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プロローグ:第一部 クッキー屋さんと2,000万人の英雄達


 この世界を救うため、異世界より召喚されし、類稀なる力と叡智を持つ者──英雄。


 凶悪なモンスターに挑み、誰もが畏れて足を踏み入れようとともしなかった未開の秘境へ、その命を顧みず勇敢に挑み、新たな秘宝や魔術書、貴重な鉱石を持ち帰る。


 強靭な肉体と精神を持ちながら、厨房に入れば、繊細な味覚とセンスで食材の持つ個性と特徴を生かした至高の一皿を作り上げ、それを食した全ての者の舌を唸らせ虜にする。


 また、その手に道具を持たせれば、高い見識で良木を見極め、それを自ら切り倒して製材し、たったひとりで家を建ててしまうほどの卓越した技術と知識を持つのである。


 英雄とは──その戦闘技術はもちろん、あらゆる生活技能までも匠の域にまで達した、まさに神のごとき者達である。



 もはやこの世界は、英雄の力無くしては成り立たぬ。



 神は日々寝る間を惜しみ、己の家庭を顧みず召喚を繰り返し、なんとこの世界の英雄は、その数二千万人を超えた。


 来たれ、英雄! この世界は君達を求めている!



 ◆◆◆


  神様…… ご存知だとは思いますが、英雄達は節操がなくて強欲です。


 強さを求め、目に止まるものことごとくを蹂躙し、息たえたモンスターをその魔力で再び甦らせ、繰り返し屈服させる。ひたすら貪欲に、自らの技に磨きをかける英雄。


 金に対する執着もあり得ないくらい強くて、儲け話を何処からか聞きつけると、イナゴの様に群れをなしてやってきては食い散らかし、そして食い尽くすと、羽を広げてまた新たな獲物を求めて飛び去ってゆく──それが英雄です。



 わたしの人生は、そんな英雄達のせいで、もう…… めちゃくちゃです……


 やっと憧れのお店で働ける! と思ったら…… あっという間にお店を潰されてしまうから。



 わたしの目の前に広がるこの光景……


 前と一緒なんです。


 

 店が潰される直前に見たあの光景と全く同じ……


 わたしの目の前に群がり、行列を作る英雄達。



 やっと見つけた新しい職場は、光の都クリスタにある人気のショップ、クッキー工房と言います。その店の名前を知らない人ははいないというほど、超有名でオシャレなスイーツのお店です。


 だけど、わたしが仕事するようになって間もなく、別の理由で人が集まり始めました。【ウマい金策】ができる、と英雄達の間で噂が広がって、連日英雄達が押しかけるようになったのです。



 わたしは知っています。この祭りのような狂乱の後に何が待っているのかを……



 神様に【修正】されて、二度とお金儲けに使えない【修正された】店になってしまうんです。金策に使えない店なんて、英雄達にとって存在価値はありません。世界から消えたも同然です。

 

 

 わたしは目の前に群がる英雄を、毎日睨みつけながらお仕事しています。


 「もう二度と来るなよ?」と場合によっては直接言ったりもします。


 それでも英雄達はイナゴのように群がって来るんです……



 わたしはお店の店員さんに、小さな頃からずっと憧れてきたんです。


 このお店でずっと働かせてください。



 神様…… お願いします……




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