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Free job online ~祝育士としての日常~  作者: 八神 憂
初めの街とシスターさん
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第12話 2日目 昼1-1

姉と愉快な仲間たち再び

 後日21日、秋太はいつも通り6時に起き朝食等の家事を済ませて自室でノルマの宿題を終わらせる。途中で起きてきた姉に再び朝食を作りログインする時間を伝える。


「アキは今日はログインするのか?」

「12時にログインする予定だよ」

「12時か、加護をかけてもらいたいから教会に来ればいいか?」

「うん。待ってるよ」

 

 FJOについてあれこれと話していて、教会で頼まれたことを思い出し姉に聞いて見ることにした。


「そういえばフユ姉、薬草余ってない?」

「余っているが欲しいのか?」

「うん。調薬で使いたいから分けて欲しいかな」

「わかった。どうせ持っていても宝の持ち腐れだしな。教会で加護をかける時でいいか」

「ありがとう。じゃあその時で」


 その後、昨日は加護のおかげでアイテムの消費が少なくてすんだこととハムたまごサンドが好評だったことを伝えられ、よかったと頬が緩む秋太だった。

 そんなこともあり気分が高揚した状態でゲームにログインした。相変わらず慣れないロングスカートであるが気にせず調薬室に向かう。


「こんにちはメディカさん」

「こんにちは。あら?頬が緩んでますよ、何かいい事があったみたいですね」

「はい。少し」


 そう言いながら次の薬草の必要調達数を話して調薬室を後にした。神父に会いに祭壇に向かうと途中で人が話す声が聞こえた。何事かと奥から出てくると、杖を持った魔法を使いそうな人が十人ほど居た。


「ヴォルケさんこんにちは。あの、これは一体?」

「ああ、彼らは全員冒険者だ。だが魔法を使いに来ただけでギルドからの依頼という訳ではない。まぁそれは構わないのだがね」

「は・・・はぁ」


 昨日書き込んでいるのを見たが、ここまで早く広まるとは思っていなかったため少し驚いていた。するとそのプレイヤーがアリアを見つけ声を上げた。


「おお!シスターさんだ!しかも可愛い!結婚してください!」

「本当だ!付き合ってください!」

「蹴ってください!」

「踏んでください!」

「罵ってください!」

「え……えぇ?」


 プレイヤーの言葉にどう反応していいのか分からずうろたえていると教会の扉が開かれて一人のプレイヤーが声をかけてくる。


「おーアリア。相変わらず面白い状況になってるな」

「ミ、ミカ姉ぇ……」


 姉がアリアに近づくとプレイヤー(変態)の間に入り一言。


「さて、私の家族にアホみないた事をのたまわった奴らはどうしてくれようか?」


 姉が鋭い目で睨むと、睨まれたプレイヤーは悲鳴を上げながら一目散に教会から出て行った。一部関係ないプレイヤーはその様子を見ながらも気にしないようにしていた。


「大丈夫か?」

「う……うん大丈夫だけど、今のは?」

「アリアが知らなくていい存在だ」


 そう言って話を終わらせた姉の後ろから出て行ったプレイヤーに入れ替わるように姉の他のパーティメンバーが入ってきた。


「姉御がいきなり走り出して何事かと思ったらそういうことか」

「ええ、こんなことならもっと早い段階で教会に居とけばよかったわね」

「アリアちゃん大丈夫!?」

「姉御が時間確認したあと慌てた様子だったからなにかと思いましたぞ」

「すごい形相だったですからね姉御」

「あ、皆さんこんにちは。ええと……これは一体」

「いやぁ、昨日情報拡散した後掲示板で「教会に神父しかいないからシスターさん出るまで待機してみようぜ!」とかいう企画があったんだ。……まさか本当に居るとは思わなかったんだが」


 パーティを代表してシルトが事情を話すと納得はしたが理解はできないという顔のアリアに一同は苦笑いせざるを得なかった。気を取り直して改めて姉のパーティに挨拶をする。


「では改めて、皆さんこんにちは」

「こんにちはアリアちゃん。昨日頂いたハムたまごサンドはおいしく頂きましたよ」

「やっほーアリアちゃん!同じくおいしく頂いたよ!」

「おっす。おいしかったぞありがとな」

「こんにちはですな。ハムたまごサンドおいしくいただきましたぞ」

「こんにちはっす。姉御、僕にはくれなかったよ」

「自業自得だ」

「あはは……また作りますから」


 やったーと喜んでいるブリレを横目に姉が空になったバスケットと大量の薬草を渡してきた。


「ありがとうな、おいしかったぞ」

「どういたしまして。こっちもありがとう」

「弁当のお礼だ、気にするな」


 笑顔のアリアを見て照れ隠しなのか頭を撫でてくる姉を見ていたパーティは微笑ましそうにしていた。


「じゃあ加護をかけますけど、全員に癒しの加護でいいんですね」

「それで構わないわよ」

「わかりました。では『癒しの加護』」


 そう言って全員に加護をかけた。加護の付与が終わり、アリアは今日はどうするのか聞かれ、東の森の近くで薬草を採取する旨を伝える。そこまで見送るという姉の意見にパーティも同意し、個人用の更衣室で冒険者の服に着替え教会を出る。


「それにしても装備はその二つしかないのか?」

「うん。別に困ってないしいいかなと思って」

「そうか、ちなみに杖は持っているのか?確かスキルは取っていただろう」

「スキルは取ってるけど持ってはいないかな」

「えー?それは宝の持ち腐れだよ!今度二人で見に行こうよアリアちゃん!」

「は、はい。その時は誘ってください」

「というか、素だとそういう感じなんだな」


 シルトの何気ない一言でアユが「もっとフランクな感じで話してもいいんだよ!」と熱弁し有無を言わせない視線で「わ、わかりま……わかったよ」とアリアが折れて丁寧な口調を止めたのであった。

教会でのあれこれでした。

姉はブラコン(シスコン)ではないのです。少し過保護なだけです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 調合や採取、料理などの冒険活劇では省略されがちな部分でもきっちりしっかりと細かく描写してくださってありがたいです。おかげで臨場感があって読者としてでなく作中の人物として過ごしているような没…
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