第16話 2日目 昼2-3
まだまだ続くよ買い物回!
「さて!お腹もふくれたしお店を見て周ろー!」
「おー」
3つの店を食べ歩き満足したのか元気一杯に宣言したアユ。現在居る西の広場とは正反対の東の広場にプレイヤーのお店が集まっているらしく早速向かうことにする。
「今から杖を買いに行くんだよね?どんな杖を買えばいいのかな?」
「アリアちゃんは加護魔法を使っているから長杖がおすすめだよ!」
「長杖?ってことは短杖もあるんだね。違いとかあるの?」
「長杖は魔防の上昇が高いため補助魔法と相性がいいんだよ。短杖は逆に魔攻の上昇が高いの!私は攻撃魔法が中心だから短杖を使ってるよ」
「なるほど」
移動の途中にオススメを聞いておく。杖の形も色々あるようで普通の仙人が持っているような杖、木刀のように扱える攻撃性がある杖、魔女が使うような箒、指揮者のタクトなどプレイヤーのセンス次第のようだ。基本的に気に入った物を買ったほうが愛着が沸くとのこと。
「そんな訳で着いたよ!プレイヤーのお店の集合地帯、通称バザー!」
「バザーというよりフリマのほうが近い気もするけどね」
「それを言うのは野暮だよ。じゃあ見て周ろう!あ、杖だけじゃなくて服とかアクセサリーもあるから気になったのがあったら聞いてみたらいいよ!」
そう言ってはぐれないように手を繋ごう!と強引に手を取りバザーに向かっていく。手を取られ戸惑いながらも付いていくアリア。多くの杖を眺めながらまず目に着いたのが、木でできた先が花の形に彫られてめしべの柱頭に宝石がついた長い杖である。気になったので露天の人に声をかけて見る。
「すいません、この杖少し手に取ってみてもいいですか」
「いらっしゃいませ。どうぞどうぞ手に取って見て下さい」
「ありがとうございます、では」
落ち着いた雰囲気の茶髪の男性プレイヤーに許可をもらい杖を手に取る。花の形はチューリップであり柱頭の宝石は青色に光っていて、柄の部分は持ちやすいように皮が巻いてある。性能の確認がしたいと言うとステータス画面を見せてくれた。
チューリップの杖 種類:長杖
ステータス:魔攻+5 魔防+30
要求攻撃値:3
追加効果:なし
製作者:ハコベラ
「アユさんこれどう?」
「性能も良いしアリアちゃんが気に入ったならそれが全てだよ!」
「そうだね……すいませんこれいくらですか?」
「これでしたら4000Gですね」
「あ、買います」
「少しお待ち下さい」
そう言ってハコベラが武器のステータス画面をいじると「チューリップの杖4000Gで買いますか?」とメッセージが現れる。はいのボタンを押すと「取引が完了しました」と出た。杖は買ったらアイテムボックスにしまわれる。
「お買い上げありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ綺麗な杖をありがとうございます」
「お気に召したようでなによりです。せっかくですからフレンド登録しませんか?今後もこの様な杖を作りますから」
「はい、お願いします」
「あ、私もしたい!良い杖作れる知り合いは多い方がいいし!」
「わかりました、えっと……」
「アリアです。今後ともよろしくお願いしますね、ハコベラさん」
「アユだよ!」
「アリアさんにアユさんですね。今後もご贔屓下さい」
そう言ってフレンド登録を済ませて少々雑談があった。このような良い杖を作れるのに何故βの頃は無名だったのか聞くと、元々魔法の戦闘職をしていたが自分に合った杖が無かったからいっそ自分で作ろうと思い至ったらしい。デザインは実家が花屋をしているから、それを活かした結果だと言う。
ちなみに値段は本来はもう少し高いのだが、可愛い女性が使うと宣伝になるため安くして買って貰った方が利益に繋がるとのこと。その話を聞いて早速装備してみるアリア。
「大事に使わせてもらいますね」
「ああ、私の店の宣伝も頼むよ」
「ふふっわかりました」
最後に加護魔法の許可を貰いハコベラに癒しの加護をかける。またのお越しをお待ちしておりますと告げると、アリアははいと笑顔で答え店を離れる。
杖を購入し再度手を繋ぎながら他の店を覗き込むがどれもイマイチという印象であったため、また来ようということになった。
「そういえばアリアちゃんは他の魔法のスキルは取らないの?癒しの加護があるから治癒魔法を覚えれば回復職としてパーティに誘われると思うけど」
「他の魔法スキルかぁ・・・やっぱり取ったほうがいいのかな?」
「プレイスタイルによると思うけど、私としては取って欲しいかな。こうやって買い物も良いけどやっぱり一緒に冒険もしたい!」
「うーん・・・冒険とか考えてなかったな。装備もこれと修道服と杖しかないし、教会のクエストも楽しいし……スキルって覚えるのにいくら位かかるの?」
「最初の1つは1000Gだよ」
「1000Gか……お金もあるし今買っちゃおうかな」
「おー!買っちゃえ買っちゃえ!気が変わる前にレッツゴー!」
「急に走らないでー」
手を取りいきなり走り出すアユに引っ張られながらスキル屋に向かうのであった。
杖を買ったよ!次はスキルを買った後ちょっと話を大きく進める予定です。・・・・この作者の大きいは普段小さい歩幅で歩いているのを中くらいの歩幅で歩くようなものになりそうですが・・・




