六人目 七海 糸さま
七海 糸さまは以前は「糸」というユーザーネームで活動されていて、その名残でたらこは糸さまとお呼びしています。
このエッセイでもお名前の表記は糸さまとさせていただきます。
糸さまとの出会いは空野奏多さま主催のブルジョワ企画でした。
そうですね……作品を拝見させていただいてまず感じたのは、自分が想像もしたことのない優しい世界でしょうか。
あの時の衝撃は忘れられません。
読ませていただいた作品は「もふもふさんとフクロウさん。n3783hf」です。
こちらの作品を拝見して、なんて優しい物語なんだろうと素直に感動したのを覚えています。
心が震えるってこういうことを言うんだなぁと、しみじみと思いました。
たらこはなろうを始めるまで、どっちかっていうと殺伐とした作品ばかり書いていて、童話ジャンルって遠い世界と思っていたというか、ほとんど読むこともないだろうと思っていました。
ブルジョワ企画に参加することで糸様の作品を拝見させていただき、今まで触れて来なかった暖かい世界に入っていけたので、とてもよい経験になりました。
ブルジョワ企画でご一緒させていただいたことがきっかけで、めでたく糸さまと相互ユーザーになったわけですが……やはりお気に入り登録したからには、お相手の作品が気になるわけですよ。
ということで過去作を読んでみることにしました。
そして……ビビッと来たタイトルが見つかりました。
「灯台 n1727gz」です。
こちらの作品は糸様の代表作。
読む人の心に深く残る作品で、たらこ以外にもこの作品を愛してる人が沢山います。
内容を説明するよりも、あらすじを読んでいただいた方が早いと思いますので、引用させていただきます。
――引用ここから――
八月最後の週末に、私は一人息子の湊斗と寂れた港町を訪れた。
離婚後、年に数回こうして面会していたが、思春期に入りつつある湊斗との関わり方に戸惑う私はある提案をするが……
灯台の下で水平線に浮かぶ漁灯の美しさを目にした私と湊斗が出した答えとは。
――引用ここまで――
あらすじにある通り、父親が息子と過ごす日常風景を描いた物語なのですが……本当にすごいですよ。
読後感のすさまじさを言い表すには語彙力が足りません。
あの感動をなんと表現すればいいのでしょうか?
物語に山と谷を作るのは定常ですが、この物語は緩やかに谷へ落ちていくように話が進んでいきます。
主人公である父親に感情移入して読んでいたので、最後はどうなるんだろうと気にしながら読んでいました。
そして……ラスト。
詳しいことは語りませんが、最後の最後で思わず涙してしまいました。
長らく小説を読んで涙を流したことがなかったので、久しぶりの体験でしたね。
糸さまは人の繊細な心の動きを書くのが上手いのですが、「灯台」は特に読む者の感情を揺さぶる作品です。
もちろん、悲しさや苦しさからくる涙ではなく、人の心の温かさに触れて流した感動の涙でございます。
純文学が好きな人には是非ともお勧めしたい作品ですね。
さて、他にもいくつか紹介したい作品がございます。
糸さまは童話や純文学だけでなく、ホラー作品も書いているのです。
おすすめ作品を上げるとしたら……そうですね。
「三つ子池の人魚 n9025gz」をお勧めしましょうか。
こちらはディティールが丁寧に表現されている作品で、ムカデを焼き殺すシーンがあるのですが、強く印象に残っています。
やはりホラーは臨場感が命ですので、こういった細かい描写ができる作者様の作品は読んでいてとても面白いです。
このように、純文学やホラー、そして童話と、様々なジャンルの作品を書いている糸さまですが、なんとハーレムものも書いているのです!
〇異世界住民もてなします! 〜普通の高校生になりたいのにいつの間にか異世界に飛ばされたり、属性マシマシの美少女達に囲まれているのだが、頼むから俺のことは放っておいてくれ!〜 n2554hk
こちらは主人公のハジメ君が猫耳美少女ナターシャと共に、異世界からやって来た人たちをおもてなしするという作品ですね。
今まで紹介した作品とはかなり方向性が異なりますが……面白いですよ(。-`ω-)
純文学からローファンタジーまで、多彩な世界を作り上げる糸さまですが、それらの作品の根底にあるものはなんなのでしょうか?
たらこには想像もつかないですねぇ。
最後に、たらこが糸さまの作品で特に好きな作品を紹介したいと思います。
それがこちら。
〇エマとユーリ s6111g
ですね。
こちらはシリーズでの紹介となります。
短編集ですのでさっくり読めるのですが……是非ともシリーズ最初の作品である「うしかい座とスピカ n6210hh」を最後に読んで欲しいですね。
どうしてって……理由は読めば分かりますよ(にっこり