日常詩集②
詩:金木犀の記念日
今日も噴火した
今日で何回目だ
火山灰が積もっていく
ぼくの心に積もっていく
どんよりとした気分だ
「私が土を盛ってあげる」
彼女は土を盛り始めた
ぼくの心に盛り始めた
スコップで盛っている
だから、ちょっとずつだ
しかし、月日が流れると、
土から緑が生まれた
そして、緑は広がった
「外の世界も悪くないね」
ぼくは自然の一部となった
自然界の仲間入りだ
何の花を咲かせようか?
そうだ、金木犀にしよう
君にピッタリだ
今日は、金木犀の記念日だ
詩:手紙
君からぼくへ届いた手紙
ポストにそっと入ってた
手紙に書かれた最初の一行
ぼくの心が開いた気がした
手紙に書かれた最後の一行
ぼくの目が潤んだ気がした
君からぼくへ届いた手紙
スマホにそっと保存した
詩:弁当箱
毛糸を編めば 梅おむすび
毛糸を編めば 卵焼き
毛糸を編めば タコさんウインナー
毛糸を編めば ハンバーグ
箱に詰めると 豪華絢爛
特別な誕生日
君が編んだ誕生日
食べてなくても味がする
君という味がする
オフィスにはもったいないから
リビングの棚に飾っとこう
今日はぼくが生まれた日
弁当箱を紡いだ日




