表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

「逃げ」これは何も生まない。

 僕の名前は秋月あきつき さくら。高校一年生だ。高校に入学してからはや3ヶ月、僕の周りに友達と呼べる人はいない。いわゆるぼっちである。昔から暗い性格のためか、人があまりよってこなかった。その結果、友達が出来たことはない。しかし、友達が欲しくない訳では無い。むしろ、欲しいのである。だが、話しかける勇気はない。そうして、話しかけるきっかけを探しているうちに、観察眼だけが鍛えられ、ただただ時間が過ぎていったのである。こんな毎日を繰り返していると、生きている意味なんてあるのかと、本気で思うことがある。いくら考えたところで、生きることに意味なんて見出すことは出来ない。それどころか、死んでしまえば楽なのではないかとも思えてくる。こんなことを中学時代から考えていた僕は自殺を決意した。睡眠薬自殺である。眠るように楽に死ねたらいいのに...。そんな風に思いながら、僕は大量の睡眠薬を飲んだ。




 ――――――――――――――――――――――――――――――――――





 目が覚めると辺り一面白いところにいた。いや、正確には目の前に1人の幼女がいる以外は辺り一面の白だ。その幼女は銀色の髪をした、10歳くらいの可愛らしい女の子である。しかし、ここで疑問に思う。この女の子は誰なのか。いや、それ以前にここはどこであるのか。少なくとも、僕が睡眠薬を飲んだ自分の部屋ではない。もしそうであったとしたならば、余計にこの女の子の説明がつかなくなる。と、考えを巡らせていると女の子が口を開いた。


 私は神である。そして、お前は死んだ。


 僕は耳を疑った。耳だけでなく目も疑った。確かに、神という存在がいるという保証はない。つまり、神の容姿については確かなものなどないのである。だが、神と聞いて可愛らしい女の子の姿を思い浮かべるのは一部のロリコンのオタク共であろう。あいにくだが、僕はその部類には属さない。神と聞いたら、白髪の老人を想像する。銀髪と白髪には近いものがあるが、性別が真逆である。


 お前は実に愚かなことをした。


 これは、自殺の事を言っているのか?自称神にまで、知られているのだろうか?あくまで神であるという確証はないのでここはとぼけるべきであろう。


 とぼけても無駄だ。私は神だと言ったであろう。すべてお見通しだ。お前が私を見て思った幼女という感想も、とぼけようとしたこともだ。


 心を読まれているのか?こいつはほんとに神なのか?それよりも、見た目と喋り方が一致しねぇぇぇ。


 とりあえ好きず、お前のこれからの処遇について話すとする。 お前にはこれから異世界に行ってもらう。そして、命の大切さについて学んでもらう。


 今こいつなんて言った?異世界だと?そんな非現実的なことがあるわけ……。いや、この状況自体が非現実的だ。ていうとこれは夢だな。自殺は失敗に終わったんだな。


 これは現実だ。そして今から行ってもらう異世界ももちろん現実だ。そして、命を、大切にしなかった時のペナルティとして、一度死ぬたびに痛覚を敏感にしていく。ある程度の成果が見られたらその時はまた考えてやる。


 そうして僕は異世界で生活をすることになった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ