靴磨き
どうしても始まり方が気に食わなかったので始めから書こうと思いました。
ちょっと鷹木も書きたくなったので改稿。
ある日、桐崎隼人は障碍者を百万人連れて東大に臨もうとする計画を立てた。
それには桐崎の他にも参加した生徒が多く、それらはまた秘密裏に行われた。
初めに彼は京大を中退して上京してきた坂上という男に相談をかけて、ゆっくりと話し合いは塾の開業へ繋がっていった。
桐崎の考えは、簡単に言うと障碍者を東大に進学できるほど知能を上げれば番狂せも夢じゃないというものである。だが、それは簡単な話ではない。坂上でさえ塾を開業してそういった人たちがきてもかなり難しい話になると言った。そこで桐崎隼人は児童心理学、発達心理学、障害について書かれた文献を読み漁る事にした。彼はまだ、必ず糸口があるはずだという希望的観測に沈んでいたのである。
また彼は塾に障碍者が来てもらえるようにパンフレットを無差別に配った。飛行機からばら撒いたし、大学生にはボランティアでやってもらった。
友人にも頼った。
そこには秋人も含まれていた。
早朝から秋人はブルーシート街に行き、ブルシート図書館の保管されてある新聞紙集を適当に出して一日一杯無料のココアを飲みながら読み始めていた。
『青森県、人口が0となり鬱病による自殺が0になる快挙を達成。万年笑顔の牧首相は「人口が減ると侵略されるからやめてくれ」と苦言。滑り止め番号を青森県に配布する事が急遽決定するも「もう遅い」と総ツッコミ。年収四千万円を超える議員たちがいる国会では幸せな笑い声で包まれて閉会した』
『琉球民族の躍進!「沖縄は俺達のだ!」敗戦の日本軍は洞窟で集団自決、第二次世界大戦以来二回目。牧首相は「犬死だよ。まったく無意味だ」と発言。野党からは「英霊となった大和民族を侮辱している」との非難が。それに対して牧首相は「腹に爆弾を巻いて突撃する事も考えられたはずだ。カミカゼ!とか万歳!とか言いながら。それができなくてただ自殺、なんの足しにもなりませんよ」と笑いながら発言。この発言を受けた野党と与党からは牧首相に対して批判が続出』
『アイヌ民族、遂に北海道を征服。緊急特集、アイヌ学者で著名なあの人は差別主義者?!』
『独立した四国と同じく九州、日本列島に宣戦布告寸前。日本国平和協定がまさかの決裂。軽度知的障害の疑いがある牧首相がやってみせた失言と無礼の群「昨日は大阪の人と殴り合いに発展しちゃいました。ボクサーになりたいって初めて思った」と痛々しい目の腫れを恥じることもなく公の場に現れると笑顔で対応していた』
『どうして日本だけ? 汚職事件が他の国と比べて皆無な訳と日本の政治家が世界で最も一流な理由。
他、ある議員の自殺について取材していた記者がまたもや自殺。今度は走りながら背中を撃って…監視カメラの写真有り』
『日本独自の方法よりも、海外の上澄みだけを見て称賛する、日本遅れてる病が増えている。ある足組み専門家によると「近親婚による知能低下が原因。また同性愛者にこの傾向があるかもしれない」と発言。これに同性愛の団体が抗議した。「同性愛者は子供が作れない。同性愛者の両親は異性愛者であったがその世代ではまだ近親婚問題が出ていなかった」と説明』…
『一度降りたら底まで浸かるエレベーターで有名な観光地である火山にて子供が死亡する事故。スズ・リコさん五歳がマグマの中に浸ってしまうと言う事故が起きた。これに対してフランスの大統領は「もっとバリアフリーにするべきだった。スズ・リコさんの家族には心のケアが必要だ」なお一緒にいたスズ・リコさんの家族は他の観光客および連絡が取れていない大和系日本人の2名が火山の中で行方不明または死亡しており、ボランティアや捜索隊が次々と火山口へ勇敢に降りていった。
他、一流フランスの有名火山にて行方不明者が増え続ける訳と三流日本が遅れを取ってる理由』
『今日の中国語、英語講座は…』
「エイズ保有者達がいる温泉に肩まで入ったら1000万…、10分以上入ること、感染しても責任は取りません…マジかよ、いいな…1000万あればちょっとは豪勢できそうだな」
「おい!」と酒くさい浮浪者が絡んでくる。「1000万があったら橋を完成させろ!」浮浪者は倒れた。浮浪者は口を大きく開けて笑い声を上げた。
「あぁ、もうこんな時間。これ借りてくわ」
秋人は港区に行こうとしていた。
従兄弟の鷹木と会うのだ。
「スマホさえ修理できればこんな事しなくても済むのに。なんで二千万円なんだ?」
「…何じゃ?」
「お兄さん!」と少年が声をかける。
「あ?」
「誰かと会うなら、靴磨きをしていきませんか? 都会では綺麗な靴が常識となってるそうですよ!」
「そうなの?」
「はい!」
秋人は靴を脱いで靴磨きの少年に投げて渡した。
「帰ってくるまでに綺麗にしとけよー!」
彼は走って行った。
「は、裸足で行っちゃうんだ…」