表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[The magic bibles]  作者: マポリー
第一章
4/10

第二話「脱獄計画」

 と、いきなり、図太い声が部屋に響いた。


「さぁ労働の時間だ!全員起きてるか?」


 見た目からすると、どうも見張りの衛兵らしい。


 俺は部屋を見渡した。


 俺以外の四人はいつの間にか、起きていたらしい。上半身だけ起こした状態で座っていた。


 老人も、あぐらをかいて、座っている。


「全員起きてるな?よし、出ろ」


 そう言って、衛兵が鉄格子のドアを開けた。






 ゆっくりと、垂れ下がった縄に手をかける。


 これを引っ張れだと?馬鹿げている!


 頭の中を、そんなフレーズがよぎった。


 何せその縄は、百キログラム近くありそうな岩をたった一本で縛っているのだ。


 なんとか引っ張って上げようとするが、もちろん、こんな大人も上げれなそうな岩を、子供一人で上げれる訳がない。


 俺は、引っ張っているのを装いながら、周りを見て、暇を潰した。






 カンカン、と低い鐘の音が響く。


「今日の労働はお終いだ!しっかり休め。明日の為に……」


 見張り台に乗った衛兵が、声を上げる。


 待ちわびた言葉。俺は言葉が聞こえると同時に、縄から手を離した。






 真夜中……


 俺は、他の四人と老人に囲まれて、座っていた。


 友達の一人、ラックが静かに口を開く。


「なんだ?こんな夜中に……」


「まぁ静かに聞いてくれ」


 そう言ってラックを促す。


 俺は静かに続けた。


「今、俺達は帝国に捕まり、牢獄にいる。そして酷い労働……いや、拷問をさせられた。お前達は耐えれるか?」


「ううん、僕は耐えられない」


 そう言って、友達のレオンが口を開く。


「そうだろう?だから俺達は動き出すんだ……」


 と、遮るような声が聞こえた。


「ちょっと、それってどういうこと?簡潔に話して」


 友達のアリスだ。


「まぁ待てよ。ここからが本題なんだから」


 そう言って、アリスを促す。


「俺達は自分達で未来を掴むんだ。だからする……」


 皆が唾を飲み込む音が聞こえた。


「脱獄だ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ