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賭博は、やめようね!

投稿しちゃいました(


今回も短いです。

 部屋を掃除をする少年は、箒を片手に、入ってきた日差しの眩しさに思わず眼を閉じる。


 空気の入れ替えの為、カーテンと窓は開けている為、太陽の日差しが部屋に侵入していた。


「まっぶ。つか、何で僕は……」


 思わず漏れる言葉。エミルは、つい言ってしまった宿屋のお仕事の件に少しながら後悔していた。


「強くならないと行けないのになぁ。これじゃ、出て行かなければ良かったかなぁ」


 はぁ、とため息を吐く。


(せめて、修行とかさせてくれたら……ん? 修行)


 そこで、エミルは一瞬だけ固まると、また作業に戻った。


(そーいや、まだ頼み込んでも無いよなぁ。これ終わったら頼もう)





 同時刻、部屋を掃除する少女は、着々と部屋の中を綺麗にして回っている。


 透き通る風、揺れる銀色に輝く髪、太陽の日差しが合い重なって一つの幻想がそこで形作られていた。


「……」


 しかし、その場面とは裏腹にツクモの表情に変化は無かった。エミルのように感情が出ておらず、無表情のまま掃除をしている。


「クロ……」


 二つの音が少女の口から漏れる。すると、表情からは読み取れないが、その声色からは、悲しみや後悔、そういう後ろめたさが際立っていた。


 その背中は、入ってくる日差しのような暖かさとは、間逆で暗く冷たく、触れた瞬間に壊れてしまいそうな雰囲気をかもし出していた。


(今、動いては駄目、と……)


 震える肩、箒を握る強さが増していく。いつの間にか、ツクモの両眼からは涙がまた流れだした。


「泣いてばっか……」


 自虐しては、両手で涙を拭った。


 物語で聞く、ヒーローなんてご都合主義なんていない。運命(現実)は、そう生易しくなんか無いんだから。


 だけど、その運命(現実)を破った人達がいた。残念ながら、ヒーローではなく、宿屋の人だったけれど。


 だから、宿屋の従業員になるんだ。あの人たちといれば、運命(現実)は大きく変わるかもしれない。そう、ツクモは確信似た何かに、祈りを込めていた。



(どうか、クロが無事にいますように)





「なるほど。そんなことになってるのか」


「お陰で、こっちは財布が潤うぜ」


 とある雀荘の中にて、とある男たち4人は麻雀を打ち込んでいた。


「そりゃあ良いな。なぁ物は相談だが、そのお金、貸してくれないか?」


 赤髪が特徴的な男はそれを言いながら、ツモった牌をそのまま場に出した。


「お前に貸しても、賭け事に消えてくじゃねえか」


 タバコを吹かしながら、答える対面者。


「おいおい、すげえいわれようだな。何時もかえしてるじゃねえか」


「宿屋の店主がだけどな」


 赤髪の男の言葉に突っ込みを入れる右となりの人。


「それより、お前さん。こんなところで遊んで大丈夫なのか? その店主さんから何か頼まれてたんじゃねえのか?」


「ああ、それに関しては大丈夫だ。問題無い」


「仕事はできるからなぁ、何でそれを有効活用しないのかは謎だけど」


「あ、んなの。仕事したくねえからに決まってるじゃん」


「あ、それロン」


 3人が話をしていると、今まで黙っていた4人目の男の人が静かにそう口にした。


「おま!」


「跳ね満直撃かぁーご愁傷様」


「んんんんんんんんんんんんんんん!!」


 赤髪の男は、発狂していた。


「おしゃべりが過ぎるんだな。喋ってるから見落とすんだぜ」


「……」


「旦那、もう一戦やるかい?」


「いや、止めておくわ」


「お、旦那にしては珍しいな。負けっぱなしでええのか」


「跳ね満直撃を食らった後だからな。今日はもうやめておくわ。それに欲しい情報手に入れたしな」


 赤髪の男はしぶしぶ、財布からお金を取り出すと、雀卓の上に置いた。


「そんなに勇者パーティーの情報が欲しかったのか。おめえさんも何か儲け話でもあるんか?」


「いや、そう言うのじゃねえけどな。おっと、姉御から依頼受けてたんだ。じゃあな」


 そう言ってからすぐに、出ていく赤髪の男性。



「本当、都合の良い奴だな」


 後に残る。男性たちはうんうんと頷いていた。

次回、ちょっとシリアス()?

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