第7話 黒瀧稲荷社の京弥
小説・宵のハコブネに登場する妖怪たちと作者・朔蔵日ねこが酒を酌み交わす「ハコブネ噺」にようこそ。酒乱である朔蔵日ねこが、心を込めて酒と肴をチョイスして、妖怪たちをおもてなしいたします。
十一月十七日
【本日のお客様】 黒瀧稲荷社の京弥 様
【本日の酒】 スパークリングワイン
ハウスワイン(白・赤)
フレーバーティー
【本日の肴】 ハイティー
フィッシュアンドチップス
ミートソースのファルファッレ
本日は、黒瀧稲荷社の京弥さんと待ち合わせです。西洋文化のお好きな京弥さんと、アフタヌーンティーではなくハイティーを楽しみに参りましたよ。ハイティーだとアルコールもいただけますからね。夕方五時の早めのスタートです。京弥さんは新婚さんですし、あまり遅くならないようにしましょうね。
こちらのお店は、ねこも初めてお伺いしたんですが、「不思議の国のアリス」の世界観をモチーフにしたカフェですね。店内の雰囲気は抜群です。まずはスパークリングワインから始めましょう。
ねこ:京弥さん、本日はありがとうございます。
京弥:こちらこそ、お誘いいただき、ありがとうございます。なんだか異世界に迷い込んだようですね。
ねこ:ええ。京弥さんはエレガントなスーツ姿で、かっこいいですね。
京弥:光栄です。(にっこりと微笑む。)
顔が良い!
ねこ:では、スパークリングワインが来ましたので、早速いただきましょう。
京弥:いいですね。では。
ねこ・京弥:乾杯。
京弥:美味しいですね。
ねこ:さて、ティースタンドが来ましたよ。京弥さんは、アフタヌーンティーを召し上がったことは?
京弥:興味はありましたが、初めてです。なるほど。こういう感じなんですね。
ねこ:京弥さんのところは、ご自宅も洋館ですし、こういった雰囲気はお好きかと思いまして。
京弥:ええ。とても。これは家でもやってみたいですね。
ねこ:ですよねー。おうちでアフヌン、素敵です。こちらのお店では、セイボリーでフィッシュアンドチップスが出ますので、イギリスらしい感じですね。
京弥:アリスのモチーフは可愛らしくて、結も好きそうです。
ねこ:おお。そういえば、ご結婚おめでとうございます。
京弥:ありがとうございます。
ねこ:結さんにもハコブネ噺に来ていただいたことがありますが、可愛らしい方ですよね。お見合い結婚でしたが、いかがですか?
京弥:本当に素晴らしいご縁を繋いでいただいて、宝珠様には感謝しています。
ねこ:結さんとは仲良しですか?
京弥:それはもちろん。結は、私の趣味にも面白がってついてきてくれますので。
ねこ:なるほどー。(結さんとはご結婚前にパジャマパーティーをしたので、少し恋愛観とか結婚観についてお伺いしたんですけどね。ふふ。)
京弥:奥ゆかしいけれど、芯の強い嫁です。
ねこ:仲睦まじくて良かったです。さて、次は白ワインにしますかね。
京弥:そうですね。結からねこさんは蟒蛇だと伺っておりますので。
ねこ:いやいや。結さんもけっこう呑まれますよね?京弥さんはお酒は何がお好きですか?
京弥:ワインとお答えしたいところですが、まだ勉強中なもので。
ねこ:あら、そうですか。
京弥:私も稲荷の狐ですので、やはり日本酒はよく呑みます。
ねこ:日本人は日本酒ですよ。ねこは断然、日本酒派です。ワインも呑みますけど、そんなに得意ではありません。
京弥:ええ。ワインは深酒には向きませんね。
ねこ:分かりますー。
京弥:でも、私はあの雰囲気が好きなんです。
ねこ:お洒落ですもんね。せっかくのハイティーなので、ちょっと一回お茶も挟みますか。私はストロベリーティーにします。
京弥:そうですか。では、私はチェリーティーを。
ねこ:はい。京弥さんはチェスみたいな西洋の文化がお好きですよね。
京弥:はは。チェスは楽しいですよ。
ねこ:蒼さんとチェスしてましたもんね。
京弥:蒼さんはチェス、お強いですね。
ねこ:(蒼は京弥さんは大して強くないと言ってましたが。)そうですか。蒼さんと対戦してみて、どうでしたか?
京弥:蒼さんは、とても冷静で、本当に感情を出さない方ですね。
ねこ:そう。無表情すぎて、読めなさすぎて、困るんですよね。
京弥:でも、お好きなんでしょう?
ねこ:えっ?えっ?いや……あの……。
京弥:分かりますよ。蒼さん、作者から愛されてるなって。
ねこ:いやー。まぁ……そうではあるんですけど、蒼はなんというか、自分の投影というか、そういう意味で愛はありますけど……。(しどろもどろ。)
京弥:私も蒼さんのことは好きです。もうちょっと絡みたいですね。
ねこ:わ、分かりました。今後、考えます。
京弥:ねこさんは、でも、雄然さんが一番お好きですか。
ねこ:えっ??あー。あの……。えっ?
京弥:チェシャ猫の微笑ですもんね。そうですよね。(真っすぐな瞳。)
ねこ:す、好きですけど。……はい。好きです。
京弥:雄然さんは、あのミステリアスなところがいいですよね。憧れます。
ねこ:京弥さんでも憧れたりするんですか。
京弥:そりゃあ。私は洒落たものが好きなので。
ねこ:まぁ、蒼も雄然も、それぞれに洒落てはいますからね。
ミートソースのファルファッレが来ました。これは赤ワインが必要ですね。
ねこ:赤ワインはチョコレートにも合いますよね。
京弥:ねこさんは、甘党ですね。
ねこ:あれ、バレました?
京弥:お酒好きなのに甘党、いいですね。
ねこ:はい。スイーツとお酒は最高です!
京弥:結もそういうタイプなんですよね。
ねこ:そうですよねー。今度、結さんと三人で、ねこの行きつけの、チョコレートでお酒が呑めるバーに行きましょう。
京弥:それはいいですね。結も喜びます。このお店も、また結と来ようと思います。
ねこ:ご夫婦でデート、いいですね。是非。
京弥:ええ。可愛い嫁ですので。
ねこ:あぁー。いい。尊い。ごちそうさまです。
京弥:今日はちょっと寂しい思いをさせましたので、お土産を買って帰ろうと思います。
ねこ:そうしてください。今日はねこも仕事で夜勤明けなので、酔っ払うのも早いですよ。
京弥:おや、そうでしたか。では、そろそろお開きにしますか。
ねこ:はい、とても楽しかったです。ねこは明日お休みなので、帰ってそのまま気持ちよく眠れそうです。
京弥:それは良かった。では、また是非よろしくお願いします。
ねこ:はい。こちらこそ。結さんにもよろしくお伝えください。
今日はお洒落で素敵な夜でした。京弥さんは本当にお綺麗な殿方で、眩しいくらいでした。ねこが若干えぐられた感じもありましたけどね。ねこは昨夜、2時間半くらいしか寝ていないので、ワイン三杯でもう眠たいです。そろそろ帰りましょうね。
次回も素敵なゲストをお迎えして、「ハコブネ噺」をお届けしたいと思います。寒くなってきましたので、風邪などひかれませぬよう、皆様もご自愛くださいませ。
※カクヨムでも同じ作品を掲載しています。




