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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

親友が泣きついて来ましたが、誰と誰が親友ですか?

作者: 与都 悠餡



親友が泣きついて来ました。夜会で。

理由は悪役令嬢(親友が陥れた)人の数々の悪事を証言して欲しいとの事。


夜会はサファイア公爵令嬢に対し困惑な視線を向ける。


「ミリア、辛かったね」

「王子••••••! ですが私には支えてくれた親友たちが居ます!(要約、さっさとサファイア令嬢の悪事を言え)」


ラムダは虫唾が走ると思った。

サファイア令嬢は友人たちから奴隷扱いを受けるラムダを唯一手を差し伸べてくれた人格者だ。


サファイア公爵令嬢は怒りを抑え平静を装う。


ミリアの手下という名の三馬鹿がサファイア公爵令嬢を罵る。


「最低ですわ、ミリア令嬢の食事に毒を混ぜたりしたのはアナタでしょ!」

ステイア準男爵令嬢は正義感に酔っている。


「ミリア令嬢を陰で複数人と交際していると噂したのはアナタでしょ!」

ケイト伯爵令嬢はミリアを陥れて王子と繋がろうとしていた。


「サファイア令嬢、謝罪を。みんなの前で」

キルリア侯爵令嬢、コイツはミリアと一緒になって私に犬喰いを強要した。


私の前には見えない天秤がある。

親友と名の奴隷か。サファイア令嬢を助けるか。


「サファイア公爵令嬢は知ってましたよね? ステイア準男爵令嬢がミリア令嬢の皿に毒を盛っている現場を発見し移し変えようとしたのをステイア準男爵令嬢に嵌められ『ミリア令嬢に毒を盛った犯人』に仕立てあげられたのは」


「!」


「な、なにを言っているの!? ラムダ! わ、わたしがそんなわけ」


「ステイア準男爵令嬢。私は忘れません。アナタに芋虫を食わされ裸踊りをされた事を」


そして見兼ねたサファイア公爵令嬢が高いであろうドレスを着せてくれたのも。


ステイア準男爵に対して夜会の視線は軽蔑と最低だという声一色に染まる。


良心の呵責か、今までいじめをして来た罪悪感がここにきて一気に吹き出したのか顔を覆い隠し夜会から逃亡するステイア準男爵令嬢。


「よ、よくも」


「ケイト伯爵令嬢、ミリア令嬢と一緒になって乱行は楽しかったですか?」


ケイト伯爵令嬢とミリア令嬢が一瞬にして血の気が下がる。

王子もミリアに置いていた肩を離し一歩距離を取る。


「ケイト伯爵令嬢、私は忘れません。アナタに命令され自慰行為を無理矢理強要された事を」


ケイト伯爵令嬢に対し侮蔑と軽蔑の眼差しが注がれる。


ケイト伯爵令嬢は耐えきれず逃げ出した夜会から。


「アナタはどちらの味方なの? ラムダ準男爵令嬢」

キルリア侯爵令嬢が二歩下がる。


ラムダは自身の着ているドレスを破った。


「ミリア令嬢、キルリア侯爵令嬢。楽しかったですか? 肉が抉れるまで鞭を打つ行為は」


ミリア令嬢とキルリア侯爵令嬢に対し夜会の視線はこれまでにないほど怒りに満ちていた。


「アレが未来の王妃か••••••?」

「信じられない」

「最低」


「キルリア侯爵令嬢、ミリア令嬢。私は忘れません。アナタ方の目の前で処女を喪っしたことを」


暗にレイプされた事を示す。


キルリア侯爵令嬢は泣きながら逃げ出す。

夜会の視線が殺意に変わったからだ。


サファイア公爵令嬢がミリア令嬢の前に立つ。

ミリア令嬢は虚な顔で「がう、こんなはずじゃ」とブツブツ呟く。


サファイア公爵令嬢がミリア令嬢の顔を平手打ちする。


「己がして来た行為、必死に償いなさい」


ミリア令嬢が脇腹を衛兵に抱えられ退場していく。


そしてラムダは何故かサファイア公爵令嬢の手を引かれドレスが並べられる部屋にいた。


「好きなドレスを着なさい」

「ですが私は」

「勘違いなさらないで。私は彼女らと同じ所まで堕ちたくないだけよ」


では、とシンプルで動きやすいドレスを選ぶ。


「ダメよ」


と一番綺麗で見惚れていた事に気づいていたドレスを着せられる。


「わ、私には似合いません」

「似合う似合わないは関係ない。着たいから着るのよ」


ドレスを身に纏う。


「派手すぎませんか?」

「お似合いよ」

「ありがとうございます、お世辞でも嬉しいです」

「世辞なんかじゃないわ。ねえなんで私の味方をしたの?」


「縁切りしたかったんです。私は親友を選び間違えたから」

「なら私たち友達になれないかしら?」


ボンッとラムダの顔が赤く染まる。

サファイア公爵令嬢も頰が赤い。


「わ、私で良ければ」









「それでお前は宮廷魔導師になるんだな」

「サファイア公爵令嬢のおかげで【ルーン魔法】の才覚が分かりそこで仲間たちを見つけたんです」


父はラムダを疵者にした令嬢たちと最後まで戦い結果令嬢たちは牢へとおくられた。


「あの時はすまなかった。お前の苦しみ辛さが分からず」

「いえ、あの日々があったおかげで親友がなんたるか知りました」

「ほう、それは」


ーーー窮地に立っても助け合える仲間。


ラムダの言葉に父は「確かにその通りだな」と晴れやかな青空の下、ラムダは城へと向かうのだった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ラムダが立ち直ったのは良かったですが、 [気になる点] いじめが凄惨すぎます。胸が痛みます。 [一言] ストーリー的にはまとまっていて、面白かったです。
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