三人目 愛猫家 奴隷乙さま
本当に覚えやすいお名前ですよね。
以下、乙氏と表記しますのでご了承ください。
乙氏との出会いは、やはりエッセイでした。
たらこが書いたエッセイに感想を残してくれたんですね。
その感想はひと際、異彩を放っていました。
毎回長文での感想だったんですけど……ご自身の語りたいことを語る系の感想だったんですね。
そう言うの苦手だって思う人も多いかと思いますが、乙氏の感想はタダの迷惑系長文感想とはちょっと違ったんですね。
面白いんですよ、すごく。
まるでエッセイのようなその感想を、たらこは夢中になって読みました。
また乙氏から感想が欲しくなったので、当時は読み専だった乙氏をお気に入り登録したくらいです。
この人もエッセイ書けばいいのになーって思っていたら、本当にエッセイを書き始めてビックリ。
案の定、面白かったわけですが、そのクオリティの高さは周知のことかと思います。
どんなセンシティブなネタであっても巧みに使いこなし、ふんわりと優しさのオブラートに包んで、読む人の心をほぐしてしまう。
そんな不思議な魅力を持った謎の愛猫家オジサン。
それが乙氏なのです。
代表作と言えばやはり「ヴィーガンという宗教 n4049hg」でしょうか。
タイトルにもある通りヴィーガンについてのエッセイですが、この作品を読めばこの人のすごさが分かると思います。
決して感情的になることなく、過激な表現は避け、問題となる点を挙げてまとめています。
とても読みやすいのでお勧めです。
ついでに連載作品の方もおススメしておきますね。
〇猫家先生の実験 n7532hf
こちらはサードウェイブ事件という実際に起こった事件をモチーフとした作品です。
担任がクラスメイトに一つの組織を作らせて、その組織の一員であることを自覚させて行動させる実験を始めるのですが……物語は思わぬ方向に。
この作品の魅力は、実際に起こりそうなリアリティがあるところですね。
事態はどんどん深刻になっていくのに、絵空事じみた突拍子もない展開になることはなく、どこか現実じみている。
淡々と現実が非日常に侵食されていくような恐怖感があります。
最後はうまくまとまって納得のいく着地点へたどり着くのですが、終わり方にも現実味があってよかったです。
こんな風にキレイに作品をまとめられるのは、正直言ってちょっとかっこいいと思いました。
完結済みの作品ですので是非ともお読みいただきたいと思います。