表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハコブネ噺  作者: 朔蔵日ねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/7

第4話 館林のいちか

 小説・宵のハコブネに登場する妖怪たちと作者・朔蔵日ねこが酒を酌み交わす「ハコブネ噺」にようこそ。酒乱である朔蔵日ねこが、心を込めて酒と肴をチョイスして、妖怪たちをおもてなしいたします。


八月十五日

【本日のお客様】 館林のいちか 様

【本日の酒】 ランブルスコ ロッソ ドルチェ (カーサ・ベッラルベロ)

【本日の肴】 ラム肉オーブン焼き マカロン(ジャン・ポール・エヴァン)


 本日のお客様は、館林のいちか狸です。当代一の化け狸かつインフルエンサーでいらっしゃいます。素敵なゴシックロリータファッションでお越しいただいておりますよ。お洒落ないちかさんと女子会ですので、お酒はねこお勧めのランブルスコです。甘口ですけどね。肴はラム肉のオーブン焼き、ホワイトアスパラとホタテのマヨネーズ焼きです。そして、デザートにジャン・ポール・エヴァンのマカロンをご用意しております。お招きするお部屋はちっともゴシックでもロリータでもないですけれども、お食事をお洒落にしたのでお許しくださいね。


いちか:お招きいただきありがとうございますー!

ねこ:ようこそいらっしゃいました!素敵なドレスですね。

いちか:どうもー。ねこさんも、ゴスロリ着てみたら?

ねこ:憧れます。やってみたいんですけど、機会がなくて。着物の洋装ミックスとかはするんですけどね。

いちか:似合うと思うよ!うちのサロンに来てくれれば。

ねこ:あ、嬉しいです。今度ぜひお伺いします。

いちか:うん!あー。いいにおいする。お腹すいちゃった。

ねこ:すぐにお食事ご用意しますね。ラム肉はもうオーブンから出すだけです。付け合わせのブロッコリーと盛り合わせて……。はい、どうぞ。

いちか:わぁ、でっかい。美味しそう。

ねこ:そして、こちらが本日のお酒、ランブルスコです。

いちか:ランブルスコって、赤ワイン?

ねこ:赤ワインですが、微発泡なんです。ねこはこれ、とても好きで。

いちか:そうなんだー。早く呑も呑も。あ、待って、写真撮ってもいい?


 さすがはインフルエンサー。いちかさんが写真を撮り終わるのを待って、ポン、とコルク栓を空けます。グラスに注ぐと、シュワシュワと泡立ちますね。注ぐ間もいちかさんは動画撮影しています。


いちか:ほんとだー。シャンパンみたい。

ねこ:それでは。

いちか・ねこ:かんぱーい。

いちか:わぁ、美味しい。甘いけど、いちかは全然平気。

ねこ:おや、気が合いますね。

いちか:ふふ。お肉もいただいていいですかー?

ねこ:もちろんです。

いちか:まず写真撮って……と。じゃ、いただきます。うわぁ。柔らかい。

ねこ:良かったです。狸はお肉、食べるんですか?

いちか:雑食だからね。普通の狸も、食べないことはないよ。いちかは化け狸だから、何でも食べる。美味しいもの、大好き。

ねこ:普段、お酒は何を呑まれるんですか。

いちか:いちかはね、ワインも好き。でも、ほら、狸は徳利持ってるじゃない?家柄的には日本酒だから、いちかはどっちも嗜むよ。

ねこ:そうですか。では、次回は日本酒にしましょうか。

いちか:いいね。お洒落日本酒女子会しよ。

ねこ:それは楽しみです。いちかさん、家柄と言えば、いちかさんはかなりのエリート化け狸ですよね。

いちか:まぁ、おじいちゃん、有名だからね。

ねこ:守鶴しゅかく様はご存命ですか?

いちか:んー。それは、オフレコかな。

ねこ:失礼いたしました。守鶴様は茂林寺の僧侶をされていた時に、すでに数千年生きていると言われていましたものね。母方のおじいさまは……。

いちか:芝右衛門しばえもんじいちゃん?お芝居の好きなおじいちゃんだったって。いちかは会ったことないけど。

ねこ:ああ……。大阪の芝居小屋で……って話ですね。しかし、どちらもとても有名な化け狸ですね。

いちか:そうなの。だから、いちかが当代一の化け狸なのは当然だよね。

ねこ:なるほど。最近は、インフルエンサーとして成功されてますし、そちらのお姿が多いと思うんですが、他にも化けられるんですか?

いちか:化けられるよ。見てみる?


にやりと笑ういちかさん。


ねこ:(ちょっと怖い。)いえ、結構です。

いちか:妖力が弱くなると同性にしか化けられなくなるけど、いちかはイケメンにも化けられるんだよ。

ねこ:やっぱり見た目重視ですか。

いちか:えー?そういうわけじゃないけど。狐は美人に化けるけど、狸はエンターテイナーだから。いちかはビジュが盛れる系のエンターテイナーってだけ。

ねこ:はぁぁ。なるほど。エンターテイナーですか。

いちか:そうだよ。だからインフルエンサーとして成功したんだよ。

ねこ:さすがです。いちかさん、そろそろデザートいきますか?

いちか:あっ、そうだった。マカロンね。

ねこ:はい。マカロン、お好きかと思って。

いちか:うん。うちのサロンにはラデュレのマカロンを常備してるよ。

ねこ:ラデュレは元祖ですもんね。ねこはチョコレートが好きなので、今日はジャン・ポール・エヴァンのマカロンにしました。

いちか:ジャン・ポール・エヴァンかー。マカロンは食べたことないな。

ねこ:アメール、フランボワーズ、ピスターシュ、ヴァニーユの4種類にしました。お好きなのをどうぞ。

いちか:んー、迷うー。やっぱり一番色の綺麗なフランボワーズかな。

ねこ:ねこは、アメールにしますね。

いちか:マカロンはランブルスコとも合いそう。

ねこ:でしょ、でしょ。

いちか:あ、これ、コンフィチュールじゃなくてチョコレートなんだ。美味しい。

ねこ:あああ。チョコレートのお店だけあって、やっぱりチョコレートのマカロンは美味しいです。

いちか:ふぅん。たまにはラデュレじゃないマカロン、サロンでも買おうかな。

ねこ:いいと思います。みんな喜びますよ。残りのマカロンはお土産にどうぞ。

いちか:えっ、いいの?嬉しい。

ねこ:いちかさんは館林がご自宅ですか?

いちか:館林はご実家ねー。ご自宅っていうか、サロンに泊まることが多いかな。

ねこ:ああ。サロンは近いんでしたっけ?

いちか:うん。近いよ。ねこさんも、いいとこに住んでるよね。

ねこ:いやいや、それほどでも。いちかさん、お時間は大丈夫ですか?

いちか:大丈夫、大丈夫。電車なかったら、タクシーで帰るから。

ねこ:そうですか。それなら、ごゆっくりしていってください。

いちか:うん。もう少し呑みたいな。

ねこ:もちろんです。


 コミュニケーション能力の高いいちかさんとのお酒は本当に楽しいです。まだまだ引き出しがいっぱいありそうなので、インフルエンサーとしての活動についても色々聞いてみたいと思います。長くなりそうなので、ハコブネ噺はこの辺で。

 次回も素敵なゲストをお迎えして、「ハコブネ噺」をお届けしたいと思います。ジャン・ポール・エヴァンのマカロンはお勧めです。ぜひ皆様も一度ご賞味ください。では、またお会いしましょう。

※カクヨムでも同じ作品を掲載しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ