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Free job online ~祝育士としての日常~  作者: 八神 憂
初めの街とシスターさん
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第11話 1日目 夜3

短いですがどうぞ

 教会の奥に入り調薬室に戻ろうとすると二つ前の扉からメディカではない別のシスターが出てきた。こちらを見てあら?と不思議そうな顔をしたためアリア自身から挨拶することにした。


「こんばんわ。初めまして今日からお世話になっている冒険者のアリアです」

「こちらこそ初めまして。レーゲと言います。あなたがヴォルケ神父のおっしゃってた手伝いに来た冒険者さんですか」

「はい。ところでお昼にはいなかったのですが・・・」

「あら?ヴォルケ神父から聞いていないのですか。私は普段町の外れにある孤児院の手伝いをしていますので、昼間は教会には居ないんです」

「そうだったんですか」

「はい。手が空いたら手伝って貰うことになると思いますが、その時はお願いします」

「わかりました」


 ではまたと言い神父のところに向かったレーゲを手を振りながら見送り再び調薬室に向けて足を進める。調薬室の前に着き扉をノックし、どうぞと言う声が返ってきたため扉を開く。部屋を片付け終わって一息ついたメディカが椅子に座っていた。


「お待たせしました」

「いらっしゃい。待っていたわよ」

「お部屋の片付けすごいですね。見習いたいですよ」

「あらあらお世辞が上手ね。実際は机の上のものをちょっとどかしただけなのだけれど。お茶をするには十分なスペースでしょう」

「はい。このくらいのスペースがあればできそうですね。早速お茶をとってきましょうか」

「私も行くわ。クッキーがあるからそれを頂きましょうか」

「いいですね。では行きましょう」


 厨房に向かったアリアとメディカはお客様用のティーセットとクッキーを拝借し再び調薬室に戻りお茶の準備をする。備え付けのコンロでお湯を沸かしティーポットに紅茶のパックを入れお湯を注ぎ、味が出たらパックを取り除きお湯を入れて暖めておいたカップに注ぎ完成である。クッキーをお皿に並べてお互い座ったら乾杯をする。


「頂きましょうか」

「そうですね」


 お互い紅茶の味とクッキーを楽しみながら雑談を始める。


「そういえば先程、レーゲさんと会ったのですけど」

「あら彼女と会ったのですか。どうでしたか」

「手が空いたら孤児院で手伝いをしてくださいと頼まれましたよ。孤児院には教会から何人くらい勤めているのですか?」

「教会からは彼女だけですね。住み込みで親の代わりをやってくださる方は3人くらいいらっしゃいますけど子供が多くて中々に大変ですよ」

「メディカさんも手伝いをしたことが?」

「ありますよ。お薬を届けて時間があったので手伝ったのですが、子供たちは元気一杯であれしてこれしてと引っ張られましたよ」

「子供が元気なのはいいことですよ」

「それもそうですね」


 口では大変だったと言いながらも笑顔を崩さないメディカを見て子供が好きなのだなと悟った。感情豊かな子供というのはそれだけで守ってあげたくなると言っていた。

 それから話は変わり今日の町の様子について語っていた。


「今日は冒険者の方がたくさんいらっしゃいましたから、町の賑わいがすごかったですよ。回復薬もたくさん売れるようになって届けた薬屋さんは大喜びでした。でも在庫が危ういから追加もどんどん欲しいとのことでした」

「明日も薬草を取りに行ったほうがいいですか?」

「そうしていただけると助かります。この売れ方だと教会の在庫でも1週間持つかどうかといったところですので。ギルドの方でも対策をとっているのですが効果が芳しくないようで」

「わかりました。お互いがんばりましょう」

「そうですね。では今後もよろしくお願いしますね」

「はい。お願いされました」

「次のお茶会はお裁縫の話でもしましょうか」

「そうですね。楽しみにしてますよ」


 紅茶を飲み終わり片付けをした後、おやすみなさいと言って部屋に戻りログアウトしたのだった。

 アリアとメディカのお茶会でした。あとアリアを外に連れ出す担当2のレーゲさんの登場です。特に山も谷も無い平らな平原をゆっくり歩く話でした。

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