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日常詩集  作者: めん坊
1/2

日常詩集①

詩:お花畑

 

 土に種をまいた


 種に水をやった


 種から芽が出た


 芽はすぐに大きくなった


 蕾が膨らんだ


 花が咲いた


 ちょうど採り頃だ


 しかし、放っておいた


 「もっときれいな花になるだろう」


 花は枯れていった


 腐っていった


 ぼくの頭に、腐った花がたくさん並んだ


 「あの時採っておけば」


 だから、また種をまいた


 たくさんの種をまいた


 そして、水をやった


 「大きくなりますように」


 将来の夢はお花畑


 頭の中を一面、お花畑にすること


 今日も快晴だ



詩:ギタリスト


 イモムシは弦に触れた


 チャランッ


 イモムシは弦に触れた


 ジャランッ


 イモムシは弦を越えた


 ……


 ……


 イモムシは寂しくなった


 だって、空に音符が浮かんでいたから


 そして、音符が弾けたから


 まるで、シャボン玉のように


 だから、イモムシは弦に触れた


 チャランッ


 また、弦に触れた


 ジャランッ


 イモムシは休まない


 チャランッ


 イモムシは往復する


 ジャランッ


 孤高のギタリストだ



詩:たこ焼き


 ぼくと君は、違う部屋だね


 君と君も、違う部屋だね


 君と君も、違う部屋だね


 でも、生地を流し込んだら


 チーズを上に振りかけたら


 ウインナーを中に入れたら


 ぼくらの見た目は似ているよ


 仲間になった気がするよ


 一般的ではないけれど、


 ちょっと変わっているけれど、


 一人前のたこ焼きだよ


 さぁ、そろそろ完成だ


 皿に盛る時間だ


 君らと出会うのが楽しみさ


 外で出会うのが楽しみさ


 どんなたこ焼きか楽しみさ


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