待宵草
掲載日:2026/04/15
バルコニーに出ると同じ目線に半月が浮かんでいた
見上げることなくみつめ合うこんな夜は珍しい
瞼の中で夕暮れの花達が浮かんでゆれる
滑り台まで降りる階段に咲いていた
スーと伸びた糸の様な茎の先に薄紫と白の小さな花
この愛らしき幻の名は知らなかった
紫蘭やセイヨウジュウニヒトエ
ヒメウツギや芝桜 山藤
タンポポは今綿毛になっていた
次々に咲いてくれて 嬉しい春の野 春の夢
もう おやすみというと
星が流れてゆく
月が滲んだ 月が滲んで咲いた
黄色の花が一輪
月をみていた 待っていた
あの眼差しの中でおやすみ
月色に染まったこの幻の名をしってる
待宵草だよ月見草




