表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/58

だからといっていつでも使えるわけではない

「……そんな魔法があったなんて……」

言葉に驚きが含まれてるな。まあこっちの世界の魔法の概念とは異なるだろうし、仕方ないと言えば仕方ないが。

「ただ、『全く同じ出力』でないといけない所が、この魔法の難しさだ」

魔法を解除し、今度は青い玉と緑の玉を1つずつ出す。

「それを含めたこの魔法の欠点だが、出力のコントロールが非常に難しい。ちょっとでも出力が異なると累乗魔法にはならず、ただの乗法魔法になる。そうなると魔力を余計に消費することになるし、威力も累乗魔法に比べてかなり落ちる」

そう言いながら2つの玉を混ぜる。直前に出したものよりも形は歪で感じられる出力も、掛け合わせた数を踏まえた上でも、かなり小さい。

「これが通常の乗法魔法。ユウイが撃った魔法よりも弱々しいのが、これだけでもわかるだろ?」

言葉を出さず、軽く頷くことで返事をしている。身長の低さもあり、なんだか小動物に見えるが、言えば話が拗れるだけだろうな。

「ちなみに、さっきやったのは、同じ出力の魔法を4回掛け合わせた四乗魔法だが、これが出来るのは俺の世界では数える程しかいなかった。それにもう1度掛け合わせる『五乗魔法』は、世界では俺1人しか出来ない、と言われてる」

長々と説明をするが、ユウイは嫌な顔ひとつせずに真剣に聞いている。そうだとは思ってはいたが、かなり勤勉な性格みたいだな。

「……私でも、出来るかな……?」

なるほど。そうきたか。だが、

「ハッキリ言うと無理だな。単発の出力が高いと、それだけコントロールが難しくなる。俺の世界だと、二乗魔法が使えるだけで優秀だと言われるくらいだからな」

表情に変化はないが、明らかに残念がっている。中々わかりやすいやつだ。

「俺も五乗魔法が使えるからといって、戦いながらポンポンと出せるわけじゃない。しっかり地に足をつけて、十分な心と時間の余裕がなければ成功しないからな」

出力のコントロールは、それほどまでに難しいんだ、と付け加える。

「……で、確かめた結果、俺は合格なのか?ユウイ=アイスアーデル」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ