6.私はその銘入りはどうかと思います!
「あの盾の方、ひろしっていうんですね」
「いえ、ファミリーネームで呼んで欲しいらしくって、ラインハルトさん、ってみなさんは呼んでます」
「わざわざ長い方で? ひろしの方が呼びやすいじゃないですか」
「そうですけどね」
コーヒークッキーの納品所には毎日、朝から晩まで大勢の英雄達が行列を作ってクッキーの納品にやってきます。
私は武器のことだとか防具の事も、詳しくは何も知らないんですが、英雄が着ている服や装備品は割と個性的なデザインの物が多いので、すぐ覚えます。
店の前で大声で喋る人も結構いますから、英雄達の間で今話題になってることなんかも、聞きたくなくても耳に自然と入ってきます。
ああ、これ最近製造方法が見つかった新作なんだな…… とか。
誰も倒せない、って言われてた伝説の神がついに英雄に倒されて、ついに服の生地になってしまったのね…… とか。
英雄の中の移り変わっていくトレンドがわかるんです。
リューさんの武器は初めて見る武器でした。きっと、本当に珍しい武器なんだと思います。
でも、リューさんの鎧はよく見たデザインです。それも割と昔に。最近は着てる人もほとんど見ませんが……
「その鎧って強いんですか?」
「いえ、もう四世代くらい前の鎧ですから強くはないですね」
「生き残るには装備を整えないと厳しいんじゃないですか? 英雄って、武器とか装備の話ばっかりじゃないですか?」
「でも、これはせっかく作ってくださったものですから…… もし私がこれを着てなかったら、彼がっかりするのではないでしょうか……」
リューさん、あなた色々なものを背負い込みすぎじゃありませんか……?
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