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現の夢  作者: 柚李
第一章
1/1

00.

“**”の中にある名前はそこで会話をしている人物の名前であり、人物名の前に“※”が無ければ主人公である“白川雪”サイドとなっています。

逆に人物名の前に“※”がついていれば、その人物のサイドということになっています。


“<>”の中にある名前はその場所で会話をしているということです。

*白川(しらかわ) (ゆき)♀*那俄性(ながせ) 史維(しい)♂*


<学校・教室>




「白川?…どうしたんだ?そんなにぼんやりして」


今はきっと嵐の前の静けさなんだと思う。そして、始まりの合図はとうに鳴っている。誰も知らないうちから始まって、人々を不幸にしてから鳴り止むんだ。


「……ん、なんでもないよ。ただの考え事。今日の夜ご飯は何かなぁってね」


このつまらない物語で一番苦しむのは目の前にいるこの人。こんなにも恵まれている世で私に声をかけた哀れで可哀想なヒト。私のために泣いて、苦しんで、痛みを分かち合おうとする、そんな優しいヒトなのに私たちは自分達の戯れ言に巻き込んでしまった。


「夜ご飯って、まだ昼飯を食べてないのにか?気が早すぎるだろ」


憎いアイツより先に逢えていたなら未来が変わったのか。…でもそれでも変わらない。アイツに逢うはるか昔に音は鳴ってしまったのだから。アイツに逢って運命が動き始めた、ただそれだけなんだと思う。


「えー?そうかなぁ…でもさ、暖かいご飯って、時々ふと食べたくならない?」


今回はどれだけの痴態をこのヒトの前で見せてしまうのか。復讐という名のちんけな物語はまもなくセカンドシーズンの幕を開ける。


「まあな、俺みたいな一人暮らしのやつらはもっとそう思うかもな」


それでも、


「そういう那俄性は?」


それでも──────


「俺は、今が一番暖けぇ」


私は今のこの幸せな時間が長く続くことを祈るしかなかった。

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