69.エピローグ
サンドアの街から森の都グリンデへ向かう街道は『休日街道』と呼ばれています。
それは、『休みの日にゆっくり旅するのにおすすめの街道』と言う理由でその名前が付けられたとも。
また、『通る人が誰も居なくて、いつも休日のように空いている』という理由で呼ばれるようになった、とも言われています。
サンドアから出たところ。休日街道の入り口で、人を待っていました。
隣には鎧を脱いだリューさんがいます。今日は戦わないので鎧を脱いで、普段着の彼女。
Aラインのベージュ色のワンピースにブラウンのニットという出立ち。とってもかわいい!
昨日、わたしはリューさんと一緒に車を買いました。ちっちゃいトラックです。白と緑のツートンカラーの小型トラック。
リューさんには散々止められたのですが、エルからお金を渡されて、そのお金でこのトラックを買っちゃいました。
だって、これからこの世界中をあちこち廻って、わたしは世界一のお店を開くんですから。それが約束です。
遠くから待っていたアイツが歩いてきました。
予想通り、朝早く出発したようです。時間に厳しいんです。
「おーい! 遅いじゃない、早く乗りなさいよっ‼︎」
わたしが声をかけると、何でこんなとこにいるんですか…… という顔をしています。
「グリンデまでは遠いんだから、これで行きましょ。昨日買ったのよ。かわいいでしょ?」
やれやれ、という顔をしながらも、結局は観念したのか、荷台の方に乗り込んで、早く出せと言わんばかりに運転席の方をばんばん、と叩きます。
わたしはゆっくりアクセルを踏みました。
海の街を離れて、わたし達は次の街へ向かいます。
グリンデへ向かう道はずっと一本道。
対向車もいなければ、後ろからついてくる車も、街道を歩く旅人の姿すらありません。
わたし達はまっすぐ、目的地を目指して走ります。
窓の外を見ながら、助手席のリューさんは鼻歌を歌っていました。それに合わせて、わたしも歌います。
ふたり顔を見合わせて、笑いながら。
今日も、とてもいい天気です。
──きっと、明日も。
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