アマーダン公爵
2020年1月1日。
グッディ子爵にとって、念願の日となった。
もともとは1790年、当時の特許状により公爵位が与えられるはずであった。
しかし、表沙汰にならない理由により、それが保留とされた。
これ以後、時折グッディ子爵はこの特許状の有効性を問うための審判の請求をしてきたが、この保留は時の国王によりなされていたため、その審判は権限外とされた。
結果、保留の状況が200年以上にわたって続くこととなる。
それも、2018年に終わる。
この年、第33代グッディ子爵が通例となっている保留の解除の請求を女王にした際、女王はこれを許可した。
2020年1月1日付で現に生存しているグッディ子爵は、アマーダン公爵として新たに設立される連合王国貴族に列されるものとされたのだ。
さらに、『1790年に作成され、2020年1月1日に有効となるグッディ子爵に対する特許状』により、初代アマーダン公爵、初代チェリー侯爵、初代グッディ伯爵、初代ポッシュ伯爵、初代ポッシュ子爵、初代ダンディー州のアマーダンのミーチャン男爵の爵位がそれぞれ授けられることが決定した。
これらはすべて連合王国貴族とされる。
また、同時に、第33代グッディ子爵が有している爵位である、スコットランド貴族である第33代グッディ子爵、同じくロードシップ・オブ・パーラメント、グレートブリテン貴族である第15代アマーダン州のアマーダンのアマーダン男爵の爵位も同時に保有する。
ちなみに、アマーダン公爵の法定推定相続人の儀礼称号はチェリー侯爵となり、その法定推定相続人はポッシュ伯爵を称することとなった。
アマーダン公爵は世襲公爵としては最も最後に作られた爵位となるため、序列としては公爵位の末席となる。
だが、グッディ子爵の国王あるいは女王に対する殿部隊という立場から、必要な序列を維持するものとされた。