補助
効果:プレイヤー一人のHPを魔防1につき1回復(最大80)
消費MP:プレイヤー1人につき10
効果範囲:魔防2につき1m(最大50m)
インターバル:10秒
「うーん、スキルだとこんなものだよねぇ」
「アユさん的にはいまいち?」
「ジョブとして扱ってるのと比べるとどうしてもね。ちなみにジョブだと最大値が120だし消費も8、インターバルも5秒だよ!」
「結構差がつくんだね」
「まあ誰でも覚えられるスキルと同性能だったら誰も選択しないからね」
「それもそうか」
スキルもジョブと同じくレベルが上がると使える魔法が増えていくらしい。ちなみに癒しの加護をかけると回復量と最大値の両方が上がるため便利とはスイカの談である。
「スキルも買ったしこの後どうしよう?アリアちゃんは何かするの?」
「一旦教会に戻ろうと思ってるよ。食材も買ったし料理したい」
「そういえばお肉~とか歌いながら歩いてたね。と、言うことは今夜教会に来れば!」
「あはは……聞かれてたんだ。サンドイッチで良かったら作っとくけど」
「おお!食料確保!ありがとうアリアちゃん!」
「さっき色々奢ってもらったお礼だよ」
わーいと楽しみにしているアユに力の加護をかけた後別れる。その後教会の裏の通路に戻りシスター服を着て中に入り厨房へ直行する。綺麗に片付けてある厨房で料理道具と食材を取り出し調理を開始する。
「まずはハムたまごサンドからだね」
そう呟き昨日食べ損ねたと泣いていたブリレとおいしいと言ってくれた皆のために作ることにした。前と同じように手際よく作り完成、味見もして納得出来る仕上がりであった。
次は牛肉を細切れにし醤油・砂糖・みりん・酒を適量入れて牛肉と一緒にフライパンで炒める。火が通ったら白ゴマをまぶしかき混ぜる。そして千切りにしたキャベツと一緒にパンにはさんで完成である。味見もしっかりしながらサンドイッチを量産する。
「……作りすぎた」
6人分にはあまりに多い量を作ってしまったアリアが後悔していると、後ろから声をかけられた。
「あら?アリアさん戻ってこられてたんですね」
「あ、メディカさん。はい、料理をするために戻って来ました」
「だから厨房からおいしそうな香りがしたのですね。それで何を悩んでいたのですか」
「作りすぎまして……よかったら食べて見ませんか?味見もしましたし」
「いいのですか?ではご相伴に預かります」
「どうぞ召し上がって下さい」
サンドイッチを手にいただきますと言って食べ始めるメディカ。もぐもぐと租借をし飲み込み笑顔でアリアに告げる。
「とってもおいしいですね。このサンドイッチ」
「お口に合ったようでなによりです」
作り方や材料は単純であり教えれば誰でも作れるそのサンドイッチ。それでも食べる人のことを考えて作られている物はおいしいと賞賛を送れるものである。その賞賛をアリアもまた笑顔で返した。そのまま一つ目のサンドイッチを食べ切りそう言えばと思い出したかのようにアリアに質問をする。
「アリアさんはこれから時間はありますか?」
「夜になったらありますけど、どうしました?」
「少し服の修繕を手伝って欲しいの」
「ちょっとした用事の後でいいのでしたら」
「それでいいわよ。ありがとう」
「では、また夜に」
サンドイッチを4つ残して部屋に戻ろうとしたら、珍しく教会の奥に来た神父がこちらの顔を見ると近づいてきた。
「おお、戻ってきたかアリアよ」
「ヴォルケさん、どうかしましたか?」
「君に客人だ」
「自分にですか?」
「ああ、とは言っても昨日と今日来たミカン達ではないがね」
「ミカ姉じゃない……?」
「茶髪のシスターに加護魔法を受けに来たと言っていたが、その様子ではお互いに面識は無いようだな」
「はい。こっちに着てから知り合ったのはミカ姉含めて7人だけです」
「そうか……それで会ってみるかい?」
「会って見ます。加護魔法使うだけなら時間もかからないでしょうし。ちなみに何人ほどですか?」
「6人だ」
「MPも足りますね……大丈夫です」
「では行こうか」
神父に着いて行くと礼拝堂には6人の男女が居た。アリアを確認するとテンションが上がったのか男性4名が「シスターさんキター!」とはしゃいでいた。昼に会った男性プレイヤーを思い出し若干引いていると女性2名が鉄拳制裁を喰らわせていた。そして女性陣が謝罪がてら話しかけてきた。
「すまんな、うちのバカどもがいきなり叫んで」
「キッチリ謝らせるから許して」
「あ……はい大丈夫ですよ」
一瞬帰ろうと思いましたけどとボソリと呟くと女性2人がジト目気味に男性4名を見ていた。その目はさっさと謝れと如実に語っていた。目線に気付いた男性4名はスマンスマンと言いながら近づいてきた。
「いやはや見苦しい所を見せてしまってすまない。本当に居るとは思わなくてな・・・本当に申し訳ない」
「ごめんなさい」
「ごめん」
「メンゴメン……ごめんなさい」
最後の空気を読めない男に再び鉄拳をお見舞いし謝罪が完了した。
「ところで皆さんは加護魔法を受けに来たと言ってましたがどこでその話を?」
「ん?掲示板で微妙に噂になってたからな、姉御に加護をかけるシスターさんが居るってな。それに便乗して加護をかけて貰おうと算段していたんだ」
そう言って勝気な身長の高いリーダーの女性が掲示板のページを開きその場所を見せてくる。遠目だがアリアが映っている画像も張ってあった。ちなみに無断で張られているのを見つけた姉がすでに通報しているため削除されるのは時間の問題であったが。
「まあ、穏便に加護魔法を受けようと思っていたんだがバカどものせいで穏便にとは行かなくなっちゃったけどねぇ」
「気にしてませんよ。きちんと加護もかけますし」
「そうかい。それはありがたいね」
「じゃあ、加護をかけますよ。皆さんに癒しの加護でいいですよね」
「ああ、それで構わないよ」
お互いに名乗りもせずにアリアが範囲指定をして加護を行う。ちなみにアリアが自分の名を告げないのはつまりそう言うことである。その事を察したリーダーである女性は無理に名前を聞かず、さらに自分達の名前を告げずにお礼を言って去っていった。
「神のご加護がありますように、お祈りしています」
お礼を受け修道者の真似事をしながら見送り部屋に戻りログアウトした。
魔法
《ヒール》New
スキル
《治癒魔法Lv.1》New 《料理Lv.2→3》
加護魔法は名称指定と範囲指定の二つの指定方法があります。ソロで無理矢理レベルを上げたいときは範囲指定で無差別に加護を掛けるのですが、MPの関係上そこまで多く打てません。
アリアが名乗らない=フレンドはちょっと・・・と言った感じです。教会に訪れるプレイヤーが今後増えそうですので、そのようなプレイヤーにいちいち名前を付けるのが面倒というのが本音ですがね。
このような作者にいつもお付き合いいただき感謝します。




