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規格外の魔法少女は『遊び』と称して魔獣討伐行ってます!?  作者: 初 未来
宝探しへGO!

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第71話 これあげます!

 レイエスは、夕焼けに染まる空を見上げながら、三人の子供たちに語りかけた。


「無事に帰ってこられたね。今日は本当に、楽しい探検だった。」


 その言葉に、三人は満面の笑みを浮かべた。しかし、レイエスは少し困った顔で続けた。


「ここからは申し訳ないが、私はリリアナの馬車に乗ることにするよ。」


 リリアナは、その言葉を聞いて、目を輝かせた。


「レイちゃん!本当に?一緒に乗ってくれるの?嬉しい!ほら!やっぱり私の方がいいのよね!」


 そう言って、リリアナはアリシアを睨みつけながら、得意げにまくし立てた。


「銀よりブロンドよ!これに懲りてレイちゃんに色目使って迫るのやめなさいよね!はしたない薄汚れた田舎狐なんてレイちゃんは絶対相手にしないんだから!」


 アリシアは、その剣幕に怯え、ギルの後ろに隠れた。キスティーは、その様子を見て楽しそうに笑い、ギルも呆れたように笑っていた。


 レイエスは、そんなリリアナを制し、優しく子供たちに言った。


「そうそう、ダイヤモンドなんだが、これは君たちのものだよ。宝探しで見つけたんだからね。これでコレットのみんなにたくさんお土産を買って帰るといい。」


 レイエスは、そう言ってマジックボックスに残っていたダイヤモンドも、アリシアから渡された小さな袋にそっと入れた。


 キスティーは、元気よくお辞儀をして答えた。


「いいの?ありがとうございます!」


 ギルも、満面の笑みで感謝を述べた。


「ありがとです!」


 アリシアは、感極まったように瞳潤ませ、震える声で言った。


「レイエス殿下、本当に…本当にありがとうございます。」


 しかし、その声は、すぐにリリアナの怒声にかき消された。


「レイちゃんに気安く声かけないの!また色目使ってる!」


 アリシアは、その言葉に再び体を小さくした。


「もうどうしたらいいの…」


 対処法がわからず、途方に暮れた。


 リリアナは、ダイヤモンドが自分のものではないことに、少し残念がった。


「ダイヤモンド私も欲しかったのに…」


 その言葉を聞いたアリシアは、あることを思いついた。勇気を振り絞って、リリアナに話しかける。


「あの…リリアナ様、ダイヤモンド…これあげます!」


 そう言って、アリシアは袋から取り出した、丸くて大きなキラキラと輝くダイヤモンドを差し出した。リリアナは、アリシアのいきなりの行動に驚いたが、そのダイヤモンドの美しさに目を奪われた。


「な、なによ…そんなことしたってダメなんだから!レイちゃんは私のものよ!」


 リリアナは、そう言いながらも、うっとりとした表情で、光り輝く丸いダイヤモンドを受け取った。彼女は、それを手に持ち、様々な角度から見つめ、その輝きに酔いしれていた。


 しかし、ふと裏返した時、その輝きの正体を見た。それは、アリシアが作ったダイヤモンドの「球」、すなわち、骸骨の頭だったのだ。


 骸骨と目が合った瞬間、リリアナの顔から血の気が引いた。


「きやあああああああ!!!!」


 夕焼けの空に響き渡る悲鳴とともに、リリアナは再び意識を失い、レイエスの腕の中に倒れ込んだ。


 アリシアは、その光景を横目で見て、してやったりな顔をした。


「あら〜?どうしたのかしら〜?お疲れだったみたいね!おやすみなさーい!」


 わざとらしくそう言って、後ろを向いて小さくガッツポーズをするアリシアを見て、キスティーは小声で呟いた。


「やっぱりアリシア怖いね……」


 ギルも、呆れたように笑いながら続けた。


「ああ…おっかねぇな……」


 アリシアは、そんな二人の言葉に、胸を張って言った。


「正義は勝つ!」


 騎士団長は、その一連の出来事を見て、頭を抱えた。


「この子は魔法なしでも危険なのか…」


 彼の心は、もはやこの子たちの取り扱いが全く分からなくなっていた。


 レイエスは、意識を失ったリリアナを抱え直し、深いため息をついた。


「では帰ろうか。」


 その言葉に、三人は元気よく返事をした。


「「「はーい!」」」


 レイエスはリリアナを抱え、リリアナの馬車へと向かった。子供たちは、騎士団長の先導で、自分たちの馬車へと向かう。


「では出発!」


 騎士団長が声を上げると、馬車はゆっくりと動き出した。


 帰りの馬車は、行きとは打って変わって静かだった。遊び疲れた三人は、心地よい馬車の揺れに、それぞれが眠りに落ちていた。


 ギルは座席に横になり、小さな寝息を立てていびきをかいている。キスティーは、アリシアの膝を枕に、安心しきった顔で眠っていた。アリシアは、そんなキスティーの頭を優しく撫でながら、うとうとと眠りに落ちていく。


 馬車の外で並走する騎士団長は、遠い空の星を見つめていた。


 無事に帰還できたことに安堵するも、この一日で何度死を覚悟したかと思うと、とめどなく涙が溢れてきた。彼は、この日のことを一生忘れることはないだろう。そして、心の中で何度も自分を褒めた。


「よく頑張った…」


 長い一日が終わりを告げた。

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