日常詩集①
詩:お花畑
土に種をまいた
種に水をやった
種から芽が出た
芽はすぐに大きくなった
蕾が膨らんだ
花が咲いた
ちょうど採り頃だ
しかし、放っておいた
「もっときれいな花になるだろう」
花は枯れていった
腐っていった
ぼくの頭に、腐った花がたくさん並んだ
「あの時採っておけば」
だから、また種をまいた
たくさんの種をまいた
そして、水をやった
「大きくなりますように」
将来の夢はお花畑
頭の中を一面、お花畑にすること
今日も快晴だ
詩:ギタリスト
イモムシは弦に触れた
チャランッ
イモムシは弦に触れた
ジャランッ
イモムシは弦を越えた
……
……
イモムシは寂しくなった
だって、空に音符が浮かんでいたから
そして、音符が弾けたから
まるで、シャボン玉のように
だから、イモムシは弦に触れた
チャランッ
また、弦に触れた
ジャランッ
イモムシは休まない
チャランッ
イモムシは往復する
ジャランッ
孤高のギタリストだ
詩:たこ焼き
ぼくと君は、違う部屋だね
君と君も、違う部屋だね
君と君も、違う部屋だね
でも、生地を流し込んだら
チーズを上に振りかけたら
ウインナーを中に入れたら
ぼくらの見た目は似ているよ
仲間になった気がするよ
一般的ではないけれど、
ちょっと変わっているけれど、
一人前のたこ焼きだよ
さぁ、そろそろ完成だ
皿に盛る時間だ
君らと出会うのが楽しみさ
外で出会うのが楽しみさ
どんなたこ焼きか楽しみさ




